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キフチュー仮面   作者: ジンベエ
15/25

その15

見城「おお!そうか!うんうん、さすがだな!確かに頷ける!」

高実「でも、今年で終わりだよな?」

ケンジ「ええ、そうですね。卒業ですからね。」


 それを聞いて見城は少しもったいない気がした。


見城「そうなんだ。進路は決まってるのか?」

ケンジ「いえ、まだ決まってはないんですけど、ゆくゆくは消防士とか、警察や自衛隊か・・・。」


 とケンジが答えると見城はこう聞き返した。


見城「まぁそうだな。自衛隊なら大丈夫だろうけど、・・・プロレスラーは?」


 そう聞かれてケンジの表情が少し曇った。


ケンジ「・・・ええ、考えた事はありますけど、・・・やっぱりその先の事とか・・・。」


 と言ってケンジは言葉を濁した。見城もこのケンジの気持ちはよくわかる。自分もやはり凄く悩んだからだ。そして見城はゆっくりと、ケンジに笑顔でこう伝えた。


見城「ああ、ごめんな。本当実にもったいないなって思ったからさ。せっかくこんな良い身体

   なのになって。そういう俺も、君と同じ年の頃凄く悩んだんだ。どうしようかってね。

   んで今中学校の教師になった訳だけど、そうだな、もし人生が二回あるんだったら、

   俺はきっとプロレスをやってるよ。そうだろう?」


 するとケンジも笑顔で見城に応じた。


ケンジ「ええ、そうですね。もし二回あったら自分もやりますよ。」


 それを聞いて見城はニヤリと笑って、こうケンジに伝えた。


見城「・・・うん、でも今後どうなるかはわからないからな。俺も当然このまま教師でいられるか、

   続けられるかわからないから、人生二回はないけど、挑戦はできるんだ。まだ時間はある。

   とりあえず今日は、何も考えずに思い切りぶつかって来いよ!俺も覚悟して挑むんだから、

   気にせず手を抜かずにな!そして立浪選手よりも熱く、目立ってしまえよ!」


 それを聞いてケンジは、笑顔で大きく返事をし、二人は握手を交わした。それを見て高実も笑顔で頷いていた。そしてケンジがこの場から去った後、再び見城は高実に尋ねた。


見城「・・・それで、あいつは?」

高実「・・・もしかして、『キム』ですか?」


 特に驚く表情をしないで、高実は見城に聞き返した。


見城「そうだ、そうだろ?・・・もう来てるのか?ここに。」

高実「いや、あともうすぐしたら。この地には来てますよ。」


 そう聞いて見城は少し焦った。


見城「おい、もう始まっちゃうぞ!大丈夫なのか!?」

高実「ええまぁ、タクシーで来るって言ってましたから。」

見城「・・・・・・・。」


 見城は内心不安に思っていた。そう思わす『キム』とは、高実の一つ年下の大学の後輩、当然見城にも後輩にあたる、木村正和という人物だ。この木村は実は今、実際にプロレスラーとして活躍しているのである。

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