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その1

僕の名前はハル!システムエンジニア。まだ1年目の新米。朝6時に起床して、郵便受けに新聞を取りにいき、広告をチェックしたあと、軽くコーヒーとあんぱんを食し、歯磨き。スーツに着替えてネクタイをしめれば、7時。ほら、もうサラリーマンに変身。愛車の軽四をとばして1時間、ここは岡山県O市にある事務所の一室。1Fは駐車場、2Fに事務所とPCルームがある。僕は車から降り2Fに続く会談を1段とばかしでスキップしながら上り、入り口にあるIDセンサーに認証カードを当てる。ピろり~という、いつもの退屈なメロディーとともにロック解除。オフィスとのシンクロ率100%。ああ、今日もまたシステムが僕を呼んでいる。自分のデスクはない。空いたデスクにつきその上に置かれた端末を操作する。感度の悪い指紋認証チェックとパスワードを入力後、顧客リストの確認。うん、今日もなんとかなりそうだ。10時から打ち合わせ、打ち合わせっと。さてその前に昨日片付けたはずのプログラムをチェックしよう。PCルームの入り口にある網膜センサーの認証チェック、ベリファイ、クリア。進入成功!旧式のダム端末の先に某I社製のスパコンが鎮座されている。昨日は某O大学に納める科学技術用並列プログラムをテストしたんだっけ。どれどれ餌をくわせてっと。ふむ、結果は上出来、上出来。今日も気分はハッピー!そして、ぴんぽーんというオフィスに誰かの入室音。あ、僕の上司のKさんだ。急いで今日午後からある会議の打ち合わせをしなくちゃ。


「Kさん、おはようございまーす!」


Kさんは、おはよう、と言って空いたデスクにつき端末を操作し始めた。眼鏡に光が反射して、今日もきれい。長髪、凛とした背筋の、僕の上司は2歳年上の女性だった。


憧れなんだよなぁ。Kさん。


「本日1時からの会議についてなんですが・・・」

「ハルくん、悪いけれど、今日の会議は中止。」


びしっ、と指さされてしまった。びびる。


「え、何かあったのですか?」

「I君が昨日スキーで骨折して緊急入院。代理でハルくん、がんばって。午後1時からK株式会社の取締役と打ち合わせ。内容はこのファイルにかいてあるから急いで目を通しておくこと」


はい、といって渡されたファイルに目を通す。ふーん、多次元DBを使った意思決定シエンシステムのリプレースかぁ。Iもがんばってるんだなぁ。僕もがんばらなくっちゃ。


「わかりました」僕はびしっと敬礼した。

「よし、いけ!」Kさん、いつも、どこか、変。


ヘンテコリンナ会社にはへんてこりんな人物があつまるものかな、そんな面々を午前中の顧客打ち合わせ前には紹介できると思う。さてとまずはこんなところかな。


今日のはじまり、はじまりー。

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