53:続 翌日の皆々
かけたぁ!
明日は時間ないのでほぼ確定で書けません!
明後日またかけるように頑張ります!
食堂では、いつものように狐耳メイドさんが待っていた。
「おはようございます、シノミヤ様、シロノ様。ご飯の準備は出来ておりますのでお席でお待ちください。」
今日は落ち着いた笑顔で迎えてくれた。慣れたのだろうか。
「ありがとう、メイドさん。」
「ゆいか〜…なんか、みょうじにさまづけでよばれるのなれない…」
「確かにそうね…メイドさん、それ変えられないかしら?ゴルドさんに命じられてる感じ?」
「い、いえ。メイドの研修において、お客様で苗字をお持ちの方は苗字に様付け、お持ちでない方もお名前に様付けで呼ぶよう教えられているだけですので、旦那様やお客様さえ良いと言ってくだされば変えることは可能でございます。」
「じゃあ、私たちのことは名前で唯香、乃愛って呼んでもらえる?その方が、仲良くなれる感じもするのよねぇ…」
私の口元が我慢しようとしても緩んでしまう。ケモ耳メイドと仲良くなれるチャンス…もふり放題…ふふ…
「そ、それではユイカ様、ノア様とお呼びさせていただきます。あ、あと…ですね…だ、旦那様より、『メイドが使えなくならない程度なら、今日はモフモフしてもいいよ』との伝言も預かっており…待ってください!食事のあと!食事のあとにしてください!」
私の体は伝言の内容を聞いた瞬間に自然に動いていた。私の手が彼女の尻尾に触れようかというところで完全に回避された。メイドさん戦闘できるタイプなのね。すきだわ。
「ごほん…では席にお座り下さい。お食事をお持ちします。」
「「はーい」」
私たちは声を揃えて返事して、隣同士の席に座る。
「ゆいかぁ…おなかすいたよぉ…」
「すぐ来るから我慢しなさい。ってもしかして…」
「そう…ちがほしくなってきちゃった…」
「はぁ…注射器は…?」
「うえ…」
「えぇ…取りに行ってくる?」
「うごきたくない…ゆいかぁ…あいぼうつかってちぃだしてのませてぇ…」
「もう…仕方ないわねぇ」
相棒の先端を左手の人差し指に軽く刺して玉のような血を出す。
「いただきますっ」
乃愛が私の左手人差し指を口に入れる。中あったかい…めっちゃ舌ぺろぺろしてる…動いてる…これはこれで…
「お待たせしましっ!?」
メイドさんが料理を持ってきてくれたので、右手で乃愛の頭を軽く撫でて離れさせる。
「残りはご飯のあとね」
「はーい…」
「メイドさん、拭くものあるかしら…メイドさん?」
メイドは顔真っ赤にして鼻血を垂らしながら固まっている。刺激が強すぎたのかしら。
「だ、だいじょうぶ…?」
「…はっ!しっ、失礼しました!ふ、拭くものですね!少々お待ちくださいぃぃ!」
意識を取り戻したメイドは料理をこれでもかというほど素早く丁寧にテーブルに置くと一目散に部屋の外へ飛び出していった。なんとも慌ただしいことである。
「ゆいか〜もすこし〜…」
「はいはい。」
また乃愛が私の指を舐め始める。多分これで脳内の許容量超えてしまったんだろうけど知ったこっちゃないからなんとも言えない。
テーブルに置かれた料理は、ユリネやマリナが作ったものではないようで、野性味の溢れる肉料理だった。獣人族の人達はよく寝起きでこんなもの食べられるなぁ…
「ぷはっ、あ〜おいしかったぁ…はふぅ…」
恍惚とした表情で乃愛が私の指から口を離した。多分いつも注射で取られてるくらいの血を吸い取られたみたいだ。人差し指が完全にふやけ、血の気がなくなっている。
「お、お待たせしま…した…」
タオルを手に戻ってきたメイドが見るからにがっかりとした表情を浮かべた。もしかしてさっきの血飲をまた見たかったのか…?何となくこの人には百合好きの傾向があるみたいだし…
「メイドさん、百合すきなの?」
ど真ん中ストレートを投げ込んでみることにした。
「大好きですっ…!っ、し、失礼しました!」
メイドは反射的に前かがみになりながらはっきり答え、狼狽えた。
勤務中に趣味の話をしたら減給とかあるんだろうか。聞かれたことに答えたんだから別にいいと思うけど…
「わ、私は扉のすぐ外で待機しておりますので御用の際はお声がけ下さいっ!」
バタバタと慌ただしくメイドは外に出て行ってしまった。
「…食べましょうか。」
「…うん。」
私たちは彼女のことは気にしないと決め、両手をあわせ、食事に手をつけ始めたのだった。
────────マリナside────────
今日は朝寝坊してしまった。昨日の疲労は凄かったけど、それでも朝のご飯作りは絶対にサボりたくなかったのに、ルリカが勝手に気を使って私に睡眠時間を用意してしまった。デザートで果物のカットだけは出来たけど、それ以外全部ユリネさんにさせちゃった。美味しかったけど、美味しかったけど!それでも自分で作ったものをみんなに美味しいって言ってもらえないのがちょっと辛かった。ルリカには今後は早く起こすように言ったけど、ちょっと流すような感じのヘラヘラした返事だったから信用ならない。起こさなかったら一生口聞かないって呟いたら真剣な顔で約束するって言ってた。
「マリナちゃ〜ん?聞こえてる〜?」
ご飯のあと、わたしとルリカは2人で買い物と銃撃の練習に来ていた。買い物は、だいたいおやつになるような小さめのお菓子と飲み物に服、あとはなにか珍しいものを探してウロウロして。そのあと、国から少し出たところにある1本の木に的をぶら下げてと遠くから撃つ練習をした。一昨日ルリカがこの木を見つけて、射撃に丁度いい!とかなんとか言い始めて、わたしの拳銃以外に使える銃だとか言って狙撃銃なんてものを押し付けてきて…。
「マリナちゃん?ねぇマリナちゃ〜ん?」
でも、あの狙撃銃ってかっこよかったな。遠くから撃つから力がない私でもユイカやノアの役に立てるし、名前も…えっとM14DMR?みたいな感じでかっこいい。獣王様とやった時も何発かしっかり当てることが出来た。ほとんど弾かれてしまったけど、魔物相手なら多少は役に立てるかもしれない。だから今日も拳銃よりは狙撃銃の方をたくさん練習してる。拳銃《ケンちゃん》は、接近戦の時にたくさん使ってあげようと思う。命中率よりも早打ちの練習しなきゃね。
「マリナちゃん…ねぇ、無視しないでぇ…」
「うるさい、ルリカ。わたし、いまかいそうちゅう…」
「回想ぅ…?なんでぇ〜…」
「なんでもいい。で、なんのよう…?」
「ひどい…お昼食べに行こ〜って、さっきから結構言ってたのに、撃ってばっかで全然聞いてくれないし…ほぼ上手くヒット出来てるのすごいね…。」
「おひる…わたし、あさつくれなかったから…おひるはつくりたい…」
「え、ほんと?じゃあ今日はもう帰る?」
「うん…でも、まだおなかすいてないから…もっとれんしゅうしてから…」
「えぇ〜!お腹すいたよぉ〜…」
わたしよりルリカのほうがお子様みたい。時間は…ああ、午後2時前。あと1時間くらい練習してから帰ろう。そう決めて、わたしはまた狙撃練習に入った。
────────────────
食事を終えて、お楽しみタイムが始まった。もちろん、メイドさんのもふもふタイムである。私は尻尾を、乃愛は耳を中心にもふもふを続ける。
「んっ…あっ…あっ…はぁっ…んあっ…」
メイドの口から甘い声が漏れる。こういう声を聞いていると心の中に住んでるおっさんが顔を出してきてしまう。
「ふっふっふ…ここか、ここがいいのかしら…ふふふ…」
「ゆいか…おじさんがでてるよ…?」
おっと、口まで出てきてしまった。それにしても本当にこの尻尾のモフモフの毛は触っているだけで気持ちが良い。いつまでも触っていられそうだ。
「そっ、そろそろっ、んっ、おわ、おわりにっ!あんっ!」
しばらくもふっていたらメイドからストップがかかった。残念…まだ物足りなく感じる。
「え〜もうおわり〜?」
「はぁはぁ、も、もう、20分くらい、さわって、ましたよ…はぁはぁ。」
息を乱して喋るメイドの姿はなまめかしく、普通の男であれば7割は理性を飛ばして襲いかかるのではないかと思うほどだ。
「あれ?ゆいか。なんかめいどさんからおいしそうなにおいが…」
「乃愛、それ以上はいけないわ。要件を完結に述べなさい。」
「このめいどさんのちがのみたい!」
「よろしい。ならば注射器を持ってきなさい。」
「えっ、ちょっ、ど、どういうことですか…?わたしの血を飲むんですか?」
「ゆいかたいちょー!いってまいります!」
乃愛が敬礼し、全速力で食堂を出ていった。
「え?え?なんで?」
「あ、メイドさん、もう少しだけ付き合ってくれないかしら?ちょっと注射するだけだから…ね?」
「か、かしこまりました…でも、私の血なんて美味しくないと思いますが…忙しさであまり満足に食事を取れていませんし…」
「乃愛が飲みたいって思ったのなら、あなたの血は美味しいのよ。乃愛はそういうのちゃんと分かるから心配ないわ。」
乃愛が血を飲むということはゴルドさんたちを含め、屋敷に住む人みんなに知らせてある。その安全性も伝えてあるので特に問題は無いのだが、今まで乃愛が私達以外に血を求めたことはなかったので私も少し驚いたところはある。
特にメイドには血を飲んでいるところを見られたことがないので少し怖さもあるんだろう。さっき見られたけど。
「おまたせ〜!じゃあめいどさん!ちょっとちくっとしますよ〜♪」
「は、はいっ…」
メイドはぎゅっと目を瞑り腕を差し出している。乃愛は腕に軽く消毒液の染みた布で拭いたあと、針をスっと刺した。そしてしっかり一本分抜き取り、ガーゼを触れさせつつ針を抜き、そのままガーゼを貼り付けた。
「はいっ、おつかれさまでした〜♪」
「えっ、お、終わりました?」
「おわったよ〜♪ありがとう!おいしくのませてもらうね〜♪」
「す、すごい…全く痛くなかった…」
乃愛の注射は私の過去の犠牲もあって全く痛くないレベルまで上達している。この能力で、元の世界では暗殺も相手に全く気付かれずに出来ていたのだ。正直真夜中に気配を消されてこんなことされたら回避出来る気がしない。
「そ、それではこのあとはご自由にどうぞ。私はまた仕事に行ってまいります、失礼します。」
少々驚いた様子が抜けないままメイドは食堂を出ていった。
「このあとどうしましょうかね…トレーニングしようかしら…」
「えぇ〜ゆいかぁ…きょうはおやすみしよ〜?」
乃愛が上目遣いで言ってくる。これは休まざるを得ない
「じゃ、そうしましょうか。」
こうして私たちは2人して部屋に戻り、ベッドにインして1日を終えた。
私はこんな日があっても別にいいと思う。
能力落ちるとか…ないよね…?




