自然少女との出会い 2
続きです。
物語が少しだけ進みます。
相変わらず拙いかもしれませんがお付き合い下さいますと嬉しく思います。
「どうしたの?」
出会ったばかりの女の子に声をかけられてしまった。
少しとはいえ見つめてしまっていたこともあり慌てて目を逸らした。
変に思われていないかとても心配になる。
「まさか人が居るとは思わなくて……」
「それであんな顔してたんだ」
あんな顔って僕はそんなに酷い顔をしていたのだろうか……。
「綺麗だよね」
「えっ?」
「ここの桜」
なんのことかと思ったけど辺りには綺麗な桜が一面に広がっている。
「確かにそうだね」
「私ね、この町が好きなの。自然に囲まれていて安心する」
「凄くわかるよ」
「良かった」
桜を見ながら話す彼女は自分が褒められたことのように嬉しそうだった。
「ところで君の名前は?」
「僕は森野誠。君は?」
「私の名前なら知ってると思うよ」
「えっ……どういうこと?」
「私は転校生だから」
彼女はふふんって声が聞こえるようなポーズをしている。
転校生の名前なら先生が言っていた。
「聖さんだよね?」
「正解! 聖凪。同じ若葉高の一年だよ」
「よ、よろしく!」
「こちらこそよろしくね」
「森野君ね……ふむふむ……」
聖さんは何か考えるようにぶつぶつと言っている。
何を言ってるかまでは流石に聞き取れないけど。
「森野君は一組の日向さんって知ってる?」
「日向さんって日向楓さんのこと?」
「そうそう! 同じクラスで仲良くなってよく話してるの。そしたら森野君達のことやゴールデンウィークに遊びに行くって楽しそうに話してたの」
「そうなんだ」
どうやら日向さん達も楽しみにしてくれているようでよかった。
それにしても転校生とすぐ仲良くなれる日向さんのコミュ力に驚かされる。
「それでもしよければなんだけど……私も一緒に行きたいなんて言ったらだめかな……?」
葉月さんが上目遣いで僕を見上げるように問いかける。
気恥ずかしくなって僕はつい目を逸らしてしまう。
「やっぱり迷惑だよね……?」
「えっと……。僕はいいけど他の人にも聞かないと……」
「勿論それは自分で聞くよ」
葉月さんはニコッと笑顔を見せる。
「あっ、そうだ! 一緒に行く友達がすぐそこにいるから聞いてみようか?」
奈倉憐です。
まずはここまで読んで下さってありがとうございます。
この物語はここからなので是非これ以降も読んで頂きますと嬉しく思います。
感想もたくさんお待ちしております。