21:続 三人目の購入
男の処理を忘れていたので修正しました。(2018/04/22)
北の森から国に帰る道中、商人になぜ北の森にいたのかを尋ねた。
「実は、奴隷を求めている人がこの森の中枢にいる、という話を聞いて、奴隷達のアピールをしようと…」
「この森が危険だって知らなかったんてすか?聞いた話だと最近さらに活発化してるって…」
「その情報と同時に森の魔物は全部討伐されたという話もありましてね…」
「偽情報掴まされたんですね…奴隷を求めている人も?」
「ええ、いませんでした。いたのは凶暴な恐竜型の魔物と人型の魔物、そして後ろで転がっている彼だけです…」
後ろには麻縄で手足を縛られ、気を失っている男がいる。なんとも情けない状態だが、さきほど軽く解析してみたらレベルは40に到達していた。見た目は若く、20代前半に見えるのできっとかなり優秀な人なのだろう。まぁ瑠璃香に軽くのされてはいたのだが。
「彼が首謀者なんでしょうね。瑠璃香との話は聞こえてましたけど、かなり計画性を持ってあなた達を貶めようとしていたようですし。」
「ええ…いったい何のために…」
商人は全く検討もついていないようだが、この奴隷の中に王家の人間がいると知っている私は検討がついてしまう。
大方、王家の人間がもし奴隷から解放でもされて、国政に復帰などされたら困る者達による暗殺だろう。
きっと彼らは何らかの手段で私がその子を買うことを知り、国政復帰を恐れたのだ。
「まぁ理由はともかく、命が無事でよかった。今日はこのあとバイトもあるので早いとこ買ってしまいたかったんです。」
「そうですかそうですか。それでは急いで国に戻らないといけませんね。」
「ちなみに奴隷解放ってどうすればいいんですかね?隷属の首輪の外し方は?」
「これは光魔法の解呪によって外れます。ただ、私は魔法適性がないようで、奴隷解放のサービスは承っていません。私としてはほかの奴隷商よりもなるべく待遇はよくしているつもりですが、やはり劣悪な環境には変わりありませんからね。恨まれて解呪した瞬間に襲われるなんてことがあるかもしれませんから。」
「なるほど。確かにそれは嫌ですね。」
「ですから申し訳ありませんが、ご自分か、お知り合いに頼んでいただければ外すことが出来るかと思います。」
「わかりました。教えていただきありがとうございます」
「それにしてもお客様は前回と違って随分と下手に出られていますね。私、職業柄横柄な態度の客ばかり受けていましたので、少し照れてしまいます。」
「まぁ私にも人の心がありますから。命の危機があった人に威圧的な態度とったところでいいことないですし、今後ももしかしたらお付き合いさせていただくことがあるかもしれないので。仲良くしてくださいね。」
「それはそれは、ありがとうございます。私も丁寧に対応してきたかいがありましたよ。」
このあとは普通に雑談をしながら暇な馬車での時間を潰し、ドリス王国に帰っていった
「それでは3人で、金貨8枚銀貨50枚です。」
北門をくぐり、門番に男を引き渡した私たちは、奴隷をすぐに購入することにした。そのまま馬車で帰るのもなしではないのだが、商人としてはもう売れる見込みがないこの国からは移動したい気持ちがあり、私たちとしては馬車より走った方が早く帰れるので早く買ってしまいたいという気持ちがある。相談の末、すぐに購入しようという流れになったのだ。
私は銀貨850枚を実体化し、袋に入れて手渡した。
「全部銀貨で申し訳ないんですけど、ちゃんと850枚あります。不安なら確認終わるまで待ってもいいですけど…」
「いえ、いいですよ。ちゃんとメニューの所持金欄から850枚消えているでしょう?それならば問題ありません。今後ともよろしくお願いします。」
所持金を見ると
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所持金 銀貨 170枚
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とまあたっぷり減っている。
これが十分に証明となるのだろう。
私たちと商人は感謝の言葉と手を交わし、商人は北門から森を避けてドリス王国を出ていった。
「さて、乃愛。あなたはカリナちゃんをおぶりなさい。私はマリナちゃんおぶるから。全力で走って帰るわよ。今多分10時を結構すぎてると思うし、せめて昼営業には間に合わせるの。」
「りょ〜か〜い!」
「瑠璃香!走れるわね?さっさと立ちなさい!」
私は馬役をしてバテバテになっている瑠璃香にも声をかける。
「え、ええ?私は、おぶって、くれない、の?」
息も絶え絶えである。
だが彼女はチーターなのだ。体力はこの国の人並み以上なのは確実だし、さきほど魔物を倒していたのだからレベルも上がっているはずだ。
何よりか弱いJKであった私たちが一人で人を二人も走って運ぶなんて出来るはずがないし、出来てはいけないのだ。
女の子はか弱くあらねば。
「じゃ、行くわよ。瑠璃香、遅れないでついてきなさい」
「えぇぇぇぇ!?」
悲鳴をあげる瑠璃香を背に私たちは走りだした。もちろん、瑠璃香が遅れすぎないようにスピードを殺しつつだが。
しかし瑠璃香は思った以上に速かった。私たちが心配するほど遅れることはなく、むしろ追い付いてきた。
「なんだ、走れるじゃない。乃愛、スピード上げるわよ」
「りょ〜か〜い!」
なので私たちはスピードをさらに上げることにした。
流石に瑠璃香はおいつくことはできず、少しずつ離されていった。
私たちはスピードをあげたり下げたりして、瑠璃香が私たちを見失わないよう調整しつつ街を駆け抜け、飲食店ゲストへたどり着いた。店内からは美味しそうな匂いが漂ってくる。
「はい到着。およ、二人とも気絶しちゃってる…仕方ないわねぇ。はぁ、いい匂い。食べたいけど時間的に難しいかしらね」
「のあおなかすいた〜」
「乃愛は外でご飯食べる様子見せたらかなり客よってきそうね。シノに聞いてみよ…ん?あ、瑠璃香、お疲れ様」
私たちから少し遅れ、汗でびしょびしょの瑠璃香がフラフラとたどり着いた。
「ふっ、二人とも…は、はや…すぎ…ない…?」
息も絶え絶えである。
「こんなもんよ。ほら瑠璃香。このお店が私たちが居候してるお店だから、店長に挨拶!そのあと気絶してる奴隷二人を上の宿に寝かせてくる!あとあなたは体拭いて着替えなさい!着替えはシノに聞けばあると思うから!」
「うぇぇ…まだ、働かないといけないのね…」
「何を言っているの?私と乃愛これからバイトよ?働くのはむしろ私たち。楽な仕事させてあげてるんだから感謝しなさい?」
「う…唯香の鬼…」
瑠璃香はそう呟き、店内に入っていった。私達も奴隷二人をおぶったままそれに続く。
「おかえり〜。あ、友達ちゃんと買えたんだね〜。」
忙しそうに手を動かしつづけながらシノが声をかけてくれる。
「はじめまして!私は唯香と乃愛の友人で、何故か奴隷に成り下がってしまった天城瑠璃香です!よろしくお願いします!」
「は〜い!よろしく!」
「残りの二人は色々あって気絶しちゃってるから私の部屋に寝かせておくわ。瑠璃香の分の着替えが欲しいんだけどあるかしら?」
「うんあるある!私手離せないから私の部屋のクローゼットから勝手にとってっていいよ!」
「分かったわ。瑠璃香、2階に登って右奥がシノの部屋。その向かいが私の部屋だから、二人かかえて行って。タオルは私の部屋に二枚干してあるから好きなほう使って。営業中は下降りてこないように。」
「はーい…」
しょんぼりとした瑠璃香は二人を抱え、2階へと登っていった。
「それじゃ二人とももうすぐ営業開始時間だからいつもどおりよろしくね!」
「あ、シノ。乃愛に外でご飯たべさせたらめっちゃお客さんにいい影響来ると思うんだけど、どう?」
「なるほど…ありだね!ミートソースパスタつくるからなるべく時間かけて美味しそうに食べてね!」
「わかった〜!おかわりは〜?」
「ありでいいよ!はいどうぞパスタ!行っておいで!」
シノは恐ろしいスピードでパスタを仕上げ、乃愛には渡した。。
「わーい!いってくる〜♪」
乃愛が外に出る。それとほぼ同時に、営業開始時間になった。
さぁ、今日も頑張るぞい!
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