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殺し屋JKが異世界で冒険する話  作者: 飯泉翔羅
第二章:異世界を冒険、二つ目の国にも
70/71

70:初めての召喚獣

今の僕にしてははやく書けました!

次も頑張ろう!

「召喚!サマシリタイガー!」


私が手を前にかざしてさけぶと、目の前の地面からゆっくりと、ネコ科型の魔物が白く光り輝きながら生まれ出てきた。

…なんか体全体が地上に出てきてから少しずつ大きくなっているような気がする…?


「あ、あわわわ!これってやばいやつじゃないメルジェ!」


「や、ヤバいやつだよアリシャ…離れよ!」


2人が全力ダッシュで離れていく。そんなに危険なんだろうか。

そう考えているうちにさらに大きくなるシルエット。

私の2倍くらいの大きさにまで大きくなっているような気がする…。


『我を召喚したのはお前か…小娘よ…』


突然声が聞こえてきた。

こ、こいつ…直接脳内に…!

いや、ほんとに直接脳内に届いた。その証拠に離れていったふたりの表情には、なんの変化もない。


「そ、そうですけども!?」


『なるほど…たしかに我を召喚しうるだけの力は有しておるようだな…われはディアブルタイガー。お前が召喚しようとしたサマシリタイガーの上位種であり、お前達の言うネコ科型において最強の魔物である。こういった召喚の義において、我らのような高位の召喚獣は相手の実力がどうであれ試練を受けさせねばならん。断れば我はまた眠りにつくだろう。どうする?』


光り輝いて輪郭しか見えないディアブルタイガーの問に、私は即答する。


「もちろんやるわよ!」


私の言葉と同時に、ディアブルタイガーの光がはじけ飛び、その姿があらわになった。体長は3.5mほど。全身が白くて艶のある綺麗な毛で覆われ、その存在だけでかなりの威圧感を放っているように感じる。少し大きめな白い毛の虎のようだ。


『そうか。ならば試練の内容を説明しよう。われが主と認める者は、我よりも強大な力を持ち、我を使役し力としたい者だけである。召喚の時、既に力の強大さは見えた。それ故に我が元々用意していたものとは違う試練をお前に与えようと思う。その試練とは…』


ゴクリ…と私は喉を鳴らす。なんで私の方が強いって認めているのにこの虎は上から目線で威圧しながら脳に直接言葉を送り付けるんだ!疲れる!


『我を1時間愛で続けよ!それでわれが満足出来た時、我はお前を主と認めよう。あと、この態度は試練を出す側の態度としては正しいはずだ。我慢してくれ。』


拍子抜けした。こんな簡単な試練でいいのかしら。むしろこの虎弱いんじゃ…


『ちなみに我、獣王より強いからな?こんな試練だからと舐めるんじゃないぞ?』


あ、はい。そですか。


「ゆいかー?そのとらどうなるのー?」


4種の魔法練習をやめて私の方に寄ってくる乃愛。

そうか、この虎の声私の脳内に直接言葉を送っていたから周りには聞こえてなかったんだ。


「これから試練するらしいわよ。」


「ゆいかのしれんをうけるの?」


「逆逆。私が試練を受けるのよ。」


「えー、ひつようなさそうだけど〜」


「でも内容がすごいわよ。1時間あの子を愛でればいいんだって。」


「えっ…?もしかしてあのとらゆいかにきがあるんじゃ…!」


「さすがにそれはないわよ…」


『おい、そろそろいいか?試練を始めたいのだが。』


乃愛と茶番を繰り広げているあいだに虎の準備は出来たようだ。にしても、さっきより声が高いような…。

そう思いつつ振り返ると、そこには約50cmほどまで小さくなってぬいぐるみのようになったディアブルタイガーの姿があった。


『あの大きさの我を愛でるのは普通に無理があるだろうからな。姿を縮めてやった。ちなみにこの姿でも十分に力を発揮出来る。それでは、試練を始めるが、良いか?』


「ええ、もちろん…こんなに可愛いならいくらでも愛でられるわ…!」


私の頭の中はこの可愛い小虎を愛でることで埋まっていた。


『では、はじめ!』


その後1時間の間。ディアブルタイガーの嬌声がダンジョンの中に響き渡ることになった。




『おっ、おしまいだ!おわりっ!おわりっ!も、もうやめっ!あっ!』


「ふ、ふふへへへ、ひひひ…可愛いなぁ可愛いなぁ…」


「ゆいか!おしまいだよっ!」


はっ!ついつい夢中になってしまった。乃愛に引き剥がされていなかったらずっと愛で続けることになってしまっていただろう。


『ふぅ…やばかった…お前、容赦というものを知らないな…?』


「いや、だって可愛いから。愛でないわけに行かないわよね?」


『恐ろしい女だ…さて…これにて試練は終了だ。お前の実力は嘘ではないことが良くわかった。われの忠誠をお前に捧げよう。我が主よ。我に名前を…』


小さいディアブルタイガーは私に頭を下げた。ピクリとも動かない。


「名前…名前ね〜…どうしたらいいかしら。私名付けとか苦手なのよね…」


『どのような名前であろうと主の名付けによって契約は成される。なんでも良い。呼びやすい名前を我に…』


「えーっと、あ、そう言えばあなたオス?メス?」


『む?我は一応メスの個体である。番となれる強さを持つ同族など見たこともないから性別など気にしたことは無い。』


「そうなのね。えー、じゃあ、しらこ!」


場が凍った。が、そんな場の空気を無視するように、私の名付けは成功してしまったようで、ディアブルタイガーの足元の地面から光が溢れ、ディアブルタイガーを包み込む。

そして、すぐに光は収まり、先程よりも毛艶の良くなったような気がするディアブルタイガーの姿が現れた。


『わ、我に名をさずけてくれたこと、感謝する…。我は、ほ、本日今この時をもってし、し、しらこ…を、名乗ることにする…』


ディアブルタイガー…しらこはものすごく微妙な顔をしている。

周りを見ると、乃愛もアリシャもメルジェも微妙な顔をしていた。


「ゆいか…さすがにしらこってなまえは…つよそうじゃなくておいしそうだよ…?」


「天才だと思ってましたけど、名付けに関しては逆に天才なんですねぇ…」


「ある意味天才的な才能ですぅ…」


なんという評価だ…しらこ、可愛いじゃないか。いい名前だと思うのだけど…


『何にせよ、我は主に従属することになった。これから宜しく頼む。』


切り替えたのか、キリッとした顔で私に頭を垂れる。

こうして、私は新しい仲間、ディアブルタイガーのしらこを手に入れたのだった。






「いやー、ユイカさん凄いですねぇ!ディアブルタイガーなんて初めてみました!というかあのめっちゃ強そうな魔物にしらこって名前を付けるのもある意味凄いですねぇ!」


「なによ、バカにしているの?しらこって名前可愛いじゃないの。私はこの名前好きなのだけど。」


名付けが苦手なのは本当だし、センスがないのもわかっている。たがらちゃんと名付ける前に私は名付けが苦手だと言ったししらこからもどんな名前でもいいってお墨付きをもらった。だから名付けたのに周りに文句を言われるのは嫌だ。


「す、すみませんっ!バカにしてるわけじゃないですよぅ!」


からかってきたメルジェが焦ったように後ずさる。


「まぁいいわ。名付けのセンスがないのは分かってるし。さ、しらこももう影に入ってもらったし、次の訓練しましょ?」


「まって〜ゆいか〜。おなかすいた〜ごはんいこ〜?」


やる気満々な私の気を抜かせる乃愛の言葉。乃愛の腹時計(仮)はかなり正確なので、いつの間にか夕飯の時間になっていたのだろう。


「そうですね、もう夕飯の時間ですから、ご飯食べに行きましょう!」


「もしよろしければ我々がここに来て一番好きなお店にご案内しますよ!」


2人は満面の笑みだ。そんなにご飯が食べたかったのだろうか?


「え、それじゃあお願いするわ。しらこもご飯食べたりするのかしら…?」


『我は食べる必要は無い。だが同席させてくれると嬉しいな。』


脳内に直接声が届いた。なるほど。


「じゃあ行きましょうか。」




「あなた達明日も時間あるの?光魔法教えて欲しいのだけれど。」


ダンジョンを出て歩きながら聞く


「私は大丈夫です!メルジェは?」


「私も特には!じゃあ明日も頑張りましょう!」


「良かった。それじゃあ明日もお昼に行けばいいかしら?」


「明日は準備とかいらないので午前中に来てもらってもいいですよ!」


「正直光魔法に関しては我々が役に立つかどうか不安なところでありますけどね!」


「そうなの?じゃあ10時くらいにダンジョンでいいかしら?」


「わかりましたぁ!」


「また明日もよろしくお願いしますぅ!」


「な、なんかノリが先生じゃなくて生徒みたいね…」


「ね〜ゆいかぁ〜、そのはなしはいいからはやくごはんたべたい〜」


乃愛が私の背中になだれかかってくる。柔らかくて暖かくてとても良い。ちょっと重いけど。


「はいはい、今向かっているんだからもうすぐよ〜」


頭を撫で撫でしながら歩みを進める。


「お二人は本当に仲がよろしいですねぇ」


「ノアさん、もうすぐつくので我慢してくださいね!」


「んぅ〜…」


拗ねたように私を抱きしめる乃愛。可愛いので私は何も抵抗しない。少し首がしまっているけど死ぬほどじゃないので気にしない。


「大丈夫…よ乃愛…もう…着くから…ね…」


「ん!?ノ、ノアさん!?ユイカさんの首がしまってますよ!めっちゃ苦しそうになってますよ!」


「え?あ、ごめんゆいか〜」


乃愛の手が緩む。別に言うほどでもなかったからもっとべったりついてて欲しかったのだけれど…。まぁそんなことは言わない。


「大丈夫よ。それにしてもまだなの?結構歩いたと思うけれど。」


「あ、もう着きますよ。てか見えてます!あそこの建物です!」


アリシャが見た感じレストランな建物を指さす。なかなかに立派なお店のようだ。


「はやくいこ!」


乃愛が私の手を引いて走り出した。全力で。

もちろんアリシャとメルジェは完全に置いていかれてしまった。


「乃愛!ストップ!入口で待つわよ!2人が完全に置いてかれているわ!」


「えー?しょーがないなぁ…」


「しらことちょっと戯れてて。しらこ、小さくなって出てきて」


すっと影から出てくるしらこ(ミニver.)


『乃愛様。我はし、しらこと言う。唯香様を主としている。これからよろしく頼む』


礼儀正しくしらこが乃愛に頭を下げた。私と乃愛が仲がいいことを知っての挨拶だろう。乃愛は…


「んぅ〜かわいい〜♪もふもふ〜♪」


しらこの挨拶をガン無視して抱き上げてもふもふし始めた。


『お、おおお!?あっ!』


完全にしらこはおもちゃになってしまった。まぁいいだろう。これで乃愛としらこも信頼関係が築けるってものね。


しばらくしらこと戯れる乃愛を眺めていると、アリシャとメルジェが息を切らして追いついてきた。


「あ、2人ともごめんなさいね。乃愛、お腹空くと周り見えなくなる時があるのよ。」


「そ、そうですか!」


「だ、大丈夫ですよ!」


ゼェゼェ言いながらも笑顔を浮かべる2人。


「さ、入りましょう!ここには肉だけでなく野菜もちゃんとあるので期待してください!」


アリシャが張り切って扉を開く。

美味しそうな匂いがふわっと漂ってきた。


これは、期待できるかもしれない…!


そう思いながら私たちは初めてのレストランに入っていった。




結論から言おう。最高だった。ここには現代日本人がいたのか?と思うくらいにメニューが豊富で完全にガ〇トとかサ〇ゼとか、そういう感じの料理がたくさんあった。ひとつ違うのは少し値段が高めなところ。さすがに現代日本ほど便利では無いようだ。


2人とはレストランを出て別れた。

乃愛も満足げだ。しらこも少し食べたのだが、やはりお肉が良いらしく、今後も余裕があれば食べさせて欲しいとの事。ペットみたいでとても可愛い。これで獣王よりも強大な力を持ってるというのだから様々な意味で最強の魔物だと言えるだろう。今日はこの最強の魔物を私と乃愛の間に入れて休むとしよう。私は上機嫌になりながら帰路についたのだった。

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