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殺し屋JKが異世界で冒険する話  作者: 飯泉翔羅
第二章:異世界を冒険、二つ目の国にも
60/71

60:戦闘大会の終わり

内容が無いよう…ごめんなさい

遅くなりましたがとりあえず書ききりました。

今後も頑張ります


3人が控え室に戻ってくる


「ゆいか…ごめんなさい…まけちゃった…」


乃愛は目に涙を溜めながらも、両の拳をぎゅっと握りしめてこらえている。マリナは特に何も言うでもなく、瑠璃香の懐に入って腹を殴った。


「ぐえっ!?なんで!?」


「ユイカ…ごめんなさい…わたしじゃ…おうさまたおせなかったから…こうさんした…」


ぺこりと頭を下げるマリナ。その横から頭を撫でようと手を伸ばす瑠璃香。それを察知してその形のままこっちに逃げてくるマリナ。瑠璃香は泣き崩れた。


私は二人を一緒に撫で、抱きしめる。


「2人ともよく頑張ったわ。あんな化け物相手にここまでやったんだもの。私たち4人揃ってたら余裕で勝てたわね。あとマリナ。降参したのは正解よ。自分の力を過信しないで戦わない選択をしたのは偉いわ。自分の判断に胸張りなさい。」


「うん…うん…!ううっ…うえぇぇぇ!」


「ありがとう…ユイカ…でも…っく、くや…しい…うぅっ…」


私が離れたらすぐに二人とも泣き出してしまった。


「その悔しさが私たちを強くするの。この大会を忘れずに、この先の糧としましょう。」


2人はコクコク頷きながら涙を流し続ける。


「な、なんか美少女2人を泣かせた犯人みたいですごく気まずいなぁ…わ、わしは悪くないよな?これは戦いだもんな?」


何故か獣王様が焦っている。さっきの戦闘を見せてくれた人とは思えない。


「2人はどうでしたか?」


尋ねると、獣王様は急に引き締まった顔になって答えた。


「この子達、まじやばい。わしが手も足も出なくなるのも時間の問題だと思ったよ。何よりマリナだ。冷静な状況判断と正確な射撃、そしてシロノの補佐。全て10歳の、ましてや女の子ができるレベルのことではない。今更かもしれんがな。」


「最後、無理やり自分の空間作ってましたけど、あれって…」


「あーその話はやめてくれぇ…大人げないと言われる…あれ正直ピンチになった時の逆転法のひとつなのだよ…まだいくつかあるが、多分次は使う暇はないな…」


「つまりそれだけギリギリまでいってたってことですか」


「ああ。2回くらい負けを覚悟した。シロノのスピードがあとすこし早かったら、マリナの銃撃がもう少し精度がよかったら、多分わしの負けだった。」


その言葉を聞いて、2人はさらに泣き出した。涙やその他様々な液体は全部瑠璃香の服に吸わせようとしている。


「ちょっと私タオルでもティッシュでもないよー!?」


瑠璃香は逃げるので追いかけっこがはじまった。


「決勝戦は16時40分からアシュリンA1層にて行います。参加者の皆さん、そして観客の皆さんはご移動をお願いします。」


放送が入った。


「とりあえず1層の控え室で時間を潰そうか。」


時刻は16時25分。少しのんびりして、最後の戦闘に向かうことにしよう。




アシュリンA1層は今まで使われていないだけあってとても綺麗なフィールドだった。時刻は16時39分。既に観客も私と瑠璃香も準備は出来ている。獣王様はあとから来ると言っていた。それなのに、何故か、私たちよりも先に、誰かがフィールドにいた。


「誰…?」


「あ、私、なんか察した。ペアでしょ。獣王様の」


「…決勝でようやくお出ましなのね…」


フィールドに入った私たちが入口にとどまって話していると、背後から軽く頭を叩かれた。


「おいおい二人とも。わしと戦いたくないからって入口で立ち止まるのはやめてくれ…お?」


獣王様も先にいる人影に気づいたようだ。


「獣王様。あれ誰ですか?」


「うむ。わしのペア相手だ。わしの付き人というか秘書というか…」


「あ、あの女の人ですか。」


たしかにあのフードは初めて獣王様に会った時に近くにいた側近の人が身につけていたのを覚えている。


「イヨ、どうしてきたんだ?わしが彼女たちもに負けると思ったのか?」


獣王様が近づいて話しかける。


「そうよ。あなた、さっき女のほ2人に、しかも片方はほんとになんの能力もないような10歳児のペアに結構ギリギリだったし、次の子の子達は大本命じゃない。仕方ないから私が参戦してあげるわ。」


「素直じゃないなぁ…私も戦いたい!とか言ったらいいのに。」


「うるさいわね!さっさとやるわよ!」


見た感じ痴話喧嘩みたいだ。にしても獣王様相手にすごく仲良さそうだなこの付き人さん。敬語すらないなんて。


「時間です。準備はよろしいでしょうか。お急ぎください。」


放送が入った。時間はもう過ぎているのだが、付き人が獣王様にギャンギャン突っかかっている。こんな公共の場でこんなことしてていいのだろうか。


流石に放送が入ったのには気づいたのか、付き人がこちらに軽く頭を下げる。


「あの人たちすごく仲良さそうだね。」


「ええ。きっと獣王様の姪っ子とか何かなんじゃないかしら。」


「えー、準備が整ったようですので、決勝戦を始めさせていただきます。決勝戦、スタート!」


始まると同時に、私は予知を全開にして相手の動きをはかる。瑠璃香は威嚇射撃でハンドガン2丁を全体的にばらまくように撃ちまくる。


相手は共に回避行動しか取らないようだ。いや、獣王様がこっちに来そうだな。付き人は…投げナイフか。瑠璃香ならなんてことない。


横薙ぎに剣を振るう獣王様にカウンターを叩き込むべく右側に進路を取り、動く。単純なスピードでは勝っているはずなのに、そのカウンターはいつの間にか戻された剣に弾かれ、決まらない。


「瑠璃香!うしろ!」


予知で、瑠璃香の後ろに転移した付き人の位置を知らせる。知らせる間に獣王様も瞬間移動と言えるレベルのスピードで突きを放ってくる。それをギリギリ躱し、距離をとる。


「唯香ごめん援護できない!」


瑠璃香がかなり必死そうな声を上げる。余裕が無いながらもチラチラ瑠璃香の様子を見ていたが、かなり押されているようだ。こちらも人のことばかり言っていられないが。


獣王様はなんの工夫もなしに上段切りを仕掛けてくる。

カウンターの構えに入った瞬間、獣王様の全部の動きが倍以上の速さになった。攻撃に対しては直前の回避を予定していた私の体はかなり反応が遅れ、しゃがみつつギリギリで短剣を合わせられた。


そのまま押し込まれそうになるが、そのパワーを後ろに受け流して獣王様の剣を持つ手を狙って全力で蹴りを放つ。

しかし獣王様は転がることでそれを避け、私はバランスを崩して転んでしまう。


互いに体勢を立て直したところで膠着状態に陥る。


「流石だな。一対一でも十分わしを倒せる力はある。」


「当たり前ですよ。倒すつもりしかないです。」


「ふ、わしを瞬殺すら出来んようではこの世界は任せられん。もっと強くなるんだぞ?」


私はそれには答えず速攻系のスキルを全開にして突きを放つ。予想通り既に体を捻られ、左の拳が向かってくるので、突き出した剣を引きながら受け流す。予知の重ねがけで互いの攻撃を見切り受け流し合うこの戦い。予知のレベルがまだMAXになっていない私は、予知が何度か間に合わずに体の反応だけで対応することもあるが、何とかかする程度で抑えている。


「うーむ…なかなか、決め手に、かくな!」


「ええ!そうです、ね!」


互いに互いの攻撃を躱しつつ話し合う。まだ私は私の切り札を使いたくはないので、これを続けて獣王様の体力切れを狙うしかない。


「しかたないっ!」


獣王様は私の攻撃を弾くと大きく後ろに飛んで、瑠璃香達の方を向いた。


「瑠璃香!獣王様そっち行くわよ!」


「えまって無理!しぬ!」


獣王様は高速で瑠璃香の方に直進していく。私も瑠璃香のフォローに回るために走る。


「イヨ!あれやるぞ!」


「はい!」


付き人が転移して獣王様の肩に肩車の形で乗る。

そしてそのまま転移する。


「!?どこ!?」


「瑠璃香後ろ!」


叫びつつ瑠璃香の前に飛び出て鋭く飛んでくるナイフをまとめて弾いていく。


「!?また!」


「左!」


今度は予知したので出た瞬間に瑠璃香が銃撃する。だがすぐにまた転移されてしまった。


「右!後ろ!上!右!左!」


「キリがない!」


獣王様達は何度も何度も転移し、近距離なら獣王様が剣で、遠距離なら付き人が投げナイフで攻撃してくる。予知していても遠距離攻撃がない私には近距離攻撃は来ないし、予知のない瑠璃香では私の声を聞いてからでは抜き打ちが間に合わない。


「唯香!流石にこれきついでしょ!」


「瑠璃香!背中合わせ!ショットガンで対応して!」


「了解!」


すぐに近づいて死角を減らす。


「ふん、まあこの程度すぐ気づくか。」


獣王様達もこれでは有効な攻撃にならないので止まる。

私はこのタイミングを待っていた。


「今度はこっちから行きますよ!」


ということで私は新しく得た力を使うことにする。

スキルのスピード強化系全て全開。


1歩踏み出した時には目の前に二人の姿があった。

獣王様が剣を構えようとしているようだが、全然遅い。

スピードに乗った突きを、感謝の気持ちも込めて心臓に突き立てる。


「ぐぅっ!?」


間髪入れず付き人に迫る。


「きゃっ!」


彼女はバランスを崩して後ろに倒れ、そのまま正面から首にナイフを当てる。


静寂が流れる。


「しょ、勝者、シノミヤ・アマキペアです!」


こうして、多少呆気なく私たちの優勝が決まった。

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