その5
I君の担当している多次元DBのリプレースの資料に目を通す。なるほど、リプレースといってもヴァージョンUPがメインなわけね。時刻は12時前。僕は机にまえのめりになりながらおむすびをほおばりページをめくる。
なになに?上位互換性が完璧じゃない?軸の再構築も要検討?何本の次元軸があるんだこれ。なんだこのER図は、RDBも抱えてんのかぁ。某O社のRDBにも似た機能があるからそちらにのりかえたほうが早いんじゃね?
「ハルさん、お茶、どうぞ」
「あ、ありがとうございます!御園さん」
御園さんは25歳の社長秘書兼庶務担当のフェロモンを感じさせない女性。コミケのことは私に任せなさいと豪語しているツワモノ。いつもお世話になってます。そして、社長の夜のお世話もしているという噂もあったりする。うむ、あなどりがたし。
「ハル、あせってんのかぁ~♪」
さっかー先輩がこれまたコンビニ弁当をほおばりながら擦り寄ってくる。不気味だ。
「そんなことないですよぉ。さっかー先輩こそ何してんですか?今の仕事」
「ん?C++でスパコンいじって遊んでるよ。ひまだねぇ」
ふぁぁと大あくびしての背伸びっすか、先輩。
「ハル君、そろそろ行かないと」
やべえ、Kさんだ。もうそんな時間?時計をみると、わわ、12時半だ。急げ、急げ。
「じゃ、またまたいってきまーす!!」
僕はおむすびを口にくわえて全力ダッシュで玄関を飛び出した!




