チャプター24 2人の行動
翌日。デレクは記者会見を開いた。
それはテレビでも生中継で放送されており、メアリーや、サムもノーラン邸で視聴していた。
「真相はデレクが全て話すんですって?」
「ああ、彼が全て話すらしい。さあ、彼が話し始めるぞ。」
「今日、集まってもらったのは、大事なことが2つあるからです。1つは、現在牙を剥いているピノキオ事件。もう1つは、ファルコンマンが市民に与える影響・・・」
彼が言いかけると、マスコミや警官たちが次々と言った。
「犯罪発生率は過去最悪だ!」
「ファルコンマンが奴を引き寄せたんだ!!」
「ファルコンマンは正体を明かせ!!」
彼らの発言に、デレクは口を開いた。
「そのことについてだが・・・大事な話があります。ノーラン邸のトビアス・キートン・・・」
デレクが言いかけると、会場にいたトビアスは前に出ようと、身構える。
「トビアス・キートンに知られてしまった。私の正体を・・・彼が気づかなければ、この街は救えなかった・・・彼に拍手を。そして、私には手錠を・・・」
デレクは警察に手を差し出し、手錠をかけさせた。
拍手を送られ、マスコミに迫られるトビアスだが、彼は驚きを隠せず、マスコミを避けていった。
テレビでそれを観ていたメアリーは不快感を露わにした。
「トビアスはどうして彼に擦りつけたの!?卑怯だわ!」
「メアリー、デレクはトビアスを信じていたんだよ。彼はトビアスがファルコンマンであることを知っていた。しかも、彼は誰よりもファルコンマンの存在を認めていた。デレクはトビアスを庇ったんだよ・・・」
「トビアスを理解してくれるのは、デレクだけなのね・・・」
「君にはよくない知らせだったな・・・」
「いいえ、2人がそれぞれの使命を果たすなら・・・サム、彼に渡しておきたいものがあるんだけど・・・」
「渡しておきたいもの・・・?」
「そのうち、届くから・・・ 彼に渡してほしいの・・・じゃあね・・・」
メアリーはそう言い残すと、ノーラン邸を去って行った。




