1:初めての転生
なんとなく始めてみました
クトゥルフ神話TRPGで使っているキャラを元の設定そのままに異世界に飛ばしたらどうなるかなーっていう妄想の形です。
なろうの使い方も慣れてないので変なところとか修正とか沢山ありますがよろしくお願いします。
「死ねっ!」
包丁が私の胸に向かって突き出される
私は当たる直前にかわし、突き出された包丁を蹴り上げた
――ガキン!
包丁が硬いコンクリートの床におちる
「ぐっ...!」
私の目の前の女性は震えながら睨み付けてくる
私は無表情で彼女を見据えていた
「あなた...いったい何なの!?タダの人間じゃないでしょう!?」
「...」
私は、懐からおもむろに小型にしたサバイバルナイフを取り出す
「まっ、まさか...!」
「...おやすみなさい」
私は素早く震えている彼女の後ろに回り込み、首を深く切った
女性は力なく倒れ込んだ
ナイフについている血の範囲を見た限り、確実に頚動脈に届いている
しばらくすれば彼女の命は燃え尽きるだろう
苦しそうに呻く彼女を置いて、私は家路についた
目が覚めると、目の前には私が知っている天井がなかった
...本当に天井がなかった
「え...え...?」
見渡す限り青天井
まわりを見回しても同じような景色が見えるだけであった
下をみると、床もなかった。だが落ちるような感覚はない
座っている格好で浮いているような感覚である
「ここ、ど、こ?」
状況が全く理解出来ず、ほうけていると、後ろから声がかけられた
「お嬢さん、こっちに来なさい」
振り向くと、そこにはイケメンが立っていた
歳は20くらいだろうか、だいぶ若い。
誰...?イケメンだからなのか目を合わせづらい
「いやぁそんなに褒めないでよ」
彼はニコニコと笑顔で私の思考を読み取ってきた
「僕はただの神だよ。唯一神ってやつだね」
「神...?何を馬鹿なことを...」
「んー信じてくれない?じゃあこれでどうよ!」
男が指を鳴らすと突然彼の体が輝き出した
その瞬間、私は本当に彼の方に目を向けることが出来なかった
「な、なに、これ...」
また指を鳴らす音が聞こえた。その瞬間に彼を包んでいた光が消え去り、私も彼を見ることができるようになっていた
「これでどう?」
「...それで神様、ここはどこですか。なんで私が神に会ってるんですか」
「信じてくれたなら良かった!ここは僕の世界、神界さ」
「神界?」
全く聞いたことがない
「聞いたことがないのも当たり前、誰も知らないよ」
じゃあなんで私はここにいる
「そりゃあ君が死んだからだよ」
...は?
脳がついていかない
病気はしてない健康体だしこれまでの殺しで足がつくようなへまもしていない
「君の死因は不明...と言うよりまず存在自体なくなってる。その方が都合がいいしね」
さらに頭が混乱する
何が何だかさっぱりわからない
「さて、君を消してここに呼んだ理由なんだが...ん?寝ようとしているのかい?」
私は目をつぶり眠ろうとしていた
どう考えても夢だ
現実の私、目覚めろ
「諦めなさいな。これ夢じゃないから」
一向に眠気は来ないし頬をつねると痛い
確実にこれは夢じゃないとわかった
「さて、分かってもらったところで、説明しようか、ここに君を呼び出した理由を...」
早いとこ元の世界に戻してくれると助かるし、理由もなるべく短く頼みたい
「注文多いなぁ。でもとりあえず元の世界は戻れないよ。」
神様の軽い一言に私は絶句した。仕事も仲間も大切な兄すら残してきてしまった…
「悪いね。でも君の関係者を悪いようにはしないよ。安心して。」
信用ならない。脅迫して確実にしたいところだが…
そんな思いに反して近くに私の相棒は見当たらない。
「物騒なことしないでよ?まぁできないけどね」
掌で転がされている感じでなんか嫌な気分になってきた。はやくここから出たい。
「理由説明して納得してもらったらすぐに異世界に下ろすつもりだったのに、君が話を逸らすからだぞ!」
神様は頬を膨らませて怒ったようにしているが、何も怖くないしむしろイケメンな分可愛くさえ見えてしまう。
「…褒めてくれるのは嬉しいけど、そろそろ理由を説明するね?」
短くしてくれ。早くここから出たい。
「えっと、君には転生して、ある世界を救ってもらおうと思ってる。簡単に言えば勇者様になってほしいというわけでね。」
勇者とか私がやってたことと真逆でむしろ笑えてくる
「まぁ君に選択肢はないから申し訳ないんだけど、勇者になるならないは置いておいて、転生済ませようか。」
神様はそう言うと私に手をかざした。そしてあっという間に意識が刈り取られ、次に目が覚めた時、そこはどこか見たことのない世界になっていた。