~スキルコミュ障~
健治が目を開けると、正面に机とタブレットがあった。体がきちんと動くだろうかゆっくり足を動かすとスムーズに動く。問題はないようだ。周りを見渡してみると正面の机とタブレット、備え付けの椅子以外には何も無いことがわかった。あまりにも殺風景な部屋だ。
「ようこそいらっしゃいました♪」
声がした方を見てみると、いつの間に来たのか身長の低い可愛いメイドさんが立っている。ツインテールの黒髪に白黒のメイド服が合っていてとても素敵だ。
「ご主人様のご設定を共に考えていきましょう♪」
「は、はい。」
いきなりの『ご主人様』呼びに思わずドキリとしてしまう。元々健治はコミュ障を常時発動のスキルとして身につけているところがあるので余計に心臓に悪いのだ。
「そんなにかしこまらないでください♪こちらへどうぞ♪」
健治はゲ、ームおなじみの設定の時のちのち後悔しないように張り切ってしまうところがある。今回も背筋をしゃんと伸ばして目の前の席に座った。目の前のタブレットを覗き込んでみるとタッチペンが近くにあり文字が打てるようになっていた。
「まずは、お名前を教えてください♪」
メイドさんも一緒に覗き込んできたため顔がとても近い。心臓が一気に危険レベルまでバクバクと振動していくのを感じた。
「け、け、け、ケンジです!!26歳です!!」
極度の緊張で思わず聞かれていない年齢までも答えてしまう。
「かしこまりました♪」
そんな健治のコミュ障にもメイドさんは慣れた様子で辛抱強く付き合ってくれる。天使かよ。
やっとこさ震える手を押さえつけて名前を書き終えると次の作業に入っていった。
「次は、役職を決めましょうか♪」
役職は、前々から決めていたた。なのでさすがにすんなりと答えることができるはずだろう。
「て、、、テイマーにしようと思っていますです!!」
前言撤回をさせてください。
「はい♪かしこまりました♪」
そして相変わらず丁寧に対応してくれるメイドさんは天使だ。その後も健治は可愛らしいメイドさんにドキマギしながら設定を決めていった。
「これで以上となります♪」
「あ、ありがとうご、ございましたです。」
終わったことの安心感ともう少しメイドさんと一緒にいたかった残念感が浮かぶがここは前に進まないといけない。
「それでは楽しんできてくださいね♪」
その言葉を最後に景色が白い光に包まれ足が宙に浮いていった。
メイド「誤字脱字があるかもしれませんが中のご主人もコミュ障なものでご了承ください♪」
作者「(´・ω・`)」