古い友人に事情を説明される
「わかった、その線で説得してくれ。ところで、君の取ったタロウ君の映像見たんだがね。彼、とてもパワフルで正面からの突進力もありそうだし、尻尾による打撃力もある。遠距離だと戦車からの砲撃もできる。ただ、背後や上から来られた場合、対処するすべがないように思えるんだ」
「そりゃそうさ、兵器として作ったわけじゃないからね」
「そこさ。光の戦士は運動性能に優れ、飛び道具も使うんだ」
「飛び道具?」
「そう。一つは光の戦士、その名のごとく、破壊光線。これは個体によって光線の出る場所が違うんだ。今地球にいる奴は額と腕の両方からだせる、もう一つは、今地球にいる奴に固有の武器らしいんだが体の硬化した角みたいな部分を取り外して投げナイフのように使って相手を切り裂く武器を持っている。それは一度使ったらまた元に戻ってくるから何度でも使えるらしい」
「自分の意思で元に戻ってくるのかな?」
「それは調査不足でよくわからない。それで、この二つに対抗できるように、彼に何か中距離レンジでの攻撃オプションを作ってもらいたいんだ」
「戦車砲だけじゃ不足かい?」
「あれは遠くの敵を倒すには十分だけど、正面の敵にしか使えないだろ?君は生体機械融合の専門家なんだからなんかできるだろ?」
「そうだねえ、目から光線を出すとかかなあ」
「そうそう、そういうの頼むよ」
「まあ、タロウが君の作戦を了承してくれたらの話だけどね」
「それじゃあいい返事を期待してるよ」
そう言い残してスクリーンから友人の姿が消えた。いい気なもんだ。それは、彼の作戦は成功してもらいたい、新しい惑星に拠点を設けて我々の文明をさらに発展させたい、とは思う。だけどなあ、タロウを巻き込むのは余り感心せんなあ?だけどうちの上司もそれを認めているみたいだし。