最終話 夕立ウェディング。
最終話 夕立ウェディング。
春がなくなった次の日から
すぐに誠の容態が悪化していた。
誠の両親が駆け付けるとそこには、
呼吸器や点滴…数々の機器に繋がれた誠の姿があった。
「ま…こと…」
何も言葉に表せなかった。
このときすでに、誠の意識はゼロに近かった。
遠くで誰かの声と、
窓ガラスに何かがあたる音。
あぁ、いっそ早く死んで一秒でも早く春のところにいきたい。
そんなことしか、今の彼には考えられなかった。
「あ、親御さんですか?」
「先生っ!!誠はどうなるんですか?!」
母と先生の話が聞こえる。
もごもごと何か言っているが、耳がよく聴こえない。
ザァー…………
あぁ、今日は雨のようだな。
雷の音らしきものもきこえる気がする。
あぁ…懐かしいな。
誠はふと昔のことを思い出した。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
誠には小さいころから仲の良かった女の子がいた。
その子は同級生ではなく、〝20〟ぐらい離れているおねぇちゃん的存在の人だった。
どこにいくのもその娘と一緒で手をつないで出かけていた。
「ねぇ!・・・ちゃん!今日はどこいくの~?」
「んー?今日はね!…」
そこで記憶が途切れた。
一緒にいた娘の名前がどうしても思い出せなかった。
あの娘の名前はなんだっけ…
あれ、あのときどこにいったんだっけ…?
「先生、誠はいつから悪いのですか?」
「えぇ、それが、昨日までは安定していたのですが、
その…交際していた彼女がなくなってから…」
医者は春の話をしているようだった。
動けるものなら、今すぐ医者を殴ってやりたかった。
誠には春のせいで…とっているようにしか聞こえなかった。
「その彼女の名前は…?この隣にあるベッドの…?」
「はい…」
「ねぇ、あなた、もしかして…」
「あぁ…こんな偶然あっていいのだろうか…」
なんの話をしてるのかさっぱりわからなかった。
偶然?なんのことだ。
春はなんなんだよ。
「新野 春ちゃんは、わたくし達の隣人の娘さんでして…幼きころ、よく手をつないで遊んでいました」
と父は驚きを隠せないような感じだった。
誠もびっくりした。
そして、夢によく出てくる少女の正体がわかった。
春…ありえない…
隣人?全然覚えてない…。
でも確かに覚えているのは、あの優しい声と暖かい手…。
あぁ、思い出した、あの夢の続き。
僕が読んでいたのは春の名前で、
あのあと、夕立で土砂降りの雨の中を二人で鬼ごっこしたんだった。
そうか…春。
僕たちやっぱり運命だったんだよ。
最高にうれしいよ。こんなにもうれしい出来事は初めてに過ぎないかもしれないよ。
ピーーーーーーーーーーーーーーーーー…。
まるで終わりを告げるチャイムのように
ピーという音とともに、誠は17歳と若くして死を迎えた。
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「やぁ春!元気だった?」
「うん!もちろん!来るの早すぎない?」
「それはきっと気のせいだよ…w
それより、こんどこそ、幸せになろうな春。」
「うん!大好き!」
「俺は…愛してるから///」
「俺とか似合わないよ???笑」
「うるせーよっ!!」
「きゃははっ」
夕立の街の空の上では、盛大に結婚式が挙げられていた。
透き通るかのように白いウエディングドレスに
細く白い肌。
ふわふわとしたじゅうたんを嬉しそうにわたる春の姿が浮かぶ。
2人はきっと今ごろ、幸せだろう。
「「幸せ」」
永遠という言葉はないかもしれないけども、
不可能という言葉も使うとはいいきれないよね。
夕立は結婚式の合図。
happy wedding...✧
最終話いかがだったでしょうか(´;ω;`)
自分で思うのが、
終わるの早い。あとは内容の構成がしっかりなっていないとおもいました…
ぐだぐだなエンディングになってしまって申し訳ないです(´;ω;`)
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次回作もよろしくお願いいたします!