23:奴隷達の解放
いつもよりだいぶ長くなりました…
多少読みづらいかも知れませんがよろしくお願いします!
「…?どうした?急に黙り込んで。」
神界から戻ってきた反動で少し固まってしまった私を見てダニエルが聞いてきた。
「あっ、いえすみません。ちょっとぼーっとしちゃって。」
なんとなくだが、今神界に行ってきたことは話さない方がいい気がした。神に会えることを知ったら何か頼まれるかもしれない。そんなのは面倒だし、何度も会いたくない。
「えっと、もしかしたら魔王が復活するとか、魔族の侵攻があるとかじゃないですか?詳しいことあんまり聞けなかったんですけど…」
「ま、魔王が復活…?まさか…ありえないだろう、過去の文献にもこんなに早く復活する例などないぞ?」
「まさかですよね…」
私たちは冗談として一笑に付した。
神様の話じゃ復活を止めても復活してから止めてもいいのだから、後者の方が楽だろう。復活する前に止めるにしたってみんなを説得するの面倒だし。
「まぁ、そういうわけで、私は君のおじいさんと友人で、君がもしかしたら知り合いではないか、と思って話をしたわけだ。あまり今の世界で得ても意味の無い情報だったかもしれないが、すまないな。」
「いえいえ、知れてよかったです。ところで、少し聞きたいことがあるんですけど…」
「ん、なんだね?」
「実は、今日奴隷を買ってきたんですよ。」
「む…そうか、まあなにかにつけて便利だからな、奴隷は。私はあまり快く思わんが、大切に扱ってやるといい。」
「あ、もちろん大切にはしますよ。それで、奴隷って隷属の首輪付いてるじゃないですか。それ外してあげたくて…」
「ほぅ…いい心意気ではあるが、それが危険だということは知っているだろう?なぜ外そうとする?」
「さっき言ったもう一人の転生者。ドジって私たちと会う前に奴隷になっちゃって…」
「…はぁ?どうしてそうなった…」
「さぁ…?でも何とか外してやらないとこれから不便じゃないですか。だから解呪持ちの人を探してて…心当たりないですか?」
「ふっ、心当たりも何も、私こそがこの国唯一の解呪使いだ。」
相当なドヤ顔でダニエルが言い放った。
私とシノは流れでおぉーと言いながら拍手する。
「MP消費は少し多いが私なら5人までなら解呪できるぞ。」
「それは助かります!り、料金は…」
「まさか。料金など取りはせんよ。時間をくれたお礼だ。一人くらい無料で解呪してやるとも。」
「あ、ありがとうございます!で、でも、解呪して欲しいの三人なんですけど…」
「まさか奴隷を三人も買ったのか!?よ、よくお金が集まったな…」
「魔物狩ってたら結構たまりましてね…」
「ま、まぁいいさ。一人も三人も変わらん。」
「太っ腹ですね…じゃあ、上行って呼んできますね」
私は席を立ち、食べ終わったペペロンチーノの皿を洗い場に持っていき、そのまま2階へとのぼった。
そして、私の部屋に入ると、下着姿で乃愛に抱きつく瑠璃香、乃愛に抱きつかれ、その豊満な乳の圧力で窒息しそうになっているマリナ。そして目を白黒させて、状況を理解出来ずにベッドに座るカリナの姿があった。
私は頭を抱えて呟いた
「どうしたらこうなるのよ…」
────────瑠璃香side────────
昼営業直前。
瑠璃香は2階の唯香の部屋に入り、二人をベッドに寝かせた。
「あ゛〜重かった…」
そしてすぐに部屋を出てシノの部屋へ。
シノの部屋は綺麗に整頓され、クローゼットにたくさんの服が入っていた。瑠璃香はその中からサイズがおおきめな白のパーカーと白のTシャツ、そして白のショートパンツを見つけ出し、すぐに唯香の部屋に戻り、服を全部脱いでタオルで体中をしっかり拭いた。
「下着…どうしよう…」
体が綺麗になり、落ち着いたところでびしょびしょになったショーツとブラを前に、瑠璃香は悩んでいた。両方スポーツ用なので水分の吸収はいいのだが、かなり汗を吸い込んでしまっており、着用したら絶対に気持ち悪い。かと言って知ったばかりの女性の下着をつけるのもよろしくないだろう。唯香のを勝手につけたら絶対に殺される。乃愛も同じだ。素っ裸でウンウン唸っていると、奴隷の片方、体の大きい方の少女がベッドから起き上がった。
「んう…ん?ここは…?え?え?」
少女は周りを見渡し、瑠璃香の姿を見て混乱した。
瑠璃香は起き上がった少女の方を見て声をかけた。
「あ、おはよう。体調悪くない?大丈夫?」
「あの…それよりもなんであなたは素っ裸なんですか…?」
「いやぁ〜さっき走ってここまで来た時汗でびしょびしょになっちゃってね?下着以外の着替えはあるんだけど下着類が変えがなくてねぇ…」
「え、奴隷商人さんが洗濯もさせてくれたじゃないですか。その時にしなかったんですか?」
瑠璃香は渋い顔をして答える。
「じ、実はこのワンセットしか服なくって…洗濯できなかったんだよ…」
「えっ、きったな…あっごめんなさい口が滑って…!」
「いいのよ事実なんだから…私は汚い女…体も心も服までも…」
ヨヨヨ…と服の袖で涙を拭くポーズをとる瑠璃香。果たしてその姿は素っ裸なのでとても見ていられる姿ではない。
「あ…そですか…」
少女も流石に瑠璃香に対して呆れを隠せなくなった。ついでにその姿にも慣れてきてしまった。
「それでさ、何とかできないかなーって。なんか特別能力とかない?」
「わ、私はなにも…この子はどうかわかんないですけど、寝てるみたいですし…」
「そっか〜そうだよね〜」
瑠璃香は呟きながらステータスを確認した
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名前:天城瑠璃香
性別:♀
年齢:15歳
Lv:64
経験値:75%
体力:75 63up
MP:83 58up
物攻:53 48up
魔攻:83 58up
物防:57 52up
魔防:75 50up
器用さ:68 63up
速さ:92 75up
幸運:75
所持スキル
言語理解
全属性魔法対応
身体強化Lv6 4up
自己再生Lv2 1up
完全記憶Lv1
交渉Lv20
隠密Lv16 1up
欺瞞Lv20
話術Lv20
読心Lv10
拳銃Lv8 new!
調教Lv1 new!
魔法
光・治癒Lv1
土・制作Lv1 new!
装備:なし
武器:拳銃
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「うっわすっごい増えてる!」
瑠璃香は驚いて声を上げた。
先程の戦闘の成果だろう、レベルがかなり上がった。さらにスキルも増え、そのレベルも上がり、新しい魔法も覚えた。
「私魔法使ってるつもり無かったんだけどなぁ〜♪」
瑠璃香は成長している自分の数値を見て、異世界を実感し、楽しんでいた。
しばらくは数値を見たり、長押しして能力の説明などを見ていたが、飽きたのかステータスを閉じ、ゴロンと寝転がり、拳銃を取り出した。
ちなみにまだ瑠璃香は素っ裸である。素っ裸の女性が拳銃をいじくっている姿はそれはそれは異質に見えることだろう。それを見ていた少女は驚き、言葉を失った。
恐怖に歪んだ少女の顔に気づき、瑠璃香はすぐに拳銃をしまった。
「ご、ごめんなさい。別に脅そうとしたとかじゃなくて、ちょっと触りたくて…そんなに怯えないで?可愛い顔が台無しだよ?」
文字通り生まれたままの姿で両手を上にあげ、敵対の意思はないと示しながら少女の座るベッドに近寄る瑠璃香。傍から見たら不気味な姿である。
「あ、あの…寄らないでください…なんでそんな格好で恥ずかしくないんですか…?」
「え?お風呂とかじゃすっぽんぽんじゃない。恥ずかしがる方が恥ずかしいよ。」
瑠璃香は何を言ってるの、という顔で答える。
「とりあえず居心地が悪いのでTシャツとパーカーだけでも着てください。その大きさなら下も隠れますよね!」
「まぁ、そうね。しょーがない、これで我慢しとこっか」
瑠璃香はようやくTシャツとパーカーを着た。
パーカーは太ももを半分覆い隠し、少女の言う通り下に対しても防御力の高いパーカーであった。
「これでどう?」
瑠璃香は立ち上がってTシャツとパーカーしか着用していない自らの姿を見せる。
「あー、はい。いいですよ。それでマシです。」
あきれたように少女が答える。
「そう言えば唯香と乃愛に買われた奴隷ってだけであなたのこと何も知らないわ。名前は?年齢は?どこ住み?ってかLINEやってる?」
「急になんですか…しかもLINEてなんですか…私はカリナ。カリナ…っああもうやっぱり言えない!もうイヤ!」
普通に名前を言っていた彼女、カリナが急に声を荒らげるのを見た瑠璃香は驚いた。
「え、なにどうしたの?」
「いえ、私、まだ名前続きがあるんですけど、呪いのせいで他人に伝えられなくて…」
「へぇ〜まぁ、言えないことなら仕方ないよ。どーせ唯香なら私たちを奴隷から解放してくれるし、その時その呪いも解けるんじゃない?」
「本当!?」
カリナは目を輝かせ、瑠璃香に詰め寄った。
「た、たぶんね…」
カリナの勢いに、瑠璃香は解放されなかったらどうしよう…と冷や汗をかく事になった。
「んぅ…?」
詰め寄るカリナの向こうで小さい方の少女が目を覚ました。
「…」
少女は起き上がり、半目であたりを見回した。
「だれ…?」
二人の姿を見つけ、半目のまま訊ねてくる。
「私は天城瑠璃香。今回あなたと同じ人に買われた奴隷だよ。」
「るりか…。みょうじもちって、ことは、きぞく?」
「いいえ。私は転生者。へましちゃって奴隷になっちゃったの。あなたはあの時寝てたのかしらね。」
「わかんない…そうかも…あなたは?」
少女はカリナを見る
「私はカリナ。そこのルリカとだいたい同じよ。転生者じゃないけれどね。」
「ん…そっか…。わたし、マリナ…ここからはなれたちいさいむらでたかくうられたの…かぞくのために…」
「そ、そっか…辛かったね…」
瑠璃香が優しく頭を撫でる。マリナはされるがままにしている。
「ところでルリカ…なんでしたはいてないの…?」
マリナに指摘された瑠璃香は、何故か顔を真っ赤にした。
「あ、あれ?なんか小さい子に指摘されるとめちゃくちゃ恥ずかしい!じつはね、下着の替えがなくて、汚れが落とせなくて困ってるんだ…」
「それなら…わたし、べんりなまほうつかえるから…きれいにできるよ…」
「本当?おねがいします!この下着綺麗にしてください!」
瑠璃香は汗でびしょびしょになった下着をマリナの前に捧げる。
マリナは手をかざし「ライフサポ-ティング…」と呟いた。
下着に光が降り注ぎ、持っていた瑠璃香が不自然に感じるくらいに下着は乾き綺麗になった。
光が収まると、マリナはそのまま前に倒れ込んできた。
「えっ、マリナちゃん!?」
瑠璃香が下着を持ったまま支えた。
カリナがマリナの口元と首に手を当て、呼吸と血の流れをみた。
「ふぅ、ただのMP不足ですね。寝かせとけば元気になります。」
「そ、それは良かった…」
瑠璃香はマリナを抱き抱え、ベッドに寝かせた。
そして下着を着けた。
「すっごい!なんか、着ただけで気持ちいいんだけど!?」
「え、そんなレベル…?」
「こ、この魔法マジで凄い…!唯香ほんとにいい買い物したよ…!」
しばらくこの魔法の凄さと下着の着心地について話していた瑠璃香だったが、同じ話を堂々巡りしているうちにカリナがうつらうつらし始めたため、カリナをまた抱き抱え、マリナの隣に寝かせた。
自らは下着のままでベッドを背もたれにして足を伸ばして座り、スマホをいじり始めた。
そのうちに瑠璃香にまでも眠気が来て、スマホを持ったまま寝落ちしてしまったのだった。




