69:続 森精種の魔法学
月1回レベルになってきてしまってすみません。
ゆっくり書きます
やることが沢山あってなかなか書く時間ができないんです。(言い訳)
今後ともよろしくお願いします。
「では、まずMPの使い方をマスターしましょう!」
「お二人の体の中には、魔力、MPが流れています!」
「それを感じて、流れのスピードや向き、量を調整する練習をします!」
「先程も説明しましたが、上手くコントロールしないと魔法が暴走して予期せぬ出来事が起こります!」
「それを防ぐための練習です!」
練習でもしてきたのか、単に気が合うだけなのか、アリシャとメルジェ、交互に発言する。
「具体的にどんな練習をするの?」
「それは、こちらですっ!」
私の質問に、アリシャが手を指し示す。その先ではメルジェが座禅を組んで、両手の平から透き通るような青色をしたボールを作り出していた。
「え、あれなに!?すごぉ〜い!」
「しっかりMPがコントロールできるとこんな感じになるんです!今日はこれができるようになるまで頑張りましょう!」
「はーい!」
ということで私たちも座禅を組み、精神を落ち着けて魔力コントロールの訓練を始めた。意識して魔力を探してみると案外簡単に見つけることが出来た。
ただ、その魔力をコントロールする感覚というのは、なんというか、ドジョウのように掴みづらく、手の平にに魔力を放出することも叶わなかった。
一方乃愛はと言うと、すぐに魔力をコントロールして魔力のボールを両手に作り出していた。まぁ乃愛は魔力特化型っぽい能力をしていたからできるのも不思議ではないのだが、少し悔しい。
「のあ、ゆいかができるまでこんとろーるのれんしゅうする〜」
こんなことを言われてしまっては何としても早く出来なければいけない。
乃愛から遅れること10分ほどで、私も魔力ボールを作り出すことに成功した。1度掴めてしまえ簡単だった。
「お、お二人共すっごく早いですねぇ…!」
「私たちでも教えて貰って3日くらいかかったのにぃ…!」
アリシャとメルジェが目を剥いていたが、それは神様のチートを受けた私たちなら当たり前とは言えてしまうのだろう。
「乃愛、待たせてごめんね?」
「ん〜ん!だいじょぶ!いっしょにつぎいこ!」
満面の笑みで乃愛は私を見た。私もほほ笑みを浮かべながら見つめ返す。
「2人だけの空間作り出さないでくださ〜い!」
「次のトレーニングですよぉ!」
2人が怒ったように声を上げる。仕方ない。
「次はどんなことをするのかしら」
2人はいそいそと、どこから持ってきたのかわからない大きさが3段階になっている木製の的を部屋の各所に置いている。
「次も魔力コントロールの練習ですよぉ!」
「さっき出した魔力をイメージで遠くに飛ばすのですぅ!」
「威力や範囲も全部コントロール出来るので、しっかりイメージするのです!」
「先程のトレーニングよりもだいぶむずかしいですから心して挑んでください!」
「それでは、例をお見せしましょう!だいたいこんな感じです!」
アリシャが手を指し示すと、今度は普通に立っているメルジェが右手に魔力ボールを生み出し、軽く振った。するとボールから細い魔力が雷のように飛び出て、勢いよく一番近くに置いてあった的に当たった。見た目以上に威力が抑えられていたのか、的自体にはたいした被害はない。
「今は雷のように鋭く目標物を突くイメージでやりました!ま、正直これ言葉で説明するよりイメージをしっかり持つことが大事なので、早速練習していきましょう!」
というわけで練習が始まった。
しかし、これもなかなか難しい。
様々な形に変形し続けるドジョウをずっと掴み続けるようなイメージだ。
どう変形させるかを自分の中でイメージして、動きや使う魔力の量などを全部コントロールしなければならない。
このトレーニングでも、やはりと言うべきか乃愛はすぐにマスターした。魔力を動かしながら遊ぶこともトレーニングになるようで、乃愛は魔力をいろんな形にして変な動きをさせている。
「ユイカさんが天才だと思ってましたけどぉ、ノアさんはやばいですねぇ…才能の塊ですよぉ…こんな早くにこれができるようになる人初めて見ました…」
アリシャの言葉にメルジェも激しく頷く。元々魔法系に特化した能力で、さらにチートを貰ってるわけだから簡単に魔力を操れるのも良くわかる。
「あ、出来た。」
そんなことを頭の片隅で考えていたら出来てしまった。あまりに細すぎるイメージは逆にまとまらないのかしら。
「もう出来たんですね。さすが天才ですね。」
アリシャが力なく呟くと、メルジェも力なく1度だけ頷いた。普通とは違いすぎる状況に、呆れたのかついていけなくなったのか…
「それでは次のトレーニングです!」
このあと光と闇以外の4つの魔法の「初心者でも必ず簡単に出来る」と名高いらしいボール系の魔法を練習した。乃愛も私も全部1回でできた。2人は口をあんぐりと開けた。次にアロー系。「中級者になると先を鋭利に尖らせてまっすぐ飛ばすことが出来る」そうだ。1発でできた。目を見開いていた。そしてハンマーやソード、棍棒、さらには身につける鎧型まで様々な形を試した。だいたい中級者から上級者向けが多く、ひとつの形に固執しないものの練習だったのだが、2回3回でいろんな形に変えるコツを掴めたのでこのトレーニングもすぐに終わった。
「まだだいぶ時間あるのに今日やろうと思って多分終わっちゃいました…」
「上達が早すぎます…」
アリシャもメルジェも顔が引きつっている。
「そうは言われてもねぇ…」
「のあもっとまほうつかえるようになりたい!もっとおしえて!」
さっきから乃愛は各属性魔法を交互に出して形を変えて遊んでいる。既に武器とかじゃなく、馬とか犬とか魚とか、本当に色んなものを生み出しては動かしている。とても楽しそうなので何よりではある。
「乃愛もまだまだ知りたそうだし、そろそろ光属性か闇属性の魔法も教えてくれないかしら?私も知りたいのよ。特に光属性は」
私の頼みに、2人は顔を見合わせて、手元の時計を確認して頷いた。
「では、闇から行きましょうか!光はまじで面倒なので!」
「闇属性の魔法がどんな魔法かはやりましたから分かりますよね?」
「ええ、召喚魔法ね?魔物を従えて戦えるんでしょ?」
「そうです!ってノアさん!?話聞く気あります!?一旦四属性の魔法は終わりにしてください!」
乃愛は闇属性について話し始めた途端に興味を失い、魔法を使って遊んでいた。
「しょうかんまほうっておもしろくなさそぉ〜…つかいたくない〜…」
「そんな事言わないの。闇魔法だって魔法なんだから乃愛にとっては超強力な武器になるのよ?」
「えぇ〜…べつにいいよ〜…」
「まったくもう…仕方ない。あんなやる気のない乃愛は久しぶりに見たわね。」
完全に興味が無いようだ。元の世界で有象無象に告白されていた頃よりも嫌そうな顔をしている。
私は2人に向き直る。
「乃愛には必要があれば私から教えるから、とりあえず放っておいてあげて。」
「わ、分かりました…っでは!切り替えて説明していきます!」
「召喚魔法は魔物を召喚して戦わせる、単純明快な魔法です。ただ、召喚者より強い魔物を召喚してしまうと、召喚者の言うことを無視して勝手に行動し始めてしまいます。」
「ですから、あくまで確実に自分より弱い魔物を喚び出す必要があります。その際のイメージも明確にする必要があります。」
「あと、召喚した魔物を従属させることもできます。従属させれば魔物は召喚者の影の中に入り、名を呼ぶだけで召喚できるのです!」
「では改めてお手本をお見せします!メルジェよろしくっ!」
「はーい!召喚!イェデルラット!」
メルジェが手をのばして叫ぶと、地面から体長20センチ位の白いネズミが現れた。
ネズミはメルジェの方を見ると、四つん這いになり、動かなくなった。
「こんな感じに、種族名を呼んでその形をイメージすれば召喚できます!今の四つん這いで動かない状態が、私に降伏を誓って命令を待っている状態です。これで名前をつけると…えーっと、じゃ、君の名前はラットね!」
ラットと呼ばれたネズミが顔を上げるとぴかっと一瞬だけ光り輝いた。そして、そのネズミはメルジェの方に走りより、その肩に飛び乗った。
「おぉ〜」
「こうやって従属させることが出来ます!ラット、影に入ってすぐに出てきて!」
ラットはその言葉を聞くとすぐにメルジェの影に入り、ぱっと出てきた。
「へぇ〜。こんな感じなのね。面白そうだわ。」
かわいい魔物がどれだけいるかわからないが、従属させて愛でたい気持ちになってきた。もふもふに包まれたい。
「最後に従属を解除する時の方法です。これは簡単。こうやって手をかざして、解除!って言ってやれば…」
ラットが一瞬光り、収まった後すぐに駆け出して逃げていった。
キャッチアンドリリース…魚釣りみたい…
「説明やお手本は以上です!ここに魔物の図鑑があります!消費するMPに注意してどれか召喚してみてください!正直ユイカさんたちならめちゃ強い魔物でも従属できそうですけど…」
アリシャがそう言いながら分厚い図鑑を渡してくる。
開いてみると、それはそれは多種多様の形をした魔物が、山のように載っていた。しかも可愛いやつやかっこいいやつより圧倒的にキモイやつが多い。
「キモイのばっかね…私も召喚術やめようかしら…」
こうも見た目がひどいと、強くても使いたくなくなる…
「ちょ、ちょっと待ってください!可愛くて強いのもいますから!ちょっと貸してください!」
メルジェが私の手から図鑑をかっぱらって、ページをパラパラと勢いよくめくっていく。そしてとあるページで手を止めた。
「ユイカさん。ネコ科の動物、好きですか?」
「え?んーまぁそうね。犬か猫かなら猫だし、猫は好きよ?」
「じゃあこちらのページで選んでみてください!」
手渡されたページにはネコ科の形をした魔物が沢山いた。流石に猫のような癒されフェイスはしていないが、野生の猫のようなかっこよさ、眼光の鋭さが目立つ。私はその中で一番強そうでかっこいい魔物を選ぶことにした
「このサマシリタイガーって強そう。これにしようかしらね。」
「ユ、ユイカさんお目が高い…!ネコ科型の中で一番強いと言われているサマシリタイガーにするんですか。」
「ま、まぁMPの消費量で強さが決まる訳ですし、問題は無いと思いますが…!」
おっと、最強のネコ科型魔物だったのか…たしかに強そうではあるけれど。
「ところでさっきのネズミにはどのくらいMPを使ったの?」
召喚の参考に聞いてみる。適当にMP突っ込んだら最強の魔物になりすぎて世界を滅ぼしちゃったとかなるの嫌だものね。
「そうですねぇ…10くらいですかね。少なすぎたら動けないし多すぎたら強すぎちゃうので最初はだいたい真ん中からちょっと少なめで入れるといいですよ。」
「ふーん…」
私は考える。あのネズミで10ということは、10だとめっちゃ弱いということだ。
それじゃ、とりあえずサマシリタイガーの体つきや魔力の量をイメージして…
「召喚!サマシリタイガー!」




