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いきなりピンチだ!
私は、この走竜一族のうちの一匹を知っている。まだ若い、経験の少ない雄だ。最初の出会いは、私がこの星に着任早々、この小規模走竜群を発見し、行動を調べようとして飛行艇の操縦に失敗し、命からがら脱出した後だった。倒れて気を失っていた私は、ある気配を感じて目を覚ました。巨大生物だ・・・食われる!私の命もこれまでか・・・そう思った私はまた気を失った。次に気がついた時は日の当らない、ちょろちょろと水の流れる谷の岩場だった。顔に当たる水滴に、何事かと思い起き上った。幸い怪我はないようだ。私は辺りを見回した。いた!さっきの巨大生物!水を飲んでいる!のどを潤してからメインディッシュというわけか?しかし、そう簡単にはやられないぞ!私は携帯ボックス、異星探査飛行艇に乗り込む際には必ず身につけておかないといけないもの、の中から何かないかと探した。武器らしきものは、なにやらハンドガンがある。それ以外はない。私は走竜が水を飲んでいる間、このハンドガンの取り扱い説明書を読んだ。