生き残ってほしいため、友達にさらなる改造を施す
こうして私はタロウを再び生体システム機能室に連れて行き、タロウに改造手術を施した。頭部視神経にエネルギー停留部を作り、ガソリンタンクから燃料を補給できるようにして、目からエネルギー光線を照射できるようにする。手術そのものには成功した。あとは性能試験だ。タロウの術後の回復を待っている間、上司から連絡が入る。
「やあ、JPQKUNS03。例の案件、どうなった?」
「例の案件と言いますと?」
「またまた、とぼけちゃってるねえ、相変わらず。ほら地球侵攻用に例の走竜戦車を使おうってやつだよ」
「あ、その件ですか。その件でしたら、こちらの準備は整っています。あとは彼の回復を待ってそちらに送付しますので」
「いや、そうかい。この作戦が成功したらわが部署も政府中枢に対して発言権が増すというものだ。ボーナスを出さないといけないね、君には」
「ですが、彼を地球侵攻に使われると、こちらの資源開発が遅れることになりますが、よろしいのでしょうか?」
「なに、もう一匹捕まえて走竜戦車にしてしまえばいいんじゃないかな?」
「あの個体はたまたま知能が高いので開発にうまく使えましたが、他の個体を使って戦車と融合させても彼の性能には及ばないでしょう。それに他の個体を走竜戦車にしてもきちんと働かないでしょう。働く動機がないのですから」
「そうかい?難しいもんだねえ。それはそうと、回復を待つって言ってたけど、何かしたの?」
「えと、JPQKKMK01から要請があったのですが、ミドルレンジでの攻撃オプションが欲しいとのことでしたので、目から高エネルギー光線を照射できるようにしました。もはや走竜戦車ではなくって、恐竜戦車と呼んでいます」
「そうかい、いつごろになったらその恐竜戦車とやらはそちらを出ることができる?」
「そうですね、早ければ十日、余裕を見て二週間といったところでしょうか」
「一週間で何とかならない?」
「それだと光線照射テストができませんが・・・」
「あー、テストはしなくっていいよ。君のやる仕事に間違いはないからね」
「どうしてそんなに早めるのですか?」
「うん、さっき連絡があって、地球人の開発した新型爆弾が十日後に完成するそうなんだ。それで、その新型爆弾とやらを奪取して解体し自分達の技術にしたいんだよ、となると、移動の事も含めて一週間後にはそちらを出るようにしたいんだ」
「わかりました。では一週間後に宇宙船でそちらに到着するように手配します」
「よろしく頼むよ、では」
そう言い残し上司の画像は切れた。私はため息をついた。タロウは果たして生き残れるだろうか?むずかしいな、と思う。なぜかって、光の戦士はけた外れに強い、そう聞いたからだ。せっかく死にかけていた友人を救い、生きる目的を持たせたのに、また死地に追いやるのか?せめてこの星に居る間はタロウの希望をかなえてやりたい、私はそう思った。




