57:続 獣王国の戦闘大会
えー、やらかしました。
7/5からの雨で遊びに来ていた友達が帰れなくなって、しばらくうちで避難生活を送っていたため、この小説書いてるの知られたくなくて続きがかけませんでした。
そのまま予約時間すぎてしまい、短くなってました…。ごめんなさい。
乃愛とマリナが勝利をコールされたところから書き足してますので、ぜひ読んでください!
────────乃愛side────────
バサラAは王城から東へ馬車で1時間弱進んだところにあった。乃愛とマリナのバサラAブロックには知り合いはおらず、2人から見たら誰も彼も耳の種類が違うことくらいしか違いを認識出来ないくらいに皆似通った体格をしていた。
「の、ノア…こわい…」
「だ、だいじょうぶ…まりなは、のあがまもるから…!」
マリナは転生者組と一緒にいるとはいえ実際まだ10歳の女の子である。この屈強な男達の中に身を置いては怖がるのも無理はない。というか怖がらない方がおかしい。ちなみに、10歳の女の子がこの大会に出場するのは史上初だそうだ。
「1回戦、シロノ・マリナペアとリエル・ノエルペアは戦闘フィールドに来てください。」
ダンジョン内で放送が流れる。
「ほらいくよ!まりなはつよいこだからざこあいてにまけたりしないよ!」
「う…うん…」
フィールドに出ると、目の前には巨大な男と小さい男。凸凹なペアが待っていた。
「おやおや、可愛い女の子達ですよリエルサン?」
「うむ、可愛い女の子達、だな。ノエル」
乃愛たちを見た小人は不気味な笑みを浮かべ、巨人は険しい表情を変えない。しかし、乃愛達が英雄の仲間ということをしっかり覚えているのか、油断するような様子はないようだ。
「だいじょうぶ!のあたちならよゆうだからね!」
「う、うん…」
互いに武器を準備して準備を整える。
「準備はよろしいでしょうか?それでは、スタート!」
小人族のノエルが長く細い槍をもって合図と同時に突っ込んでくる。狙いはやはりマリナだ。だがマリナは落ち着いて息を吐き、抜き打ちを決めた。ノエルは完全に意表をつかれたようで、額に土をつけながら尻もちをついた。
「ノエル死亡!壁際によってください!」
「うひょぉ〜!なんと!可愛い少女は蜂のように鋭い毒針を持っていましたよ!リエルサン!」
「…これ、強すぎるんじゃないか?ノエル」
1歩も動かないままノエルがやられたのを見たリエルは目を見開き、冷や汗を流す。乃愛は軽く息をついて、足に力を入れた。
「1人でもなんとか…っ!?」
目の前に見えた乃愛に向けて、リエルが巨大な槌を軽々振り上げた時には、乃愛は巨大なリエルの背中にへばりつき、ナイフを首元に当てていた。
「ちぇっくめいと!」
「勝者、シロノ・マリナペア!」
審判のコールで乃愛達の緊張がほぐれる。
「ふぅぅぅ…」
「あ、あと…4かいも…かたなきゃいけないの…?」
マリナのストレスがマッハだ。頭を抱えてうずくまってしまう。
「ま、まりな!だいじょうぶだいじょうぶ。よしよし…」
乃愛はマリナを抱き寄せて頭を優しく撫でる。
こうすることで少しでもマリナの緊張を和らげようという乃愛なりの計らいである。
豊満な乃愛が小さくて華奢なマリナを優しく抱く姿はまさに母と子のようであり、周りで見ているもの全ての心にこの姿を守りたい、という気持ちを湧き上がらせた。
その後乃愛達は何事もなく、毎回ノータイムで1人1キルを決め、このブロックでの優勝を決めた。
屈強な男達との対戦で、相手に隙が多すぎると感じた乃愛が、その理由を知ることは無かった。
────────────────
私たちがアシュリンAに着いた時にはまだ、2層で戦闘が行われているようだった。
「まだやってるみたいね。」
「そうだね。とりあえず屋台で何か食べない?決勝まではまだ時間あるし、もうお昼結構過ぎたし。お腹すいてない?」
「…そうね。マリナがペアならマリナの手料理が食べられたのよねぇ…」
「唯香…手料理、振舞おうか?」
瑠璃香は顔を引き攣らせながら尋ねる。
唯香はちらと瑠璃香を見て、溜息をつきつつダンジョンの周りに並ぶ屋台に向かっていった。
「…そんなに嫌ですか…」
瑠璃香は肩をガックリ落としながら唯香のあとをおった。
唯香と瑠璃香が串に刺された牛肉や豚肉の塊をワイルドに食べていると、1台の大きな馬車がアシュリンAの前に到着した。そこからはたくさんの大男が出てきた。何人か小さい男も耳が獣でないものもいた。
「あっ、乃愛たちだ!」
そのなかからちょっと苦しそうにしながら乃愛とマリナが降りてきた。
2人は降りてすぐに溜まっている男達から離れて息をついたところで私たちを発見したらしく、全速力で走ってこちらに来た。
「ゆいかぁぁぁー!!!!!!!!」
その勢いのまま抱きついてきたので、受け流した。
ズジャァッと地面とキスを決めた乃愛はすぐに立ち上がり、改めて私に抱きついてきた。
「ゆいか…てき、きもかった…」
「そこなのね…それで、どうだったの?」
「もちろんぜんいんぶっころしたよ!まりなもがんばってた!」
「さすがね。偉いわよ。」
褒めつつ、乃愛の頭を優しく撫でる。
「ゆいか…わたしも…」
マリナも物欲しそうに私を見てきたので二人とも撫でる。
「ねぇ、なんで私は蚊帳の外なのかなぁ…すごく、すごく辛いんだけど…しかも串肉についた誰がめっちゃ手にたれてくるんだけど、早く食べてくれない?」
瑠璃香が何か言っているが優先順位が違うので、しばらくは2人を労う。
「ん〜♪ありがと〜ゆいか!」
「ありがと…♪」
2人が満足したところで手を離し、瑠璃香から串を返してもらう。その時になにかいっていたみたいだが多分気にする事はないので無視しておく。
「二人とも、ご飯まだでしょう?屋台のお肉、めちゃくちゃ美味しいから買いに行きましょ。奢るわよ。瑠璃香が。」
「私!?」
「ありがとーるりか!」
「ありがと…ルリカ…」
二人の可愛いからお礼を言われた瑠璃香の顔は、どんなに我慢していてもふにゃりと緩んでしまう。計画通りね。
まだ各所の戦闘は終わっていないようなので、4人で屋台の串肉を食べながらアシュリンA2層の戦闘を見学する。参加者は一般人と別に観覧席が用意されているので気楽に見ることが出来るのだ。
今は戦っている2組とも知らない人たちだが、先程は獣王様も戦闘していたらしく、近くにいる参加者が興奮気味に話している。
「やっぱ王様すごいな!あれだけの連打を全部みきって躱した上、最終的に一瞬で首元を捉えて終わりだもん!ハンパねぇ強さだよ!」
「あぁ!しかも今まで4回全部同じ感じらしいぜ!ペアもいるって話だけど今まで一度も参加せずに勝ち上がってんだ!やべえってもんじゃねぇ!」
さすがの強さだ。しかしペアがいるのか。あの獣王様の性格ならソロで参加して最後まで1人で無双しそうなものだけど。今のところ1人でやってるみたいだけど。
「勝者…─────!」
今やってる戦闘が終わったみたいだ。見ていた感じそこまでの強さじゃない。まだゼンたちの方が強かった。
これでこのブロックは決勝を残すのみ。各ブロック同じ人数のはずだが、やはり組み合わせによってかかる時間がかなり変わるようだ。既に14時半になろうとしている。
地面が土でできているフィールドが土魔法の何かによってきれいに
「おっ、英雄さんたちじゃーん!お疲れ様〜!」
不意に声をかけられて振り向くと、そこに居たのは知らない男だった。
「ナンパならお断りよ?」
4人してめちゃくちゃ睨みつけているが男はひるむ様子はない。
「ナンパじゃないってぇ〜!俺、さっきまで戦ってたんすよぉ〜!つぎ、決勝で王様と戦うんで、なんか欠点ないかな〜って!君たち、いつも王様相手に特訓してるんでしょ?教えてくれないかな〜?」
チャラチャラした男がそう尋ねると、その後から別の男がやってきた。
「リト!何ナンパしてんだよ!次決勝だってのに!さっさと連携と作戦確認するぞ!」
「んだよマサル〜!いま情報聞こうとしてたんだぜ〜?」
「情報…?あ、もしかして、君たちは英雄と紹介されていた、篠宮さんの…?」
マサルと呼ばれたその男は完全な人族であり、しかも日本人らしい顔をしていた。
「そうよ。ねぇ、あなたってもしかして…」
「もしかしてご存じですか!?」
「…芸能人?」
すっごいキラキラした目で見つめてくるもんだから冗談を挟みたくなってしまった。案の定、マサルは期待に染まった笑顔を硬直させている。
「あ…えっと…」
「ごめんなさい、冗談よ。ドリスからここまで1人で生きて移動してきた転生者でしょう?チートもないのによく頑張ったわね。」
私の言葉にマサルはほっとしたように顔をほころばせた。
「あ、そ、そうです!僕は幸運が重なって、何とかこの国にたどり着くことが出来ました!ここに来て1年ちょっとになります!」
「マサルは実直で頭がいい、この国でも珍しい人族なんだぜ!今回の戦闘大会でペアになりたいってやつが10人も出るくらいにな!」
なかなかに人気のある青年のようだ。
「今お幾つですか?」
「18ですね。去年の17の誕生日に転生して、今月の初めが誕生日だったので。」
「あら、私たちより年上ね。よろしくお願いします、マサルさん。」
「敬語なんていいですよ!ぼくは君たちみたいな英雄に憧れていたんです…転生した時に、僕もついに選ばれし人間になった!って思ったんですけどね…」
「いや、生きてるだけすごいですよ。ドリスでは出ていった人みんな死んだと思われてましたからね。」
「そうでしょうね。大した装備もなく、力もなく、やる気と自意識過剰な自信があるだけの若者でしたし、普通なら簡単に死んでいたと思います。」
「ならどうやって生きながらえたんですか?」
「運ですよ。全て幸運の高いおかげです。全ての難所を運で乗り越えました。」
「運…?もしかして、運100とかいうバグステータスだったり…?」
「ええ!そうなんです!そのおかげで───」
「決勝戦の準備が整いました。参加者の4名は速やかにフィールドに集まってください。」
マサルの声を放送が遮った。
「おっと、もう行かなきゃいけませんね。すみません、つまらないお話をして。」
「いえいえ。…決勝、頑張ってください。きっと、疲れさせたら勝つ可能性は上がりますよ!」
「…ありがとうございます。頑張ってきますね!よっし行くぞリト!作戦は最後までがんばる、だ!」
「おっけー!それじゃ、また声かけるっすねぇ〜!」
2人はそのままフィールドに向かっていった。
「それでは、アシュリンA2層グループ決勝戦。スタート!」
今までとおなじ、2対1でその戦いも始まった。
なるべくないようにしますが、今後不測の事態(私用)でちゃんと投稿できないこともあるのでご承知おき下さい…




