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殺し屋JKが異世界で冒険する話  作者: 飯泉翔羅
第二章:異世界を冒険、二つ目の国にも
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47:続 初めてのダンジョン

ごめんなさいめっちゃ短いです…



私たちは13層まで降りてきていた。

王子様は未だに絶好調。披露している感もないし、剣筋や動きに違和感もない。レベルアップしているのか、最初よりも良い動きをしているようにも感じる。

既に依頼のゴブリンの核は5個以上集まっている。依頼ついでのレベル上げ、という訳だ。冒険者はレベルが高いことはそれだけ戦ってきた証拠になる。


「ふぅ、手応えがない…キースト!もう少し下に行きたい!フォローを頼むぞ!」


「かしこまりました、王子様。」


王子様はブルタルボアを切り伏せてから、キーストに声をかけた。もうすぐルーキーの限界の15層だ。この勢いなら15層まで踏破できそうな気もする。


13層まではゴブリン種、ラプトル種、ブルタルボアしか出てこなかったが、14層からはクレイズウルフが出現しはじめた。6体で出てきたクレイズウルフは前に出た王子様を囲むようにゆっくりと歩く。王子様は力を抜きつつ、すぐに動けるように体勢を低くする。


グルゥァァア!


6体同時に飛びかかってきた。王子様はその6体のうち一体に狙いを定め、超スピードで剣を突き出す。その剣はクレイズウルフの左目を貫き、王子様はその場からクレイズウルフごと抜け出した。


クレイズウルフはその高い知能を駆使してなんとか王子様を狩ろうと動き回るが、一体、また一体と倒されていき、そのまま全滅してしまった。だが今回の戦闘はなかなかに厳しかったらしい。王子様も息が切れている。ダメージこそ負っていないものの、今までの魔物より多様な攻撃を仕掛けてきたことで対応が難しかったのだろう。


「はぁはぁ…ど、どうだユイカ。そろそろ心変わりしたか?」


息を切らしながらも得意げな顔で私に問いかけてくる王子様。その姿はとてもかっこよく思えた。というか、兄貴以外にここまでアピールされたのは初めてだったので、少し感動すら覚えていた。


「そうですね。まぁ、心変わりはしました。」


「本当か!?なら」


「でも別にあなたに恋をしたとかではなく、あなたが私が想像したよりすごいってことだけなので、お返事は変わりません。」


「なっ…く、くそ、くそぉ…まだダメか…どれだけ強くなったら振り向いてくれると言うんだ!」


「そうですねぇ…私と乃愛、今はいないけど瑠璃香も合わせて3人で戦って、完封したら考えましょう。」


「ふ、ふふ、そうか、強くなればいいのだな!キースト!さぁさらに奥に行くぞ!今回は確実に15層まで踏破する!私が死なない程度にフォローしてくれ!」


「かしこまりました。無理はなさらぬよう。」


「無論だ!」


そこからの王子様は13層まででみたものとあまり変わらない、余裕を持って戦う姿を見せつけてきた。私への想いでここまでなるってすごい事だなぁと他人事のように思ってしまう。


「ゆいか〜…あんなののものにならないよね〜…?」


乃愛が不安そうに私の腕にすがりついてくる。


「乃愛?あなたはあんなのに負けるかもしれないなんて言うの?」


「そんなことはぜったいないけど〜…」


「なら自信もってていいわよ。私は比べるまでもなくあなた達の方が好きだから。」


「…うん!」


乃愛は満面の笑みで答えた。


そして15層。クレイズウルフの群れが安定して10体以上、たまに20体に迫る数で現れるようになった。たまにラプトルやゴブリンが一緒に出てくることもあった。王子様はそれらを全て1人で、切り伏せた。


「この程度私の力を9割も出せば余裕で倒せますねぇ!」


息を切らしながら王子様が言う。余裕なさそうだし、9割はほぼ全力だ。ギリギリの戦いを強いられているようだなぁ…


実はたまにこっちに攻撃してくる魔物はいるのだが、それらは全部キーストが倒している。さすがは騎士団、余裕を持って上手く相手の息の根を止めていた。


「それにしても、本当に獣人族ってスペック高いわね。ここまでだいぶ長い時間戦ってたけど、まだ動けるなんて。レベル1桁とは思えないわね。」


「さすがにのあたちもあのれべるあのすてーたすでここまでうごきつづけるのはむずかしいよね…」


悔しそうに乃愛も同意する。


「ふっふふふ、す、すごいだろう?ユイカ、私の強さがわかったか!」


息は上がって少しふらついているようにもみえるが、それでもまだ弱音も吐かず、休もうとすることも無い。この心の強さと身体的強度は私たちには絶対にないものだろう。


「すごいわ王子様。本当に強いんですね!」


素直に褒める。王子様は照れたようにはにかんで前を向いた。


「多分もうすぐ最奥だ!頑張るぞ!」


元気いっぱいな王子様の後ろを私たちは進んでいく。



そして、ついに次の16層に向かう階段にたどり着いた。ここが最奥である。


「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ、案外、大したこと、なかったな…!」


王子様はかなり息を切らせているが、やりきった感のある笑顔で強がった。

王子様は本当にほとんどの魔物を1人で倒したのだ。昨日初めての依頼だと言っていたので、今日はまだ2つ目の依頼だ。2日目でサポートを受けながらでも初心者用ダンジョンを踏破するなんて、やはりすごいと思う。この世界の普通はわからないが、きっとここまで早く最奥にたどり着ける人はなかなかいないだろう。


「王子様!お疲れ様です!篠宮の孫よ。どうだったかね王子様は。」


キーストが私の方を見て聞いてくる。…何となく目でメッセージを送られてる気がするな。


「ええ、すごくかっこよかったですよ!」


ちょっと目を泳がせつつ、私は王子様を褒めておいた。キーストの方を見ると、満足そうに微笑を浮かべていたので、正解だったようだ。


「そ、そうか!今はまだ勝てないかもしれないが、近いうちに私はお前を迎えに行くぞ!楽しみにして待っていろ!」


王子様は心底嬉しそうに顔を赤らめて宣言した。ふーむ、ショタには興味が無いはずだが、ケモ耳がつくことによって可愛さが倍増するようだ。めちゃくちゃ可愛い。なんとなく母性本能が働く…


「あれ?かいだんのしたからなにかきこえる…えっと、これちいさいおとこのこのこえ…?」


「…乃愛、それ本当?」


「のあうそつかないよ。かいだんおりてすこしいったところかな?ろんぐせんす!」


乃愛は魔法遠隔感覚(ロングセンス)を使用し、大変なことが発覚した。


「え?おとこのこひとりが…が、がいこつ?みたいなのにおいかけられてるよ!」

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