63:続 獣王国の学校
一昨日の夜に急に思いついた百合小説書いてたせいで遅くなりました。百合に興味ある方はぜひ見に行ってみてください。
今回結構筆が進んだので調子がいいかもしれません。
校内は特別言うことの無い、私たちが慣れ親しんだ高校とあんまり変わらない作りをしていた。言えるのは、材質がかなり丈夫なことと一つ一つの教室がだいぶ広いこと。
「丈夫なものにしてないと、すぐ生徒か先生が壊しちゃうんですよ〜」
とはアラネ校長のお言葉。野蛮な国だ。別に卑下している訳では無いが。
「最後に〜ここが戦闘用のグラウンドです〜。強力な結界が張ってあるので、普通の生徒や先生の力では壊すことは出来ません〜が、英雄さん達は普通じゃないので気をつけてくださいねぇ〜」
間延びした声と緩んだ顔で言ってはいるが、目の力のこもり方が半端じゃない。私だけでなく、乃愛もそれを察知したようで、後ずさっている。さすが学校の長。怖い。
「これで案内も終わりなんですけど〜暇ですね〜。なにかしたい事ありますか〜?」
すっと目の力が消え、先程までのゆるい顔に戻ったアラネはゆるく聞いてきた。
「特にないですけど…乃愛は?」
「のあもとくにはないかな〜。」
「そうですかぁ〜。それじゃあ、校長室でお茶でも飲みながらお話しましょう〜!英雄のお孫さんてことは、お二人共転生者ですよね?転生してからのことでも、転生前のことでも色々お話聞いてみたいです〜。」
ということで、私たちは校長室でお茶を飲みお菓子を食べながら私たちが転生してきてからのことをお話しした。たいそう気に入ってもらえたようで、とくに瑠璃香が奴隷にされていたこととか、瑠璃香への私たちの接し方がツボに入ったようで、瑠璃香という名前を聞いただけで笑うようになってしまった。流石に瑠璃香が可愛そう。
ちょうど話しきって一息ついたところでチャイムが鳴った。
「あ、午前の授業終わりの時間ですね〜。学食でもいってご飯食べますか〜」
ふわふわとした足取りでアラネが先導する。別に酔ったりしていないはずなのにふらふら歩くアラネが少し心配になってくる。
「到着ですぅ〜。何を食べましょうかねぇ〜やっぱり野菜スティックの山盛り弁当がいいですかね〜。」
そんなのがあるのか、と表示を確認したら、うさ耳獣人のみ注文可能、と書いてあった。私が見たところほかにうさ耳はいないので実質アラネだけの特別メニューなのではないだろうか。ちなみにほかのメニューは、肉メイン、魚メイン、野菜メインと3種類に別れている。
「のあはにくめいんがいいかな〜♪」
と言いながら乃愛が肉の列に並ぶ。
「それなら、私は魚にしようかしら…でも、瑠璃香が魚好きそうだし、野菜メインにしましょ。瑠璃香と一緒は良くないわ。私の精神上。」
私はいない瑠璃香にいつも通りの暴言を吐きながら野菜メインの列に並ぶ。しばらく待っていると、外から騒がしい声が聞こえてきた。荒事とかではなく、単に会話の声が大きいのと、大笑いばっかりしているのが原因で、こっちまで響いてきたのだ。
学食に入ってきた熊耳の青年と、ほか多種の耳を持った青年達は騒ぎながら入ってきて、そのまま流れるように私や乃愛の前に割り込んできた。
乃愛の前にはリーダーっぽい熊耳の青年が割り込んだ。
「ねえきみ。わりこみはよくないよ。はんざいだよ?」
「うるせぇよノーマルが!雑魚は黙って獣人様の言うこと聞いてりゃいいんだよ!ってか、わりこみ程度で犯罪になるわけねぇだろ!馬鹿かこの女!」
熊耳の青年と取り巻きたちは下品に笑い合う。さーすがにイライラっときたので口を挟む。
「あなた達、見たところ精神がガキ以下ね。常識知らずもいいところだわ。人の不快になることはしない言わないさせないってことを知らないのね。可哀想に。」
「なんだよこのチビ女。やんのかアッ!?」
私の目の前にいた馬っぽい耳を持った少年は、私の地雷を踏み抜いた。その言葉を聞いて、認識した瞬間に、私の体は動いていた。もちろん相棒なんて使わない。こんなクソガキに相棒を使ったら相棒が汚れてしまう。なので人差し指で右目の横の空間を鋭くついてみた。やっぱりクソガキはバランスを崩して無様に尻もちをついた。
「おい!このガキ!お前尻もちついてねぇでこのガキぶっ飛ばせよ!」
熊耳青年が喚く。うるさいガキどもだ。
「ねぇ。あなた達午後の物理戦闘の授業には出るの?」
「お前らが知ったって関係ねぇだろ?まぁ?俺たちは真面目でえらーい学生だから?もちろん出るに決まってるけどな?」
「あらそう。じゃ、その時に色々と教えてあげるわ。常識とか常識、あとは常識…ね。」
「常識だけじゃねぇかよしね!無駄にイキってんな!」
なんてブーメランな言葉だろう。自分に向けて言っているようなものだと言うのに、気づかないのだろうか…。
「それじゃ、授業で会いましょう。色々教えてあげるわ。」
「へっ、お前らなんかに教えられるようなことねぇよ!しね!」
ボキャ貧だなぁ…と思いながら食堂のおばちゃんに野菜メインの料理を貰う。あいつらが騒いでるうちに列はどんどん進んで私も乃愛もちゃんと料理を保持している。
「あらあら、早速絡まれちゃいましたねぇ〜」
「ちょっと校長先生。こんな生徒がいていいんですか?これじゃほかの生徒達が大変じゃあ…」
「うふふ、いいんですよ〜。社会に出たらあんなレベルではない理不尽がそこらじゅうにゴロゴロ転がっていますから〜。彼らを更正させようと努力する先生達の負担を考えたら、彼らをも教材として生徒達に見せつけることも勉強のひとつになりますから〜♪」
そう言いながら、アラネは4人席のテーブルのひとつの席につき、野菜スティックを生でカリカリ食べ始めた。
カリカリカリカリカリ
カリカリカリカリカリ
「ゆ、ゆいか…これ、うさぎっていうよりどっちかっていうと…」
「ええ…リスね…これ。」
アラネにうさぎ要素はあまりなかったが、可愛いという点のみハッキリわかるお昼休みだった。
午後一の授業は魔法学だったので、私達も潜入した。
授業が終わると、乃愛が目を擦りながらすごく眠そうに言った。
「これ、ぜったいひるやすみのあとにやるじゅぎょうじゃないよ…。」
そう。この授業、人気がないことが原因かはわからないが、とにかく眠くなる授業なのに昼食直後の時間にしか入っていないようなのだ。週の時間割を見たので間違いない。ちなみにこの授業には王子様もバルドも参加していた。王子様にいたっては入れる授業は全部入っているらしい。いろんな予定であんまり参加出来ないのがネックだとか。
その2人は真面目に授業を聞いていたが、乃愛を含めた他の受講者はみんな机に突っ伏していた。私はしっかり聞いたので内容も理解出来た。
私が理解した限りでは、
・魔法には火、水、土、風、光、闇の6種類があり、それぞれに特徴がある。
・火はその名の通り、火を扱う魔法で、成長させれば火をひとつのモンスターのようにして、自分の思った通りに動かして相手を火だるまにしたりできる。弱点は土。被せられたら消えるから土魔法が来たらなるべく逃げた方がいいとか。
・水はその物量によって打撃ダメージを与えたり、水の塊をキープして窒息させたりと、いろんな戦い方ができる魔法である。1番人気の高い魔法…と言われているらしい。弱点は火。業火によって蒸発されてしまうためだそうだ。火よりも弱い水があることに少し驚いた。
・風は相手を吹き飛ばしたり、鋭い空気圧で切り裂くなどの効力を発揮する。弱点はないものの、あまり戦闘に特化した魔法ではないとか。上達すれば空が飛べるらしい。
・土は主に制作系と、防御系に優れている。これで地割れとかは出来ない。せいぜい岩とかをふっとばすか、落とし穴を掘るくらいにしか役立たないらしい。ただ、制作系の魔法を得ることが出来たらそれは超万能なので重宝するとか。瑠璃香、やるわね。
・光は、基本的に特殊な魔法で、火、水、土、風のどれにも当てはまらない魔法をいう。光に関しては本当に無限に種類があるため、基礎では説明することは無いらしい。1番気になるのに…
・闇は、召喚魔法。基本的に魔物を召喚する魔法で、召喚者よりも弱い魔物であれば、召喚者の命令に忠実に従う。強い魔物ほどコントロールが難しく、MPの消費も高い。MPをどれだけ使うかで召喚される魔物の強さが決まってくる。なお、MPは出漁の調整が難しく、出しすぎると気絶してそのまま魔物にぺろりということもあるので注意が必要らしい。
・魔法の仕組みは、まだ解明されていない。今わかっていることは、私たちの体の中に魔力(MP)が流れており、その保有量が増えれば使える魔法も増えるし、強い魔法も使える。魔力がなくなると、一時的に意識を失う。大体半日程度で目を覚まし、その時点でだいたい半分くらい回復しているらしい。
・魔法の覚え方は人によっては難しく、人によっては簡単な…(ここでチャイムがなり、ここ以降の板書はなかった。)
という感じで、結構いろんな知識が入手出来た。1番知りたかった魔法の覚え方が来週に持ち越しになったのはちょっと残念だが。
「その様子を見ると、シノミヤさんは結構得られたみたいですねぇ〜♪」
ふわふわと微笑むアラネ。うさ耳、ぴょこぴょこ揺れる。素晴らしい。
っと、意識が飛びかけてしまった。とりあえず、魔法の授業が終わったわけだから、このあとは戦闘だ。
お昼に面倒な絡まれ方をした彼らに格の違いを教えてあげないとな…ふふふ…




