26:それぞれの顔合わせ
GWですね!バイトで死にそうです!
なんとかたくさん書けるように頑張りますが、更新遅れるとか途中で上げるとかのドジ踏むかもしれません…ごめんなさい!
────────カリナside────────
カリナとダニエルはゲストをでたあと、その足で王様のいる城へと歩いていた。
「そう言えば私、王様のお顔とかお姿を知りません。どんな方なんでしょう」
カリナがダニエルに尋ねる
「そうですね、彼の見た目を一言で表しますと、美青年、美男子、などでしょう。王様にはなりましたが彼は若い。それにまだ独身らしいですよ。」
「そうですか。若いのに、相当信頼されている方なのですね。」
「ええ…良いスキルをお持ちですからね…。多くの人が彼の言葉に耳を貸し、動くでしょう。」
「そんなスキルがあるのですか?」
カリナは目を見開いた。
「そうなのです。スキルの名前は指導者。至る所で、様々な集団の中でリーダーとなり、人を動かすことの出来るスキルです。」
「なんだか魔法みたいですね…」
「魔法のようなものです。彼が悪魔の手にでも落ちてしまったらこの国はすぐに悪魔の国にでもなってしまうかもしれませんな」
ダニエルは冗談めかして笑うが、カリナは笑えなかった。
「笑えない冗談です。」
「まあまあカリナ様。彼のスキルにあなたの政治スキルが合わされば、それこそ素晴らしい国になると思いませんか?」
「それは…」
カリナは少し悩むように視線を下に落とした。
「ええ、もちろん無理に言っているのではありません。これから彼をなんとか説得し、あなたが女王として君臨された時、彼を配下とすることも可能…という可能性もございます。ですが、もし気に入られたようであれば、結婚も考えていただければよろしいかと…」
「…」
カリナは無言で返した。ダニエルの言いたいことはわかる。この国で唯一残った王族である自分は、早く世継ぎを残すことも超優先事項の一つになっているのだ。もし現国王とそういう関係になることになれば、まさに一石二鳥。国の安定も期待でき、将来により確実な希望が生まれる。
だがカリナは16才。成人済とはいえまだまだ少女の域を脱していない。カリナも夢見ることがあった。白馬に乗った王子様が奴隷商から助けてくれること、そのまま大きな白い家で広い庭を見ながら二人で幸せに暮らすこと…
政略結婚のことは小さい頃から聞かされていたが、他国との関わりがほとんどないこの国では殆どが普通の恋愛結婚であった。
「…すみません、余計なお世話でしたね。私などが口を添えるべきではなかった。この国で政略結婚など、聞いたこともありませんからな。さあ、もうお城です。しっかり付いてきてください。王はご自室におられるはずですから、少々歩きますよ。」
ダニエルの顔パスで城に入ったカリナは神妙な顔で頷き、その背中から離れないように早足でついて行った。
────────────────
ダニエルとカリナを見送った私たちは、とりあえず現状の理解と、今回新しく出会ったメンバーとの仲を深める為に、シノに追加でお菓子と飲み物を用意して貰って女子会のようなものをしていた。
「へぇ〜それでこんなに強くなったんだ唯香と乃愛。すごいねぇ〜。」
のほほんとポテトチップスを食べながら瑠璃香が言う。
私達がしてきた魔物狩り(という名の金稼ぎ)の話が終わったところなのだが、この無理矢理な金稼ぎを誰のためにしたのかと問いただしたくなる。確かに苦労はなかったが、一応死と隣り合わせの凶暴な魔物を狩って来たのだ。なにかお礼はないのだろうか。
私のジト目に反応したのだろう、瑠璃香がこっちを見つめてきてキラッ☆というようにウインクをしてきた。
「チッ」
思わず出てしまった本気の舌打ちに、瑠璃香とマリナがビクっとなる。
「るりかはど〜やってあのまものたちたおしたの?じゅうぶっぱしてるおとはよくきこえてきたけど」
そんな二人に目もかけずに乃愛が私から採った血を飲みながら尋ねた。
「確かに。あの時点で瑠璃香レベル1でしょ?私みたいな奇襲ならともかく、あんなに真正面からでよくやられなかったわね。」
その言葉に気を良くした瑠璃香はふふーんと胸を張って答えた。
「ま、神に色々もらったしね!」
そして瑠璃香は森での魔物退治の話を得意げに語り始めたのだった。
────────瑠璃香side────────
瑠璃香はその異変が始まった時、ちょうど目が覚めたところだった。
奴隷馬車にいてもやることはなく、取り置きされている今、特に矢面に商品として立たされることがないためほとんどの時間を寝て過ごしていた。
その時、馬車が急に止まり、馬の悲鳴が聞こえた。
「えっ、な、何事?」
動揺し、外を見ようと馬車の外に出ようとすると、奴隷商人の声が聞こえてきた。
「魔物だ!戦闘できる奴隷は前に出てこい!っていないよな!知ってる!」
ノリツッコミだろうか。真面目な彼にしては珍しい。テンパっているのだろうか。
そんなことより魔物だ。一応私戦えるし、外に出よう。瑠璃香はそう思いいそいそと馬車を降りた。
外にはたくさんの人型の魔物がいた。馬を殺した魔物は商人が頑張ったようで、馬のすぐ近くに人型の魔物の死体があった。
「商人さん、助太刀しますよ〜」
震える手で剣を握る商人が目を剥いた。
「え、おま、き、君は商品、な、んだから、下がって、なさ、い!」
声まで震えて変なところで区切れている。瑠璃香はそんな商人の様子に吹き出した。
「な、っ、なにが、おか、しい!」
「い、いや、すみません。そんなことより魔物ですよ!私もやるんで倒しましょう!」
「わ、わ、わ、わかった!」
商人はものすっごい勢いで震えている。
瑠璃香は手元に銃を出し、とりあえず真正面にいる魔物に向かって引き金を引いた。
カチッ
弾は出ない
もう一度引く
カチッ
出ない。
どういうこと?と思って銃を両手で持ってもう一度引き金を引こうとしたその瞬間、瑠璃香の意識は神界に飛ばされていた。
「…?ここ、神界?」
「やあやあトラブル大好き瑠璃香ちゃん。こんにちは。今日は銃の使い方、あと忘れてたスキルを付与するために呼んだよ。感謝してね。」
伊達であろう眼鏡をかけた神がこちらに向かって座っている。腕を組んでなんだか偉そうな態度である。
「何その態度。なんかいけ好かない。」
ポロっとこぼした瑠璃香に神は怒り狂ったように立ち上がって地団駄を踏んだ。
「神が!偉そうで!悪いか!」
「ご、ごめんて。冗談冗談!」
「はぁ、それよりも銃の話をするよ。聞いてね。ちゃんと聞いてね。」
なんだか圧を感じる目で念押しされ、たじろぎつつも頷く瑠璃香。
「な、何でそんなに念押しするのさ…」
瑠璃香の言葉を無視して神は説明を始めた。
「銃の使い方は、手に持って使い方、って念じたら頭に入ってくる。まあしっかり弾入れる、グリップ持つ、ハンマー下げる、セーフティー外す、引き金引く、っていう五段階だから簡単だけどね。次。スキルとか。弾なかったよね、普通に忘れてた。今回とりあえず詰めといた。念じたら弾入ったマガジンも出てくるから。あと銃撃つスキルね。レベル1で拳銃付けといたから。そんなとこ。あとは頑張って。」
「早口だし説明適当だし本当に神ですかあなたは。てか忘れないでよ色々。」
「君が転生だ何だってはしゃぐからだろ!転生したあと色々確認してから頑張ってもらおうと思ったのに話聞かないで走り出すし、だからわざわざ神界に呼び出さなきゃならなかったじゃんか…」
めんどくさそうに頭を抱えながらため息をつく神。
瑠璃香が流石に少し申し訳なくなって声をかけようとした時、神がバッと顔を上げて言った。
「てかもう言うことないし早く戻って。じゃね。頑張れ!」
そして気づくと元の銃を両手で持って構えた状態に戻った。
そのまま使い方と念じ、頭にいれる。マガジンを出し弾が入っているか確認する。さっきより銃が重くなっていたのであるだろうとは思っていたがたっぷりあった。
「よし。いこう!」
ハンマーを下げて撃つ準備も万全となったところで魔物が一気に距離を詰めてきた。
ドバン!
ヘッドショットが決まった。瑠璃香はその1発に手応えを感じ、そのまま自らも動きながら敵の頭を狙っていく。
ドバン!
ドバン!
ドバン!……………
どのくらい撃っただろうか。途中から小さい恐竜型の魔物も出てきて、その動きは厄介だったが、接近して撃つことで難なく倒すことが出来ていた。
ドバン!
ドバン!
カチッ
カチッ
「ん?」
弾が出なくなった。と思ったら銃のスライドが下がりきって固定されている。
「弾切れか!」
この時、瑠璃香の頭に神の言葉はなかった。念じれば出てくると言うのは覚えていたが、瑠璃香は作りたかった。創作したかったのだ!
「つくるとしたらなんか魔法かスキルだよね。うーん念じたら出来るかな!先端尖った弾とか作りたいなぁ」
そんな弾が入ったマガジンを創るイメージを膨らませる。
すると、手元にパッとマガジンが出てきた。
「あれ、出来た?魔法っぽくない登場だなぁ、魔法ならもっとピカーっとしてもいいのに。スキルなのかな?」
もちろんステータスを確認する暇はないので空のマガジンを落とし、新しいマガジンをいれる。
そして即座に撃つ。
ドバン!
魔物の頭に綺麗な穴が空いた。さっきまでの弾だと向こう側が見えるほど綺麗に抜けなかったが、先端が尖っているからか、貫通力が上がっているようだ。
「ん〜楽しい!」
走りながら魔物を銃で蹂躙していく。
「フハハハハ!この私を倒せるかな!」
近くに馬車があることも、奴隷のみんなが見ていることも、商人が見ていることも忘れて楽しくぶっぱする。
そんな瑠璃香に悲劇が襲った。
「フハハハハあっ!」
ズベシャアッ
走り回る途中にあった木の根を超えられず、顔面を地面に叩きつけ、見事な海老反りを見せることになった。
ちなみに瑠璃香の服装は白の学生服。下はスカートである。
もちろん海老反りになった時、スカートが完全にめくれて、白地に可愛いクマの刺繍が入ったパンツを晒すこととなった。
瑠璃香は転んでからしばらく動けなかった。もちろん、羞恥心である。
魔物はそんなものは関係ないので容赦なく襲いかかってくるが、瑠璃香は微動だにしない。
「っ!」
見ている商人たちが目をそらす程にやられるのは確定的な位置になった時、瑠璃香はガバッと仰向けになり、周りに近寄ってきた敵を連射して倒した
ドバッドバッドバッドバッドバッ!
周りを囲んでいた魔物を倒してすぐに起き上がり、羞恥で顔を真っ赤に染め上げながらまた走りだした。
「ああああああああぁぁぁ!!!」
ドバンドバンドバンドバン!
その勢いは凄まじく、あっという間にすべての敵を倒しきってしまった。そして最後の一発を、隠れている男の後ろから口を開けた恐竜型の魔物にお見舞した。
そのあとは唯香たちも見ていた通りである。
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