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殺し屋JKが異世界で冒険する話  作者: 飯泉翔羅
第二章:異世界を冒険、二つ目の国にも
39/71

39:バサラ獣王国の冒険者ギルド

昨日は体調崩してかけませんでした…ごめんなさい…

翌朝。

私と乃愛に与えられた広い部屋の柔らかいベッドの上で、いつも通り乃愛にホールドされながら目を覚ます。


くすぐって起こしたあと、続けていちゃいちゃしていたら、もうお約束なのだろうか、昨日の狐耳メイドが私たちを起こしに来て、あられもない姿の乃愛を見て「失礼しましたー!」と逃げていった。ちなみに私はしっかり服を着たままだ。


「なんかでじゃぶだね〜…」


「そう言えば、最初はシノもあんな感じに反応してたわね」


ほぼひと月前のゲストでの出来事を思い出す。

そこまで昔ではないのに、懐かしく感じるのは何故だろうか。


私たちはゲストでの思い出をちょこちょこ語りながら着替え、食堂へと向かった。


食堂には私たち以外みんな揃っていた。食事も準備されている。マリナはすごく眠そうで、瑠璃香にもたれてうつらうつらしている。


「おはよう唯香、乃愛。遅いよ。」


「悪かったわね。ゴルドさんたちも、お待たせしてすみません。」


「いや、いいさ。旅の疲れもあろうしな。それにしても、マリナちゃんか。朝早くからユリネと料理してくれていたそうじゃないか。ありがとうな。」


「んー…」


寝ぼけ眼のマリナは聞いているのか聞いていないのかわからない返事をした。

それにしてもマリナは貴族が嫌いだったはずなのに、ゴルド子爵には随分と慣れたものだ。物怖じせず会話出来ている。


ゴルド子爵は眠そうなマリナの姿を見て目を細めた。


「では、食べようか。」


いただきます、と全員で唱和して食べ始める。

今日は小さめのオムライスと野菜スープだ。卵がとろとろでとても美味い。野菜スープもいい味がきいている。


全員が食べ終わったあと、使用人が皿の片付けをしてくれているあいだに今日のことを話した。


「ゴルドさん。今日は早速冒険者ギルドに行ってみようと思います。ついでに何か簡単な依頼もこなしてみようかと。」


「ふむ、そうか。だがなぁ、君たちは如何せん美人すぎるからな。たぶん、というか確実に荒くれ者共に絡まれるぞ…?あと、ギルド内部での戦闘は禁止だから気をつけてくれ。」


「分かりました。そういう絡まれ事案って、転生者からしたらテンプレの面白イベントでもあるので大丈夫です。あ、でも、一応不安なので私のステータス見て貰えませんか?もしレベルが低いとかあったら、ドリス王国の北の森で再特訓してくるので」


「…必要ないと思うが、見ようか。」


ステータスを開く


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

名前:篠宮唯香

性別:♀

年齢:15歳

Lv:529

経験値:42%


体力:535   

MP:350    

物攻:504   

魔攻:350    

物防:384+20  

魔防:350+20  

器用さ:504  

速さ:599+5  

幸運:75   


所持スキル

言語理解

全属性魔法対応

身体強化Lv15   

自己再生Lv3

予知Lv2

加速Lv19        効果UP(Lv20相当)

隠密Lv20         効果UP(Lv21相当)

暗殺Lv20

攻撃連鎖Lv9  

解析Lv3

乱舞Lv6    

効率化Lv18   

威圧Lv2

猫目Lv20   


魔法

光・空間転移(テレポート)Lv3  


装備:制服・改

武器:小型サバイバルナイフ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


私は狩りをしていないので、国を出てすぐに見た時とほぼ変わらないステータスだ。


「こ、これはすごい…ユイカさん、君はこの国ではトップレベルの力を持っていると言っても過言ではない。これなら、あの王にも勝てるかもしれないぞ…?」


広いバサラ獣王国の、沢山いて元の能力が高い獣人族よりも強いかも認定されてしまった。しっかり特訓してきてよかった。


「ほかの3人…いや、マリナちゃんだな。マリナちゃんもステータスを見せてくれないかい?」


ゴルド子爵優しい笑顔をマリナに向ける。

マリナは少し顔を赤くしてステータスを開いた。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

名前:マリナ

性別:♀

年齢:10歳

Lv:4

経験値:98%


体力:22

MP:18+20

物攻:2

魔攻:11

物防:2+20

魔防:11+20

器用さ:26

速さ:24

幸運:40


所持スキル

料理Lv10

魅了Lv1

拳銃Lv2


魔法

光・生活補佐(ライフサポーティング)Lv2


装備:子供用制服・防御&魔力特化

武器:拳銃(ケンちゃん)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


一応マリナに全部の敵を倒させはしたが、やはりレベルは上がっていなかった。チートがないと難儀だ…


「10歳でレベルが上がってること自体おかしいんだが、それでも安心のステータスだ…ユイカさん、しっかりマリナちゃんのこと守ってあげるんだよ?」


「ええ、もちろん。」



こうして私たちは子爵夫妻に見送られ、ギルドへと向かっていった。




ギルドは子爵家から30分ほど歩いたところにあった。歩いている最中、何度か話しかけようとする人たちがいたが、弱めの威圧をかけ続けていたら、一定距離まで寄るだけでそこから近づかなくなった。威圧は便利だ。


最後の最後に、ゴルド子爵にステータスは見せない方がいい、強制労働を強いられることになるかもしれん、と忠告を受けたことをしっかり頭に入れておく。


ギルドの扉は木製の両開きで、何となくバーを想像させた。

扉を開くとカランカラン…と乾いた音が鳴り響く。バーっぽい。


「いらっしゃいませ!何名様で…ノーマル…か。ノーマルに出す酒はねぇ。どっか行きな!」


入ってすぐ近くで仕事をしていたらしい虎耳の獣人が、私たちの姿を見て嫌な顔をした。ていうか、酒って言ったな。本当にバーだったらしい。


「ここって冒険者ギルドじゃないんですか?」


「あぁ?そうだよ。そっちに受付があるだろうが。…お前ら…なにか依頼か?めちゃくちゃ金かかるぞ?どうだ、体を預けてくれりゃちっとはお金払ってあげてもいいぜぇ?」


いやらしい目をした虎獣人を無視して4人で受付に向かう。

受付には鼠耳の可愛い受付嬢が座っていた。


「いらっしゃいませ。ノーマルの方の依頼は相当高くなりますが、よろしいでしょうか?」


無機質な声で事務的なことを告げられる。可愛い声なのに話し方が固くて可愛くない…

私は本題を話す。


「いや、依頼じゃなくて冒険者になろうと思って来たんです。」


ブハッ!


近くで酒を飲んでいた筋骨隆々の狸耳のおっさんが吹き出した。

私の話を聞いていたほかの獣人たちも、少しの間あっけに取られたあと、爆笑し始めた。


「そっそんな細身でっ…出来るわけっ…!」

「あほや!アホがおるぞ!」


呼吸困難になるほど笑われている。こっちは真面目なのに。

見ると受付嬢は、見下したような目で口元を歪めながらこちらをみていた。


「冗談は程々に。しつこいと営業妨害とみなして連れて行ってもらいますが?」


「や、本気ですって。冗談じゃなく冒険者になりたいんですけど。」


「そうですか…それ相応の実力があるとは思えませんがね…」


ステータスを見せると面倒になるだろうし、ここは戦闘で…と思うのだがここは戦闘禁止で、まず誰も戦ってくれないだろう…


「おうおう、冒険者を舐め腐った嬢ちゃんたちよぉ。ちょっくら俺と戦わねぇか。負けた方がなんでも言うことを聞くってことで、な」


狸耳の男の後ろで酒を飲んでいた、これまた筋骨隆々な豚耳の男がニヤニヤしながら声を上げた。酔っているようで顔は赤い。


「お、おいおい。最強の豚耳、ゼンの旦那かよ…」

「こりゃあの子達終わったな。負けて肉便器になって使い捨てだ。」

「や。わからんぞ。1人くらい側室に迎えるかもしれん。ドMがいたらの話だがな。」


…恐ろしい話が聞こえてしまった。


ちょっと怖くなったので解析してみる


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

名前:ゼン

性別:♂

年齢:38歳

Lv:68

経験値:61%


体力:103

MP:26

物攻:141

魔攻:26

物防:120+5

魔防:26

器用さ:65

速さ:92

幸運:60


所持スキル

斧術Lv15

身体強化Lv20


魔法

火・火球(ファイアーボール)


装備:鉄鎧

武器:ゼンの斧

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


なるほど、たしかに普通の人より体の能力は上がるのが早いみたいだ。だが、やっぱり今の私たちに勝てる能力じゃない。

そして、今解析した時に面白いことがわかった。

目線を右に逸らし、狸耳の男を見るとビクッとして震えだした。

そう、この男も解析を持っていたのだ。そして私たちの能力を見て気づいてしまった。私は口元に人差し指を当てる。男は小さく頷いた。


「わかったわ。この勝負で私たちが冒険者として相応しいと認めさせてあげるわ。」


高々と宣言して注目を集める。何となく今まで思っていたテンプレとは違うが、戦いになるって言うのはいつもの事だ。


「では、ギルド内の戦闘フィールドにご案内します。」


鼠耳の受付嬢が私たちを案内する。ギルドにいた客の殆どが酒やツマミを持って着いてきた。観戦できるスペースがあるのだろう。しばらく歩くと金属の扉が見えてきた。


「観戦の方は右へどうぞ。あなたがたはこのまままっすぐ行って扉を開けてください。」


私たち以外の客が皆右へ進んでいく。

豚耳男、ゼンは特に何も喋らないが、私たちをいやらしい目で舐め回すようちみていた。


「こいつぁ上玉だなぁ…」


心の声が漏れたのか、ゼンが呟いた。


全ての客が観戦のため右に行き、残った私たちは、ようやく前に進んだ。

そして、重たい金属の扉が開かれた。

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