#12 授業と渡辺先生との模擬戦Ⅰ
教室の大きさ横25m 縦50m
奏多は弁解もできないまま、ご飯をこよみと食べ自室で寝ようとしていた。
自室に入って寝ようとすると、花蓮が奏多の隣で寝ようとしていたので
「いやいやいや、なんで俺の横で寝る?!」
「精霊ですので、お構いなく」
「いやいや、構うんだよ! お前は気にしなくても俺は・・・・・・」
「発情期ですか? 主 」
「いや、なんでそうなる?! お前の頭の回路はどうなってやがるんだよ?!」
と最後の言葉を言おうとしたが、もうすでに花蓮は可愛い寝息を立ててぐっすりと寝て
いた。 それで奏多は花蓮が寝ているベットで寝ようとはせず、部屋のソファー
で横になった。
結局弁解をできぬまま夜が明けた。
夜が明けてリビングへ向かうと、こよみがいた。
こよみは奏多に向かい
「おはよう、お兄ちゃん。」
「あ、あぁ、おはよう」
と普通に会話していたので、ほっとしていた。
てっきり奏多は、もっと変な目で見られると思っていたらしく対してこよみ
は昨日の事はあまり興味がなかったらしい。
なので奏多はよかったと思い、朝ご飯と弁当を3人分作った。
ご飯を作り終わり、リビングのテーブルに並べようとすると、花蓮が
手伝ってくれた。
前の食卓とは違い、花蓮が一人加わったことでテーブルの上には食器が
増えた。
そして、テーブルの上に並べ終わると奏多は
「こよみー! 朝ご飯出来たぞー!」
と、顔を洗っているこよみに言うと「はーい、今行く」 と返事が来たので、
奏多と花蓮は先に座り、こよみを待っていた。
こよみが来て座ると、こよみはテーブルに置いてあるご飯を見て
「今日は、目玉焼きが乗ったトーストなんだね」
「あぁ、今日は作るのがめんどくさかったからな。」
と会話をしながら『いただきます。』 と言い、ご飯を食べ始めた。
ご飯を食べていると、花蓮が
「主 食べ終わりました。 まだ満腹じゃないので、もう一つください。」
と奏多とこよみはまだ半分くらいしか食べてないのに花蓮はもう食べ終わっていて、
お代わりと言ってきたので、奏多は
「あぁ、いいぞ。」
と言い、キッチンへ向かい、トーストをもう一つ作った。
トーストを作り終えたら、花蓮のもとに持っていき、花蓮に渡した。
花蓮は、満面の笑みで、「ありがとうございます。」 と言い、食べ始めた。
奏多も改めて席に座り、ご飯を食べた。
全員が食べ終わると、奏多は制服に着替えようと自分の部屋へと向かうが、後ろから
花蓮がついてきていて、
「おい、花蓮。」
「はい? 何ですか? 主 」
「なぜ、付いてくる?」
「着替えを手伝おうかと・・・」
「いや、いらん。 俺一人で着替えらせてくれ。」
「遠慮はいりませんよ♪ さぁさぁ、着替えて♪」
「いらない!」
「主 の手伝いをするのは精霊の役目です!」
「いや、それはメイドの役目だと・・・じゃあなくて! 要らないって言ったら
要らないんだよ!」
と奏多は花蓮を部屋の外へと追い出して、急いで着替えた。
自分の部屋から出ると、花蓮がほっぺたを膨らましながら
「なんで追い出したんですか、主 」
「いや、追い出すのが普通だからな?」
「なるほど・・・私が居たら発情して性欲が抑えられなくなるからですね!
私は別に構いませんよ? 主 の好きにしても・・・?」
「何をだよ?! 何もしないからな?!」
と、昨日からの調子で会話を交わしていた。
そんな会話をしていると寮の部屋のインターホンが鳴った。
奏多はすぐに出て聖夜に
「今行く!」
と言い奏多とこよみは部屋を出た。
部屋を出ると、昨日初めて会った時のようにいろはは聖夜の後ろに隠れており
それを見た奏多は
「おはよう聖夜、いろは。」
「おはようございます。 聖夜さん、いろはちゃん」
「おはよう、奏多、こよみちゃん」
「おは...よう...ござい......ます...」
と精霊を省く4人で挨拶をした。
精霊はというと奏多たち4人が集まると、無口になり、主 以外とは
あまり喋ろうとはせず※蓮子は、花蓮に物凄く絡んでます。※ 無口だった。
そして、奏多たちはクラスに向かっていった。
奏多らはクラスに向かっているとき、後ろでは精霊の戦争が繰り広げられていた。
それに奏多たちはみんな苦笑いし、1-Aでこよみといろはと別れた。
奏多と聖夜と精霊たちは、1-Aに入るとすぐに自分の席に行き、
座って今日の授業に使うものを持ってきているか確認していると、次々にクラス
メイトたちが教室に入ってきた。
全員がそろうのは奏多らが来てから5分程後だった。
クラスに全員が集まって席に着いて先生を待っていると、すぐに先生が来た。
先生が来ると
「おぉ、みんなちゃんと座っているな? じゃあ、出欠をとるぞ。 と言いたいところだが、
誰も休んでないな。 よし! 授業始めるぞ」
と言い授業が始まった。
授業内容は精霊魔法だった。
「よし。 じゃあ、復習な・・・・・・ これを如月奏多。 答えてみろ。」
「はい。 精霊魔法は精霊の属性によって、使える属性が決まります。」
「そして、その属性の数は?」
「火属性、水属性、光属性、闇属性、無属性の5つです。」
「よし、正解だ。」
と、先生は初歩の初歩の問題を出してきた。
俺は心の中では
(早く、体育の授業になってくれないかな・・・・・・)
と思いながら、自分の机の上に顔を伏せ、
昨日ベットを花蓮にとられたせいであまり深く寝れなくて授業中に眠ってしまった。
「マス・・・・・・マスタ・・・・・・・マスター! 授業終わりましたよ。」
「あ、あぁ・・・・・・」
と、花蓮に起こされると、先生は教室を出ていて、一時間目の後は体育の授業で
みんなが移動するところだった。
聖夜は奏多が起きるのを待っていてくれていたので、聖夜と共に講堂へと向かった。
奏多と聖夜と精霊一行は、講堂につくと奏多たちで最後だったらしくほかの人は全員
席に座っていた。それを見て小走りで席に着き、授業が始まった。
体育授業の教師は奏多と基礎能力テストで戦った渡辺先生だった。
(この先生に教われば、もっと強くなるかもしれない。)
と思っていた時期も奏多にはありました。
授業が始まると先生は、
「よし! 如月奏多君、リベンジさせてくれ! 今回は精霊剣で!」
と奏多に向かいリベンジさせてくれ! と、授業中なのに突然言ってきた。
それに対し周りの人は『見たい!』 と口々に言っていたが、奏多は
「いや、渡辺先生。 授業中なので今は授業をしてください。」
というと、周りの人は『えぇー』 と言ってきて先生は
「なんで?!」 と訳の分からないことを言っていた。
それに対し奏多は
(さっきは強くなれると思ったけど、今は時間の無駄じゃねーか?!)
と心で思い聖夜が
「奏多も大変だね」
「だろ・・・・・・」
と奏多に救いの声をかけてくれたと思ったが
「実は僕も、奏多と先生の模擬戦見てみたいんだ! 僕からもお願いするよ!」
と、聖夜まで、みんなと一緒にお願いしてきた。
「なんでやねん・・・・・・」
咄嗟に大阪弁で言ってしまった。
それで奏多は、断っていたらキリがないので渡辺先生との模擬戦を受けることにした。
渡辺先生は、
「よっしゃー! じゃあ、魔法の使用は自由、ただし、呪い系統の魔法は禁止な?」
「っていっても...... 精霊剣で斬ったら死ぬんじゃないんですか?」
「いやいや、この講堂は理事長が作った特別な結界に囲まれていて、その中での負傷
なら、たとえ死んでいても、外に出ればあっという間に完治するんだよ。
でも、まぁ、斬られたりした痛みはあるけどな。」
「そうなんですか(棒)」
と、奏多は面倒くさかったので渡辺先生の話はスルーし、花蓮に
「頼む、花蓮。 俺に力を。」
「はい! 御心のままに。」
というと、花蓮は光を放ち、剣になった。
奏多は剣の柄を持ち、構えた。
渡辺先生は、それを見ると渡辺先生も精霊を剣にした。
両者構えあったところで、聖夜が
「では、今から模擬戦を始めます。」
と言い、奏多と渡辺先生の模擬戦が始まった。