51:戦闘狂の獣王様
物語が全然浮かんでこないです。
戦闘シーンとかまじムズすぎてきつい。
でも何となくかけてきたし、少しつずつ更新早めていきます!
フィールドに着くと、既に獣王様は準備万端で、軽くストレッチをしながら待っていた。
「さあさあ!早くやろうぞ!あと、城野と天城の2人も、ナイフでの戦闘をなれさせた方がいいだろう?3人で小型木剣を使ってかかってくるといい!加減できるかわからんがなぁ!」
がっはっは、と笑う獣王様。とっても楽しそうである。
そんな獣王様に瑠璃香が声をかける。
「獣王様、私とマリナの分、怪我しない弾作ったので銃使ってもいいですか?」
「怪我しないなら良い。この訓練はわしが死ぬことだけが懸念材料だからな。」
獣王様は笑顔でそう言うが、懸念材料ってこの訓練で仕事が貯まることもなんじゃ…と思う。
「さて、最初は実力を図るところからしようか。マリナと天城、そして城野。3人でかかってくるがいい。篠宮の孫はスマンが端で見ていてくれ。」
「分かりました。乃愛はナイフでいいわよね?」
「うん。ないふのつかいかた、ここでたくさんためしてつよくなる。」
「頑張ってね。マリナ!怪我しないようにね!しっかり狙って撃つのよ!瑠璃香はみんなの邪魔しないでね!」
「わかった。」
「私だけ応援じゃなくない!?邪魔者扱いですかね!?」
瑠璃香の小言は華麗にスルー。そう言えば乃愛は能力値的に魔法にかなりの適性を持っているようだった。魔法の使い方を教えてくれるところはどこかにないだろうか…
「篠宮の孫!スタートの合図してくれんか?」
「あ、放送とかないんですね。じゃ…スタート!」
私の号令で戦闘が始まった。
初撃は瑠璃香とマリナの遠距離武器組。瑠璃香は走りながら二丁拳銃で、マリナはその後ろから移動せず一丁で落ち着いて狙う。
ドパンドパンドパンドパンドパン!
音速で進む弾丸を、獣王様は全て弾く。マリナはちょっとびっくりしているみたいだが、瑠璃香に動揺は無さそうだ。走るスピードも撃つ手も緩めない。
「みりょう!」
二人が撃っているあいだに後ろに回り込んだ乃愛が、ナイフを逆手に持ち、獣王様に接近しつつ魅了を使う。
「ふん。魅了などレベルMAXでなければ効かんわ!」
獣王様は乃愛の横薙ぎの一閃を、虫でも払うように目も向けずに払い除ける。
「みりょうがきかない…やっぱりこのひとひとじゃないよ…」
初めての失敗に乃愛は少し動揺しているようだ。この一閃の間にも遠距離武器組の攻撃は全て弾いている。全部見えているのだろうか…
「ところでこの飛んでくる弾は何でできておるのだ?剣で弾く度に崩れ落ちているが…」
質問までこさえてきた。恐ろしいほどの余裕だ。
「柔らかい砂を魔法で固めてるんだよ!撃ち出してなにかに当たったら崩れ落ちるようにしてる!そんでこれが、次の手だ!」
撃ち続けながら近くまで寄ってきた瑠璃香が飛び跳ね、同時に拳銃を二丁とも獣王様に向かって投げつけた。
「これが次の手って…武器を捨ててどうす…!?」
ドゴォッ!
重い銃声が聞こえた。獣王様はそれを受けることなく後ろに飛び退いて躱した。
「乃愛!あれマリナちゃんに渡して!」
「わかった!」
砂煙が高く舞い、視界は遮られているが、瑠璃香が乃愛に指示を出した。乃愛が素直に従ったのは珍しいし、なにか話し合っていたのだろうか…?
「ゲホッゲホッ…なんだ…今のは…?」
砂煙がはれ、姿を現した瑠璃香の武器は、なんというか、土管を細くした感じの、そう、ロケットランチャー的な形の銃だった。
「唯香!そこ危ないかもだからこっちの壁行って!」
「え?わかった」
瑠璃香の声に思わず反応してしまった。反応した以上最速で示された壁際に移動する。ここからだと瑠璃香の銃の全貌を見ることが出来る。うん。間違いない。これロケランだ。ロケランってこんな近くから撃っていいもんだっけ…?
バシュッ
「うおぉぉぉっ!?あぶねぇっ!?」
ロケランについてあれこれ考えているうちに獣王様の悲鳴と銃声が聞こえてきた。この銃声も聞いたことはない。今度はこちら側から瑠璃香がロケランをぶっぱなす。
ドゴォッ!
「くっ!」
獣王様は結構ギリギリで避ける。なんだろう、なんとなく押している気がするのは気のせいか?
「これでおわり!」
乃愛が獣王様の死角から突きを放つ。
これは…決まったかも…
ガキッ
「え?」
「なかなかのコンビネーションだったし、わしの知らない武器の強さも見ることが出来た。流石に強いな、君たちも。だが今度はわしの番だ。」
乃愛の突きを木剣の腹で受けた獣王様は、そのまま力ずくで乃愛の短剣を払い除けた。
「うわっ!」
乃愛は短剣を落としはしないものの、バランスを崩した。
体勢を整える前に獣王様は一瞬で乃愛に接近し、剣を持っていない左手の人差し指で乃愛の額に触れた。
「これでお前は死んだ。戦闘脱落だ。」
「…っ!うそぉ…」
乃愛はガックリと項垂れた。いい攻撃だったけどなぁ…予知とか使ってたのかな…
「次はマリナだ!」
「…!」
バシュッ
カンッ
バシュッ
カンッ
「…!あたってよ!」
「いい狙いだが、わしには効かんよ。」
ドパンドパンドパンドパン
「むっ!」
獣王様は横からの狙撃に反応して後ろに下がる。
「私がいるの忘れないで!わたしを無視しないでぇ!」
ちょっと涙目の瑠璃香が二丁拳銃を構えている。いつもの事だ。かわいいかわいい。
「まったく、複数いると『バシュッ』『カンッ』ふう、面倒だな。」
そういった瞬間、獣王様の姿が消えた。
「えっ!?」
「これでマリナも死亡だ。」
声に反応してみると、そこそこ遠目にいたマリナの目の前に獣王様がいて、マリナの額に左手の人差し指を触れさせていた。
「う…そぉ…」
マリナも驚きからか疲れからかそのままへたり込む。
「うわぁ、やっぱり獣王様は強いんですねぇ。私たちじゃ遊び相手にもならない。レベルは私たちの方が高いのになぁ…」
「ふ、まぁ、そこは経験の差だ。これからワシとトレーニングを続けていればわし以上の強さになる。」
「それなら嬉しいですけどねぇ…ところで、前回は唯香を一発で落としてたけど今回私達の攻撃全部見てるじゃないですか〜。それって、唯香の実力に私たちはまだ全然追いついてないから余裕で対応出来る的なあれですか〜?」
「ふむ、正直君たちも充分強い…があえて言うと、やはり篠宮の孫よりは3人よってもまだ勝てないとワシは思うな。何よりスピードと、攻撃の正確さにそこそこの差が出ている。まぁまだまださ強くなる余地が残っているということだ。落ち込むことではない。」
「あ〜やっぱそうなんですねぇ…あ、そうだ。私とマリナが使ってた銃!どうでした?良くないですか?あれ実際は鉛玉を使って撃つんですよ!」
「ほう…なかなかに恐ろしい武器だな。あの弾の速度で鉛玉が飛んできたら、受け流さねば体を貫通してしまいそうだ。」
「えっへへ〜。…ところで気づいてます?」
「ん?何が…っ!」
ドガンッ
「話しながら射程に入ってたんですよ、獣王様。」
うまい。瑠璃香のスキル、多分話術かな?会話に気をそらしにそらし、接近に意識を向けさせず、射程に入ったところでぶっぱなす。しかもあれは、ショットガンか?結構な近距離で撃ったからこれは確実に当たっただろう。やばい。これマジで獣王様負けじゃないか…?
「くそっ、完全にやられたよ。この勝負、わしの負けだ。」
「やったぁぁぁ!!!!!」
瑠璃香大喜び。マジで勝っちゃったよ…3人の中で1番レベル低いのに…。
「むぅ…あぁ、もう!スッキリせん!もう一度やるぞ!今度は瑠璃香とだけやる!」
「え?しょーがないですねぇ〜やってあげますかぁ〜」
再戦を申し込んできた獣王様にめっちゃ煽る瑠璃香。どうなっても知らんぞ…?
「スタート!」
ドゴッ
「ぐぼあっ!?」
ドサッ
ワーオ一瞬で終わった。解説すると、瑠璃香が銃を撃つために両手をあげた瞬間に、獣王様がなにかのスキルで急接近して左手で鳩尾を殴り上げた感じ。
「い、いだいよお…うぅ…」
瑠璃香が呻いている。あれだけ煽ればそれは帰ってくるだろう。作戦はたしかによかったけど。
「すまん、なんとなく腹が立った。」
「分かりますよ。謝らなくていいです。瑠璃香は放置で。」
「うう…そんなあ…」
瑠璃香がべそをかき始めるが、いつもの事なので私は無視する。
戦闘終わったしこのあとどうしようかな…
「さて、次は篠宮の孫と城野の二人で来てくれ。全力で相手するぞ。」
「あ、まだやってくれるんですね。乃愛大丈夫?まだ行ける?」
「もっちろん!よゆー!」
「そうよね。わかってたわ。」
ということで第3戦が始まった。
二人で共に小型のナイフ(木製)を様々な角度から突き出したり引いたり薙いだりしたが、やはりギリギリでかわされたり受け流されたりする。
しかし私たち二人のスピードはかなりのものなのでいくら獣王様とは言えどかなり苦戦したようだ。予知さえなければなぁ。
結局この戦闘は負けた。乃愛は予知で拳を用意したところに突っ込んで鳩尾をやられるという前回の私を見るかのようなやられ方で、私はナイフを逆手から順手に持ち替えるタイミングをジャストで狙われ、ナイフが吹っ飛んでいったので降参。流石の力だ。これでまだ魔法も残っているというだけで恐怖に感じる。
「ふぅ…いい戦いだったな!よし次!今度は篠宮の孫、天城、マリナの3人でかかってこい!」
「え?まだやるんですか?」
「もちろんだ。何度もやらねばトレーニングにならんだろう?」
「アドバイスとか…」
「実践の中で覚えるのが1番早い!」
私は午前中にキーストが言っていたことを思い出した。戦闘狂…たしかにそれくらいの勢いだ。だがその戦闘狂のおかげで私たちが強くなれるのはもはや明確。恐る必要は無いだろう。
「体力の限界までは頑張りましょうか。ほら瑠璃香早く立って。マリナも頑張るのよ!旅の途中で死にたくないでしょ?」
「ゆ、唯香…まだお腹痛い…」
「立ちなさい。」
「酷いよォ…!」
「ユイカ…わたし…やくにたたない…」
「そんなことないわ。さっきも拳銃の射撃すごく上手かったし、乃愛に渡されてたのスナイパーライフルでしょ?よく狙えてたわ。」
「そう…かな…?」
「そこのゴミより役に立つわ。頑張りましょ!」
「ゴミってなにさー!!!!酷いよ!」
「獣王様、始めましょうか。」
「えっちょっとゆい、待ってお腹痛いんだけど待って」
「うむ。」
「乃愛お願い。」
「うん。よーい、はじめ!」
「いやだぁぁぁ!」
こうして、終わる度に痛みを抱えながら、私たちは何度も何度も獣王様と戦ったのだった。戦績は…まぁ、ほぼ負けだったが、いい訓練になったとは思う。訓練初日の総評。よく頑張った。




