16:二回目の北の森
翌朝。
私たちは朝食を終え、昨日のように森で狩りを始めた。
人型が出てきた付近を早々に抜け、恐竜型と狼型を中心に、たまに猪型を狩っていく
朝は3時間程度しか時間がないので、昨日ほど稼ぐことは出来なかったが二人で狩った分効率よく稼ぐことが出来た。
「お疲れ、乃愛」
「ん〜♪」
「じゃ、稼いだ分のお金頂戴ね」
「ん!」
乃愛が回収したお金を預かり、私が回収したお金を合わせる。
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所持金 銀貨 734
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あっという間に溜まってしまった。今日中には稼ぎきれるだろう。
昼営業準備に間に合うようにゲストに帰ると、そこには話し込んでいる様子のアルト国家騎士団第一部隊長とシノの姿があった。
アルト隊長の様子は話し込んでいるというより、身を乗り出してすごい形相でシノに向かっているため、シノが怒られているようにも見える。
「ただいま。どうしたの?」
「あ、おかえり唯香ちゃん。ちょっとたすけて」
ナチュラルに助けを求められたが、その前にアルトさんがずんずんこっちに向かってくる。
「ユ、ユイカちゃん!君、ステータスを見せてくれないか!」
「え、い、いいですけど…?」
なにがなんだかわからないがとりあえずステータスを見せる
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名前:篠宮唯香
性別:♀
年齢:15歳
Lv:158
経験値:27%
体力:164 27up
MP:54 13up
物攻:147 20up
魔攻:54 13up
物防:70+20 15up
魔防:54+20 13up
器用さ:157 20up
速さ:173+5 23up
幸運:75
所持スキル
言語理解
全属性魔法対応
身体強化Lv6 1up
自己再生Lv1
予知Lv1
加速Lv7 効果UP(Lv8相当)
隠密Lv16 効果UP(Lv17相当)
暗殺Lv20
攻撃連鎖Lv4
解析Lv2
乱舞Lv4
効率化Lv5
威圧Lv1
猫目Lv4 1up
魔法
光・空間転移Lv2 1up
装備:制服・改
武器:小型サバイバルナイフ
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しっかりレベルが上がっているようだ。
何より注目すべきは魔法だろう。いつの間にかレベルが上がっている。惜しむべくは昨日の空間転移でレベルが上がったのか、今日の狩りでレベルが上がったのか分からないというところだが、これはおいおい知ることが出来るだろう。
私のステータスを見たアルトさんは驚愕の表情を浮かべている。
「き、君はいったいどうやってそんなレベルに…?」
「転生する時に神様にチートの能力みたいなの貰ったんですよ。」
「ち、ちーと?」
「んーなんて言うか、簡単に言えばずるなんですけど、持って生まれた力みたいな」
「な、なるほど…じゃあ、先程シノさんから聞いた話は本当なのだな…」
アルトさんは腕を組み、少し考え始める。
「シノから聞いた話って?」
「いやな、君たちが北の森に行って金を稼ぎに行ってるという話をな。今の北の森は気候変動の影響で魔物たちが活発になっていて、正直歴戦の冒険者や騎士じゃないと手をつけられない状況でな、そのレベルの者はこの国にはおらんのだよ…そんな中、転生者でいい人いないかと思ってここを訪ねたら、君たちが北の森に金稼ぎに行ってるなんていう信じられない話を聞かされて今に至るというわけだ。」
「あぁ、なるほど。ちなみにアルトさんのステータスってどのくらいなんですか?」
「私は騎士団隊長とはいえ、君と比べたら恥ずかしいレベルだ。」
謙遜しつつも見せてくれる
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名前:アルト
性別:♂
年齢:45歳
Lv:74
経験値:55%
体力:84
MP:31
物攻:75
魔攻:35
物防:55
魔防:34
器用さ:52
速さ:63
幸運:40
所持スキル
剣技Lv7
礼儀作法Lv1
家事Lv1
魔法
なし
装備:騎士団の鎧
武器:騎士団の剣
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「レベル74…やっぱりすごいですね。チートとかもなしにここまで上げるなんて…」
「この程度、騎士団をずっとやっていれば自然となるレベルだ。なんの誉れにもならん…まぁ、騎士団に入った当初は天狗になっていた時期もあったのだがな。」
アルトさんは少しはにかんだような表情を浮べながら言う。
「これくらいのレベルなら初めて会った時の魔物の掃討も楽にできたんじゃないですか?あの時は随分苦戦しているようでしたけど…」
「ああ、数体ならなんてことは無かっただろうが、あの時は数十体が一気に押し寄せていたからな…正直スキルも少ない私達だけでは国への侵入を防げこそすれ、被害は大きかっただろうな。君が来てくれて本当に助かった。」
「あ、スキルか…」
私と比べて、アルトさんのスキルの数は圧倒的な差がある。剣技というスキルが7までレベルが上がっていても、流石に五十体以上の魔物を相手にしては厳しいのだろう。
「さて、君のレベルを見て話を聞いて、ひとつ頼みたいことがあるのだがいいかね?」
急にアルトさんの表情が真面目なものになる。
「な、なんです?」
「今日の昼過ぎから騎士団全部隊による北の森の魔物掃討作戦がある。それに一緒に参加してほしいんだ。このあと時間はあるかね?」
まさか誘われるとは思わなかった。聞いている限りでは、確かに私たちの方がアルトさんよりも実力は上だろう。
だが私たちは暗殺に秀でているだけであって、掃討作戦に参加できるほどかと言われると微妙なところである。相手と対峙しての戦闘は数える程しかしたことがないのだ。逃げて隠れて後ろから、が合言葉になるくらいなのだ。相手に対峙することなどめったにない。
「私たちが出来るのって暗殺だけですよ?相手と対峙するのは正直難しいと思いますけど…」
「君たちは隠れながらでもいい。私たちが進む影から魔物を切り伏せてくれ。」
騎士団が壁になってくれるならば私たちは確かに戦いやすい。だが、兵士たちは大丈夫なのだろうか。
悩む様子を見せる私を見てアルトさんが明るく言った
「兵達のことなら大丈夫だ。これでもこの国で一番戦える者達。今までも幾度となく魔物を退治してきたのだからな。」
私はアルトさんのその自信を持った表情を信じ、この任務を引き受けることにした。




