その4
10時、5分前。お客様の打ち合わせ室に案内される。相手はこの会社の情報システム部門の部長さんだ。営業だと相手にしないと噂の部長もSEだと歓迎してくれる。戦友のようなものだから、とのこと。
お、部長さんが部屋に入ってきた。10時ジャスト。
僕は軽く挨拶ししばし談笑の後、商談にうつる。プロジェクターにプレゼン資料を投影し(もちろん打ち合わせ用の資料もお渡ししている)説明をはじめた。
「・・・以上を持ちまして本件の提案を終えます。結論として申し上げれば仮想サーバの上にRAC、クラスタを構成し、2台のH社製サーバー機で稼動させるのがベストだと信じております。」
ふむ、と片腕に頭をのせて考える部長。紫煙がたゆたう灰皿。しばしの沈思黙考。で、でた結論は。。。
「うん、君の提案を受け入れよう。概算見積もりは購買部の査定分も上乗せしておくれ。これってインサイダー取引になっちゃうから内緒ね」
軽く(^_-)---☆Wink、されちゃった。正直僕にされても困る。
「ありがとうございます。では詳細なお見積もりと、システム構成図を改めてお持ちいたしますんで、」
「ハルくん?」
軽く部長にやけてる。
「はい、なんでしょう?」
「うちの会社にこないかい?優遇するよ?」
ナンパですかぁ。ヘッドハンティングっすね。
「機会があればよろしくおねがいいたします」
「うん、そうしておくれ」
僕の打ち合わせは終わった。見送ってくれる部長。僕は急いで帰社しなくちゃね。だってI君のピンチヒッターでもあるんだから。
僕はアクセルを全開にした。




