表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブンドド!  作者: ぶらぼー
第一部
139/228

転生したらロボットになってて無双&ハーレムが以下略⑩




 ◇ ◇ ◇




「脳みそ……」

「こ、これってもしかして……」

「さっきのデカい奴の……」


 結局、三人は見つけてしまった培養液漬ばいようえきづけの脳みそを無視できず、建物の中に入り込んですぐそばまで近寄り、まじまじとそれを見つめていた。


「……ハッ!? ひょっとして僕の脳みそもどこか別のところにあるとか……!?」




 パカッ




「ロボさん、ちゃんと頭の中に脳みそありますよ」


 突然、マヨがブンタの茶筒ちゃづつ型ボディの上の部分、頭にあたるパーツを持ち上げると、中から強化ガラスっぽいものにおおわれた脳みそが現れた。


「うぅーわぁー!!」


 いきなり頭の一部を取り外されたブンタと、いきなりそんな光景を見せられたミントンが悲鳴を上げる。


「いきなり何するんですか!」

「いきなり何すんのよマヨ!」

「だって脳みそは普通頭ん中にあるってお医者のヤムが」




 ミントンはゆっくりと息を整える。そしてブンタに向き合って話を始めた。


「ねえ、ちょっと今までの流れから話を整理させて。さっきのあの死体、君のだって言ってたけど――その脳みそってもしかして」

「……その死体に入っていた、僕の脳みそだと思います」


 ブンタは二人に、自分が把握できている範囲での事情を説明する。自分が元は人間で車にかれて死んだと思われること。目覚めた時には今のメカの体になっていたこと。先ほど拾ったミチぽんのフィギュアは死ぬ直前に買ったモノであること。


「……僕自身、まだ半信半疑ではあるんですが。でも生々しい自分の死体見ちゃったし……それにこのミチぽん、ここにあるのはちょっと偶然とは思えないです」

「そ、そっか……滅茶苦茶大変だったんだね……って一言で済ませちゃダメか」

「いえいえ……」




 二人の横でマヨが培養液の中の方の脳みそをじーっと見つめている。こちら先ほどの巨大ロボを操作している脳だろう。恐らく、ブンタと似たような経緯で摘出された……。


「ひょ、ひょっとしてこれを何とかすれば、あの暴れているの何とかなりますか……?」

「な、何とかって」


 マヨの言葉に、ミントンは思わずごくりとつばを飲んだ。




 ◇ ◇ ◇





 バシュゥ!


 上空を飛ぶニッケルのライフルから放たれたビームが、ハトシー・ロムレの頭部に命中する! 頭部は右側から大半の部分が、抉り取られるように消失する。


 

 ブォン……


 だがハトシー・ロムレは動きを止めることなく、四本の腕を振り上げた。


「コイツ……頭部もダメか!」




 ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ!




 ハトシー・ロムレの細長い腕から、カリオを狙って手刀が繰り出される! カリオは四本の腕から放たれる連撃を、前後左右にステップを繰り返しながらかわしていく。


(やっぱ普通じゃねえコイツ! 素人みてえな身のこなしのくせしてスピード自体はやたらある!)




「ニッケル! 対ビームコーティング弾の準備ができたよ! 射線をあけて!」


 ニッケルのいるコックピットのスピーカーから、リンコの声が響く。戦場から離れた、街の防壁の上でリンコのチャカヒメが実弾マークスマンライフルを構える。狙うはハトシー・ロムレを援護する三基の大型ドローン。リンコはコックピットでスコープを覗き、照準を素早く合わせると、迷うことなく引き金を引いた。




 ガァン!




 マークスマンライフルの銃口から、ビームシールドの働きを阻害する、特殊な表面処理を施された弾丸が放たれる!


 バズン!


 弾丸は大型ドローン中央、シールドを発生している発振器に直撃。見事に破損させた。


 ガァン! ガァン!


 続けて二発、リンコはマークスマンライフルで撃つ。同様の対ビームコーティング弾が残り二基のドローンの発振器に命中、ビームシールドを無力化する。


「流石だぜリンコさんよぉ! ってうぉ!?」


 ビビビビビ!


 軽口を叩くニッケルのハネスケに向けて、大型ドローンとハトシー・ロムレの指先から、ビーム砲の一斉射撃が放たれる!


「なんの!」


 ニッケルは華麗に機体を回転させつつ斜め後方に飛び、ビームを全て回避。


 シュオン!


 さらに同時に八基全てのウェハーを操作する。それぞれのウェハーから鋭いビームの刃が形成される。そして――




 ビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュン!




 ――意思を持つ投げナイフのように、大型ドローン三基目掛けてウェハーが突っ込んで行く!


 ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ!


 ビーム刃とウェハー本体の質量によるダメージで、大型ドローンは大きく損傷し、三基とも墜落する!




「うわあ!?」


 ドローンを撃墜され、悲鳴を上げるタクオ。その足下に三度みたび、カリオのブンドドマルが高速で迫って来る!


「うわあああ!!」


 ビビビビビ!


 今度はカリオに向けて、タクオは四本の腕によるビーム攻撃を繰り出す! 下に向けて放たれたニ十本のビームを、カリオは真上に高く飛び上がって躱す!


(……この次だ、次はアレが来る!)


 カリオはすぅっと軽く息を吸って、止める。




 ジ……ジジ……ジ……




 カリオの予想通り、ハトシー・ロムレの全身がうっすらと輝き始めた。 




 ビュビュビュビュビュビュン!!




 タクオの機体から全方位ビームが放たれる!


 ダァン!


 カリオは息を吐いて空中を蹴る。「エアバネ」の機能により空中に見えない足場が形成され、それを足場にブンドドマルは更に高く飛び上がる。カリオは機体をそこから機体をひねらせて、全方位ビームの隙間に機体を滑り込ませるようにして攻撃を回避した! そのままカリオは素早くビームソードを納刀する。


 ダァン!


 もう一度カリオは空中を蹴り、今度は下方向に向かって突進する! そしてハトシー・ロムレとすれ違いざまにビームソードを抜き放つ!




 ギャギギギィン!




 宙に「米」の漢字のように、四本の青い剣閃が同時に走る! そしてハトシー・ロムレの胴体を深く斬り裂く!


 ウキヨエ流居合術・一瞬四斬コメジルシ!




(入った! カリオの居合いあい、クリーンヒットだ)


 上空のニッケルが見下ろす中、カリオは地面に静かに着地する。その背後でハトシー・ロムレがゆっくりと仰向けに倒れていく。




(転生したらロボットになってて無双&ハーレムが以下略⑪ へ続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ