25:ドリス王国のお話
寝落ちして途中までしかかけてなかったので再編集しました
もうちっとだけ会話が続くので見てくれると嬉しいです
光が収まって、カリナの姿を見た時、いちばん驚いたのは私たちではなかったようだ。
「か、カリナ…様…!?」
ダニエルが心底驚いている。開いた口が塞がっていない。
「お久しぶりですダニエルさん。」
「ど、どうしてこんな…あの悪魔の毒に犯されなかったのですね…!」
「そうですね。皆さんに説明するには少し長くなりますが、どうでしょう。話を聞かれますか?」
私たちは全員うなづいた。
◇
「私が王族だと知っていたのはユイカさんだけですか?」
「多分そうね、解析使えたのは私だけだと思うし、乃愛は絶対興味ないし。」
「ぜったいはありえないんだよゆいか〜?まぁきょうみないけどっ。」
私たちはおやつにシノが作ったポテトチップス、ミニドーナツ、チョコレートを頬張りながら話を聞いていた。
4度もきつい魔法を使ったダニエルの回復に食事は良いそうで、ダニエルはバクバク食べていた。
「そう簡単に看破できないはずなんですけどね…解析使っても見えないところはあったと思うんですけど…」
そう言いながらステータスを見せてくれる。
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名前:カリナ・ドリス
性別:♀
年齢:16歳
Lv:1
経験値:0
体力:10
MP:5
物攻:5
魔攻:1
物防:10
魔防:4
器用さ:10
速さ:10
幸運:20
所持スキル
料理Lv1
教育Lv1
政治Lv10
魔法
なし
装備:王族の私服
武器:なし
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「いや、全部見えてたわね。解除したあとの変化は流石に見れなかったけど…」
「一番ロックかけられてたの名前なんですけど…見えてたんですね…」
「それよりも私、さっきの悪魔の毒が気になるんだけど…」
「あ、ごめんなさい。説明しますね。まずこの国のことから説明しないといけません。ユイカさんは篠宮梅男さんのこと、知ってるんですよね?」
「ええ。私の祖父よ。」
「のあもしってる!ゆいかのおじーちゃん!ゆいかにしりあったあとすこししてあいにきてくれた!」
「え、そうなの?後で聞かせてその話。気になるけど今は国の話よ」
「うん!」
「えっと、その梅男さんがバッタバッタと魔族と魔王を蹴散らして、世界に平和をもたらしたわけなんですが、魔王を倒した時、魔王がなにかの魔法を使ったらしいんです。その魔法というのが王家殲滅という、王家を殺す魔法だったんです。」
「すごく直接的な魔法ね…王家だけにきく魔法だったの?」
「王家というか、基本的に各国のトップ、そしてその家族親戚までを殺す魔法で、この国だけじゃなく、世界の国々が大変な事態に陥りました。しかし、多くの国、というかこの国以外は富もあり、宰相たちも頭が切れ、騎士達も相当な強さを持っていました。そのおかげで国のトップが滅ぼされても国が大きく傾くことなく安定して国を運営出来たんです。」
「この国はそういう人達がいなかったから国が不安定になってクーデターが起こり、でも王族がいなかったから宰相たちも考えて国で一番信頼されている今の王様に頼んだってわけか。情けないなぁ…」
「そ、そうなんです…元々この国は大陸の辺境にあるせいでなかなか他国と情報交換ができず、文明すら遅れているなんて噂もあるんです。」
「な、なんてハードモードな国…でもなんでカリナは無事だったのかしら?」
「あ、はい。それはですね、私の父、前王のおかげなんです。魔王の魔法が使われたとき、例外なく私にも効果が現れました。その魔法って苦しさがずっと続いて最終的に死んでいくって魔法で、普通の治癒とか上位魔法最高治癒でもどうにもならないものだったんです。」
「解呪じゃダメなの?」
「呪いじゃないんですよ。魔法で犯す病みたいなものだからそれはつかえません。それでですね、唯一何とかなる魔法があって。完全治癒っていう魔法なんですけど、前王はその魔法が使えたんです。」
「おぉ〜。でもその魔法でほかの人とか、自分とかも救えなかったの?」
「はい。MPの消費がひどい魔法で、一度使っただけで100近く消費されてしまうんです。その時の父の最大MPは102。MPの残りが2になって、父は動けなくなりました。体が疲れきった状態で、魔法に対抗するなんてなかなかできません。父は家族の中で、いちばん最初に冷たくなったんです。」
「あ〜ごめんなさい、嫌なこと聞いたわね。」
「いいんです。続けますね。私の家族は父母、そして姉が二人いました。なぜ父が母でも姉二人でもなく私を助けたか、という謎は正直まだわかっていません。でも、私以外のみんなは納得顔でした。回復した私に、姉二人がクーデターが起きて殺されたらまずいから、と私に認識阻害の魔法をかけてくれて、母は、もし呪いを解くべき時だと思ったら国家騎士団のダニエルさんのところへ行きなさいというふうに言っていました。」
「突然の死に際だっていうのに、随分先が見えてるわね…」
「そうなんです。私以外みんな頭がよかったんです。私は勉強が少し苦手だったから…。だからますます私が残された意味がわからなくて…」
「ふむ、むぐ、私にはわかりましたぞ、カリナ様。」
未だに食べ続けているダニエルが声を上げた。
ダニエルはしっかり咀嚼し、口内を空にして水を飲むと、カリナに向き直った。
「王様方があなたを残したのは、国のためが8割、まだ小さかったあなたを助けたかったのが2割と言ったところでしょう。」
その言葉に私は疑問を持つ。
「なんでそんな割合なの?しかも国のためが8割って少しひどくないかしら?」
「…いえ、いいんです。国王が国のことを最期まで思うのは正しいことですから…。でも、やっぱり分かりません。なんで私を生かしたら国のためになるんですか?」
「そりゃあもちろん、あなたのスキルですよ。政治。今はLv10ですか。前見た時から比べてひとつ上がってますね。」
「政治スキルなんで、お姉さま達だって…!」
「それがなかったんですよ。あなたのお姉様方だけじゃない。あなたの母上様、そして王様すら、そのスキルをお持ちでなかった。」
その言葉にカリナは衝撃を受けたように目を見開いた。
「やっぱり政治スキルは王になるものなら誰もが持っているべきものなの?」
「ええ、基本的には。王家のものであればその一族はほとんど皆政治スキルを持って生まれるはずだったのだ。だけど、前王が生まれた時、政治スキルがなくてな…前前王は前王の後、子宝に恵まれないまま病気で亡くなった。その結果、王家で初めて政治スキルを持たない王が誕生したのだ。」
「それってやばくないの?政治回せないんじゃ…」
「それを持ち前の知識と知恵でなんとかしたのが前王だ。あの方はどこまでも聡明でな、今までの王ほどとは行かなくも、民が皆幸せだと感じられる程度には国を盛り上げて支えていた。」
「前王はスキル不足をたくさんの知識と知恵を得ることによって補ったわけね。」
「そうだな。そしてこの国で現在、政治スキルを持つ者は一人しか居らん。それがカリナ様、あなたなのです。王家の唯一の生き残りで、政治レベルは歴代王家の中でも高いレベル10。これ以上王に相応しい人はいないでしょう。ですがカリナ様の人生です、いろんな事実を知って嫌になることもあるでしょうし、ユイカさんに奴隷として買ってもらってたすけてもらって、ついて行きたいという気持ちになっているかもしれない。ですからあなたが決めてください。もしユイカさんたちと一緒に行きたいというのであれば止めません。国のために私の命をこれからも削っていきましょう。しかし王になられるというお覚悟があるのでしたら、どうぞ私についてきてください。あなたが国王となるための手助けを致します。もちろんこの返答は今すぐでなくて構いません。いつかあなたが心を決めた時に教えてください。その答えに私は責めることも反対することもありません。」
長い長いセリフをカリナにぶつけるダニエル。
カリナは目を瞑って聞いていた。
私としては、王家なら王家に、と思って買ったのでできたら王様になってくれたらいいなぁという思いではあるのだが…
「ダニエルさん、ありがとうございます。ユイカさんも、本当にありがとうございます。ダニエルさん。答えはもう出ています。私が王家であるとわかった上で購入し、奴隷から解放してくれたユイカさんの気持ちも、苦しむ中私だけを生かして国を任せようとしてくれたお父様、お母様、お姉様達の気持ちも汲んで選択しなければなりません。私はこの国の王になります。」
カリナは王になる道をとった。その目は強い意志に彩られ、この選択を覚悟を持ってしたことを容易に伝えてくれた。
「カリナ様…ありがとうございます。ユイカさんもそれでいいだろうか?すまない、こちらで話を進めてしまって。」
「今更何言ってるのよ。私、カリナを奴隷としてじゃなく、王家の人間として見て買ったのよ。私としてもこれが本意だわ。」
私は手をひらひらさせて答えた。これで国も安定するだろうし、そうすれば後腐れ無く冒険に行けるようになる。実質私のためだ。
「カリナ。あなたとはあまり長い付き合いではなかったけど、あなたが真面目で誠実なのは伝わってるわ。あなたならきっといい女王様になれる。頑張ってね!」
私は笑顔をカリナに向けた。カリナは真剣な表情で頷く。
「それではカリナ様。このあと今の王様と話すこともできますが…今日はお疲れでしょう?」
「いえ、すぐに行きましょう。すぐに女王になれなくても問題を一緒に考えたりアドバイスを送ったりはできるはずです。彼からしたら急に出てきた女子供ですからなんとか信頼をかちとらないと、国を愛する今の王家には認めていただけませんから…」
「わかりました。それではユイカさん、ほかの皆さんも、お先に失礼致します。お騒がせ致しました。」
ワタワタと準備を済ませ、ダニエルとカリナは揃っておじぎをしてゲストから出ていった。




