44:獣王国での生活
5/31,6/1,6/2の3日間、忙しかったり悩んだりしていて全然書けませんでした…すみません!なるべく毎日更新していきますのでぜひブックマークお願いします!
翌朝。乃愛の胸の中で目覚めた私は、いつも通り乃愛を起こすことなく、しばらく乃愛に抱かれ続けていた。理由は分からない。珍しく、そうしていたいと思ったのだ。
数分後に乃愛も目を開けた。
「おはよう乃愛。」
「ん〜、おはようゆいか〜…ばたばたしないあさもなんだかいいものだね〜…」
乃愛は少しねむそうに返事する。そして私を解放し、体を起こして欠伸をしながら伸びをする。大きく主張するふたつのおやまに、私は顔を埋めた。
「??ゆいか?どーしたの?」
「んーん。なんでもない。」
顔を埋めたまま答える。
「そーお?んふふ〜、よしよしいーこいーこ〜♪」
乃愛が私の頭をなでなでしてくれる。とても心地いい。乃愛の言動はいつも子供らしさがあるが、十分に成長しきった体には母性すら感じられる。私の体は抗う間もなく脱力していってしまう。
しばらく乃愛の体を堪能していると、扉からノックが聞こえた。すぐに入ってくる様子はない。
「おはようございます!入ってもよろしいでしょうか!」
昨日の朝の私たちを見たメイドだろうか。早く扉を開けてはいけないと学習したようだ。だが、今も開けられては困る。いつもキリッとしている私が乃愛の体に抱きついて脱力しているのだ。そして私はまだ脱力していたい。今入られたら私が恥ずかしいので、とりあえず入らないでもらおう。
「…!…!?」
あっ、声が出ない。力が入らなすぎて声が出せない。
「いいよぉ〜」
あっ…乃愛が許可してしまった。扉が開かれる。
「おはようございますぅ!?」
昨日の光景を覚悟してきたであろうメイドは、昨日とは全く違う光景を見たのだ。それはそれは驚いたことだろう。昨日は私が攻めで、乃愛をボロボロにしていたのに、今日は私が乃愛の胸に埋まって撫でられている。
この姿見られるのは恥ずかしいな…
「…お、お二人はどう言った関係なんですか…?」
興味を持ったのかメイドが尋ねてきた。私はまだ声が出ない。とりあえず乃愛に任せるしかない。
「ん〜なんだろ…ただならぬかんけい?」
「っ!で、ではゆっくりしてください!朝食は残しておきますね!」
メイドは顔を真っ赤にして部屋から出ていった。
ただならぬ関係…これで何を想像したのだろう。私にはさっぱりだ。
「…」
私はまだ声が出ないので、乃愛に埋まり、さらにしばらくの間脱力して時間を過ごした。
どのくらい時間が経っただろうか。私は乃愛の胸で寝てしまっていたらしい。目が覚めた今も乃愛の胸に埋まっている。
「…あー」
声が戻った。流石にいつまでも胸に埋まっているとダメになりそうなので、乃愛から離れる。
「あ、ゆいか〜おは〜♪」
「ん、おはよ。」
「もうおひるのじかんだよ〜♪」
「…え、マジ?」
「まじまじ〜♪はやくごはんたべにいこ〜♪」
乃愛が私の手を取って下に降りる。まさかそんな時間まで寝ていたとは…乃愛の母性は恐ろしい…。
「おはよ〜ございま〜す♪」
「すいません遅くなって。」
私たちが食堂へ行くと、先程のメイドが笑顔で待っていた。…なんとなく顔が赤いのは、熱があるとかではないんだろうな。
「お、おはようございます!ご飯の準備はできていますので、どうぞ!」
食堂のテーブルには二人分の食事が準備されている。
「あれ?ほかの人は?」
「旦那様と奥様はお仕事で外出中です。バルド様は本日も学校です。アマキ様とマリナ様は観光してくるとのことで、当家のメイドを連れて外出しています。現在この屋敷にはお二人のみでございます。」
顔を赤くしたまま笑顔で説明するメイド。何を考えているのか分からないが、なんとなくくだらないことを考えている気がする。
「そんなのはべつにど〜でもいいよぉ〜♪はやくたべよ!」
乃愛に手を引かれ、2人で席につき食事する。やはり肉中心の料理だ。この国は肉食系の食べ物しかないのだろうか。ゲストのような料理を見たことがない。まぁ味はしっかりしているので食べられないということは無いのだが、野菜も食べたい私としてはあまりよろしくない傾向だ。
「んぅ〜おいし〜♪」
乃愛は特に気にした様子もなくパクパク食べている。口元が肉汁やらタレやらでベタベタだ。
私は無言で手元のお手拭きを隣の乃愛の口元に当て、ゴシゴシと擦る。
「綺麗に食べなさい」
「はーい!」
このやり取りも何回目だかわからない。元の世界でもこっちに来てからも、毎回のように乃愛の口を擦っている。全く、そろそろ綺麗に食べられるようになってもらいたい。
ふと、メイドが先程よりも顔を赤くして目を見開いているように見えた。
百合好きなのだろうか。残念、私は百合じゃない。いつか普通に恋して幸せに暮らすんだ。
…異世界に私が好きになれる人いるのかな…?
そんなこんなで食事を終えた私たちは、ギルドで簡単な依頼を受けに行くことにした。正直屋敷にいてもやることは無いし、ランク上げもしたい。パーティーを組んでいても別に依頼は受けられるだろう。
ということで、30分ほど歩いてギルドについた。バーのような扉を開き中に入る。
「いらっしゃいませ〜!って、ノーマルかよ。とっとと帰れクズが!」
昨日とは違う店員(虎耳)のようだ。しっしっとされてしまった。
その店員の後ろから狸耳の男が声をかける。
「あ、篠宮のお孫さん!」
「…は?篠宮の孫?」
私はとりあえず店員を無視して狸耳の男、タスギに返事をした。
「あらタスギさん。こんにちは。」
「こんちわっす!き、今日は依頼を受けに?」
少々緊張しているようだ。昨日の脅しが聞きすぎたかしらね?
「ええ、そうよ。暇だからランク上げにね。」
「ちょちょちょちょちょとまておねーさん!おまえ、お前が篠宮梅男の孫なのか!?」
私とタスギの会話に虎耳店員が入り込んできた。うるさいやつだな。
「ええ、そうよ?」
「こんな弱そうな女がか?あの伝説の英雄の孫?有り得るかぁ!?」
店員はギルドの酒場で飲んでいる男達に煽りを入れる。
「おぉー!!」
「ありえねー!!」
「おれたちのほうがつよそうだー!!!」
「いやあの子本物なんだが…まぁいいか。」
「ぶっころせー!!!」
男達は煽りに反応して思い思いに言葉を返す。
昨日いた者もいるようだが、いなかった者の方が多そうだ。
「さぁさぁねぇさんよ。本物だと言うなら証拠が欲しいねぇ。例えばそうだ、ステータス全公開…なんてどうだ?」
「お断りよ。あなた達の中に解析持ちはいないの?てか、そこのタスギが解析で私を見てるから嘘じゃないのは明らかよ。」
タスギも頷く。
だが男は煽りを続けた。
「えぇー?やっぱり偽物だから見せられないんじゃないのー?どう思うよみんなー!」
「やっぱりにせものだー!!」
「おぉー!!」
「本物はどこだー!!」
「いや、本物は…まぁいいや。」
「ふたりともかわいー!!!」
「ぶっころせー!!!」
物騒な声が飛び交う。まぁこういうのも退屈しなくていい。私はひとつ提案をした。
「それじゃあこの中で1人、私とタイマンしましょう。それで実力を見せてあげるわ。」
手を極限まで抜いて、ギリギリで勝つ。それで行けるかも?と思ったやつからどんどんギリギリで倒していく。疲れはたまるかもしれないが、疲れを貯めたまま戦い続けることはきっといいトレーニングになる。乃愛は暇かもしれないので、なにか依頼をひとつ受けてもらおう。乃愛も喋り方以外は馬鹿じゃないので簡単に依頼をクリア出来るだろう。
「いーじゃんおれいく!」
「いや!おれだ!」
「いやいや!おれだ!」
「やめた方が…まぁいいや。」
「いやいやいやいや俺が行く!絶対だ!」
「「「どうぞどうぞ」」」
「お、おう!?」
「ぶっころせー!」
ワイワイガヤガヤ元気だな。ぶっころせー!しか言ってないやつ殺意高すぎ。私のこと知ってるやつ諦めすぎ。最後にどこでそのネタを知った。なんだこいつら。怖くなってきたんだが。
「えーっと、それでは奥の戦闘フィールドで…」
昨日とは違う受付嬢(鼠耳)が冒険者たちに声をかける。
「乃愛、なにか1時間くらいでできる依頼探してソロで受けてきて。悪いけど時間つぶしお願い」
「あいあーい!けがしないようにきをつけてね!」
そう言った乃愛はすぐに依頼の貼ってあるボードに向かった。
「えっと、そちらの方も…」
受付嬢から声をかけられる。この受付嬢はそこまで人族に偏見がないのかしら?あまり負の感情を感じない。
「ええ。行きましょうか。」
私も戦闘フィールドに向かう。そう言えばこのギルド来て戦闘して、王城行って戦闘して、帰って一息ついてさあ依頼だと思ったらまた戦闘。何回戦ったらいいんだろう。
人との戦闘は初めてではないが、昨日のベオラント戦のようにやられる側になったのは初めてなので、今日の戦いの目安にするため、自分の能力を確認する。
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名前:篠宮唯香
性別:♀
年齢:15歳
Lv:530
経験値:26%
体力:536 1up
MP:351 1up
物攻:505 1up
魔攻:351 1up
物防:386+20 2up
魔防:351+20 1up
器用さ:504
速さ:599+5
幸運:75
所持スキル
言語理解
全属性魔法対応
身体強化Lv16 1up
自己再生Lv10 7up
予知Lv2 1up
加速Lv20 1up 効果UP(Lv21相当)
隠密Lv20 効果UP(Lv21相当)
暗殺Lv20
攻撃連鎖Lv9
解析Lv3
乱舞Lv6
効率化Lv18
威圧Lv2
猫目Lv20
抑止Lv1 new!
魔法
光・空間転移Lv3
装備:制服・改
武器:小型サバイバルナイフ
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お、レベルひとつ上がっているようだ。これは嬉しい。
何より目を見張るのはスキルの自己治癒だろう。一気に7も上がった。これは神様もびっくりの嬉しい誤算だ。今まで攻撃をくらったことがなかったから自己治癒を使う機会がなかった。そのせいでLvは全く上がっていなかった。それでも3まで上がっているのは怪我などではなくただの疲労回復に自動で使用されているためだ。
そう考えて、気づいた。先程考えたトレーニングの穴だ。疲労回復を自動でしてくれる。まあそれはいい。ただ、スキルレベルが10にまで上がったいま、この連戦を戦って疲れることがあるだろうか。
まぁやってみなければ分からない。とりあえずは手を抜きつつ、敵の攻撃の軌道をどこまで予測し、どこまでギリギリでかわせるかのトレーニングをして、そのついでに疲労が出てきたら御の字と考えることにした。
『5、4、3、2、1、スタート!』
さぁ、1人目だ。




