46:初めてのダンジョン
すみません、普通に筆が進んでません。
シナリオが全然頭に浮かばなくて…
筆が乗り始めたらまた毎日更新していきます。それまでは少々不定期更新になります…
王子様は果たしてどんな依頼をとってくるのだろうか。わざわざ王子様が見に行っている依頼ボードのところまで行くのが面倒で仕方ないので、手持ち無沙汰に乃愛によりかかっている。乃愛は私の髪の毛の枝毛を処理している。
今更だが今日は髪の毛をとかさずに来てしまっていて、あまりパッと見ではわからないがボサボサになっている。私も乃愛もあまり気にしないのだが、瑠璃香がうるさいので少しは綺麗にしておかなければ行けないのだ。
「待たせたな!アシュリンAでゴブリンの核5個の依頼だ!さぁ行くぞ!」
「アシュリンA?」
初めて聞く単語だ。いや、アシュリンはゴルド子爵の家名だけども。
「アシュリンAというのはダンジョンの名前だ。初心者用のダンジョンで、主にゴブリンやブルタルボアなどの弱い魔物が出てくる。初心者はそこで力をつけるのだ。」
キーストが説明してくれた。
「のあもそこいってた!ざこしかいなかったけど、なんかきもいのもいたよ?」
「きもいの?あぁ、多分あれだな。ゴブリンの突然変異種、ウオゴブリン。顔が魚っぽくなって気持ち悪いんだよな。」
突然変異種何ているのか。きもいのは嫌だな…
私は特に返す言葉もなく、王子様達について馬車に乗り込んだ。
馬車で南にしばらく行った所にそのダンジョンはあった。洞窟になっているがあまり奥には続いていないように見える。
「さぁここだ。このダンジョンは50層まで続いている。15層までが新人用の層でそこから下は最低でもBランク以上でなければ入れない。」
もろに異世界冒険って感じだな。良いわね、このダンジョンって言葉。一時期読んでた小説でも腕試しに行ってみたいなーとか思ったものだ。
「私の力を見ていろ、ユイカ!」
王子様は率先して洞窟の中へ向かう。洞窟の入口には、冒険者以外の立ち入りを禁ず、という看板が立てかけれている。中は外よりも少しひんやりとして肌寒い。魔物がいるような気配もなく、ただ薄暗い空間が広がっているだけだ。奥の方まで来ても、一方通行の両サイドに松明が揺らめいていて、視界は不自由しない。
「この階段を降りていく。この階段の隣の魔法陣が転移陣になっているから、間違っても消さないようにな。」
階段の隣には薄く緑色に光る魔法陣があった。とてもきれいだ。
「さっさと行くぞ!私の剣技であっという間に殲滅してやる!」
先程から王子様はやる気充分だ。いつもやる気分なのか、私がいるからなのか分からないが、そのせいで視界が狭くなってないといいが…
「昨日はそこまでやる気満々ではなかったのだがなぁ…恋というものはここまで変化させてしまうのか…」
キーストの声が聞こえてしまった…私のどこに好かれる要素があるのやら。まぁ人よりは可愛い自信も性格がいい自信もあるが、何を隠そう高校での私の友達は乃愛と瑠璃香だけだ。共学なのに、私に話しかける男は皆無。乃愛にはファンクラブができていたようだが…多分私にはなかった。
乃愛ならファンクラブも納得だが、ちょっと悔しい気分になる。
どうでもいいことを考えながら階段を進むと、地下にやってきた。
立て看板には『第1層 ここから君たちの冒険は始まるよ!こんなところで死なないでね?笑』と、ふざけた文字で書かれている。血の気だった初心者冒険者たちは大抵ここで怒り狂うが、そのあと遭遇する魔物にビビって二度と来なくなる者も多いらしい。
「さぁ、ゆくぞ!」
右手に持った剣を掲げ、立て看板を完全無視して進む王子様。何となく王子様も怒り狂ったんだろうなぁ…と思ってしまう。
「そうそう、無視すればいいのですよ王子様。」
思った通りだったようだ。
王子様はそんなキーストのつぶやきも気にせずか、聞こえなかったのかまっすぐ進んでいく。
Л/ЦТИ\?УИИИТИ?ИТТЛИЗМЦ!
おっと、早速ゴブリンが…?喋った…?普通のゴブリンは喋ったりしないはずだ。普通にグギャーとか叫ぶことはあるが、そこまで発音するような魔物ではない。それに、何となく大きいような…
「あ、これ、おいしいにおい!」
乃愛の目が輝いた。
となれば確定だろう。こいつ、キングゴブリンだ。
グルァァァァァ!!!
威嚇のつもりなのか、キングゴブリンは吠えた。
「おうおう、出たなゴブリン!この国の王子がサクッとやったるぞオラァ!!」
なんか性格が変わってる…?そんなことよりキングゴブリン相手じゃ普通にやばいんじゃ…?
「だ、大丈夫なんですか?」
全く動揺していないキーストに問いかける。
「ん?もちろんだ。あの程度のキングゴブリン、王子様1人でもなんとかなる。それに、王子様のステータスは、王家ステータスだからな。レベルはまだ1桁だが既にDランクに届かない程度の力を持っている。」
「王家ステータス…?」
「お前は解析ができるのだろう?してみたらいい。」
許可はとった、ということで解析をかける。
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名前:ベンガルド・バサラ
性別:♂
年齢:10歳
Lv:3
経験値:86%
体力:41
MP:21
物攻:44
魔攻:21
物防:35
魔防:21
器用さ:22
速さ:45
幸運:80
所持スキル
身体強化Lv12
加速Lv6
体術Lv2
剣技Lv1
予知Lv1
政治Lv1
指導者Lv1
魔法
光・筋肉鎧
土・土球
装備:王家の鎧
武器:鋼の剣
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なるほど、たしかにハイスペックだ。人族のマリナと比べたら簡単にわかる。レベルはマリナの方が1つ高いが、能力は全部倍近くある。しかもスキルも多いし魔法も2つある。全属性魔法対応はないが、魔法が苦手なはずの獣人族にしては相当な強さだろう。
解析を終えて王子様の方を見ると、既に戦闘に入っていた。王子様はキングゴブリンの両手から繰り出される鋭い爪による攻撃を、剣でいなしたり、かわしたりして対応している。全くダメージは受けていないようだ。キングゴブリンが今までよりも鋭く、おそらく全力で右手を振り下ろす。王子様はその腕をギリギリでかわしてその手首の内側に剣の刃を当てるようにして、鋭く引く。
グァァァァァラァァァァ!!
キングゴブリンは痛そうに叫ぶ。その様子を見入ることなく、すぐに背後に回り込み、壁を利用して飛び登る王子様。そのまま剣を横凪に一閃、二閃して、左手を首に突っ込み、何かを取り出して飛び降りた。
グルゥゥゥァァァァ…
ズシン!と大きな音を響かせてキングゴブリンは倒れた。
「「おぉ〜」」
私と乃愛はついつい拍手してしまった。本当に10歳とは思えない動きだ。スピードは圧倒的に遅いが、それにしても戦闘慣れした動きだった。
「ど、どうだユイカ!私の動きは!」
「正直想像以上だわ。すごいんですね、王子様♪」
心の中で私たちの方が強いけど、などと呟いておく。普通にすごいと思ってしまったが、私たちの方がすごいのは明らかだ。ずるだけど、それでもだ。少しも心惹かれてなどいない。
照れる王子様を横目に、乃愛がジト目で私の方を見てきた。
「ゆいか…ちょっといいかも、とかおもったでしょ…?」
「え、ま、まっさかぁ!そんなわけないわよ?私にはあなた達3人だけって分かってるでしょう?」
「…」
「そ、その目はやめて…」
「はぁ。のあたちのほうがうえでしょ?ちょっとつよいからってきょうみもたないで。」
「は、はい…」
乃愛にすごい目で見られてしまった。乃愛は少々嫉妬深いように感じる。私が恋したら私の血が貰えなくなるとでも思ってるのかしら。
「さぁどんどん行くぞぉー!」
調子に乗った王子様を先頭に私たちはさらに奥に進んでいった。




