1話 特別な存在。
脳の癌と宣告され
余命2年半短くて1年と言われた主人公、誠
正直生きるのもだるく。早く死にたいと思っていた
しかし、突如現れた〝女性〟に…
余命2年半。そう告げられたのは
僕が高校1年のときのことだった。
治す薬が開発途中の脳の病気にかかってしまい、長くて2年半短くて1年と言われた。
医師に言われた言葉。
『余命の変化はあなたの気しだいですから。』
僕は夢も希望もなかった。
死ぬなら死ねばいいさ、ずっとそう思っていた。
でもある日、そんな僕の考えを変えてくれた人が現れたのだ。
1話 特別な存在。
人を好きになるというのは、僕にとってはできないことだった。
異性をそのような目でみることができなかった。
どんなに親しくなっても、
いつか自分の手で傷つけることをわかっているから。
僕は脳の病気で、そのときは軽い脳の炎症。それでおわっていた。
しかし脳が正常に動いていないため自分をうまくコントロールできなくなったりする
そのせいで、僕は過去に大事な人を失明させてしまった。
これは中学2年のときの話
空になったワイン瓶をかち割り、割れて鋭く尖った先で
彼女の目を思いっきり突いてしまったらしい。
らしいとはなんだと思うかもしれないが、
僕にはその時の記憶が全くといっていいほどない。
気づいたときには血まみれの彼女に馬乗りになっている僕がいた。
怖くなって、その場から逃げ出していた。
ただひたすら謝りながら、家まで走った。
そのとき付き合っていた女性は好きで付き合っていたわけではない。
彼女に脅されて付き合ったようなものだった。
僕は父母両方が大手企業の社長の息子として産まれた。
そのため、財産目当てで、僕に話しかけてくる女性が多かった。
付き合っていた女性もそうだった。
彼女は、付き合わないなら、
あることないこと学校に言って
僕に学校をやめさせるといってきた。
彼女はいいとこのお嬢様だが、そのような権力はないはずだったが、
あとあと面倒なことになるのは昔から嫌いだったから
付き合うことにした。
でも…その彼女に段々と耐えれなくなって、
リビングにあったワイン瓶を手にとり、彼女の頭を殴った…。
そのあとから記憶がなかった。
そんなことがあってから約2年がたった頃のこと。
僕は高校1年になっていたいた。
入学してそうそういろいろと大変な時期
そんなときに脳の癌と診断され、
末期で、もう手遅れだといわれた。
でも僕は特になんとも思わなかった。
死ねばいいんだ。僕なんて
夢も希望も取り柄もない僕なんて…
自殺未遂をなんどもしていた僕に
親は心配をし、窓一つない部屋に入れられた。
学校では、常に教師がついて歩いた。
ある日のこと、
いつも僕につくはずの教師がいなかった。
すると、別の教師が現れた。
「鈴野宮 誠君?」
急に名前を呼ばれてびくっとしてしまった。
「え。あ…はい、そうですが…?」
「私、新野 春。よろしくね!」
「あ、あの…」
おかしい、いつも担当をしてくれる教師は中桐だったはずなのに…
「あら?なにも聞いてないの?担当がかわったのよ~」
「え?中桐は?」
「中桐先生は足を痛めてね…歩けなくなってしまったのよ…」
「そうなんですね…」
実をいうと数日前ほどから、中桐はずっと足をさすっていた。
そのため、なんとなく検討はついていた。
「ねぇ誠君は恋とかしたことあるの?」
よりによってその話か、と思い
思わずため息が漏れてしまう。
女性という者はみんなこのようなものなのか…
「はぁ…いえ、ありませんよ。」
すると春は急に叫んでいった
「えぇ?!そんなイケメンなのに?!」
「はぁ?!」
僕は思わず声をあげてしまった。
イケメンだなんていままで一度も言われたことなかった
思わず赤面して、自分の頬をぺちぺちと何度か叩いた。
「えぇ!なんでなんで?!なにそれイケメン特有の!ってやつ?!」
「ち、違いますよ!!何言ってるんですか?!」
僕は動揺して口をパクパクさせてしまっていた。
春は僕の前にいきなり立ったかと思うと、
今度はいきなり頬をつねってきた。
「あだだだだ…っ!にゃ、にゃにすゆんでしゅかぁ!!!」
「う~ううん!なんかかわいいなーとおもって!ていっ!」
そういうと、つねってたとこをぴっと引っ張って離した
「いたたっ!!もう!だから痛いですってばぁ!!しかも!
なんなんですか!さっきからイケメンとかかわいいとか!!」
と誠は顔をさっきより赤らめていった。
「なによ~うれしいでしょて・れ・や・さ・んっ♪」
そういうと誠のほっぺをつんつんとした
「も、もう!やめてくださいよ~!」
「え~」
ふと気が付くと、そんな会話から始まった僕らの出会いから
約半年がたっていた…。
そんなある日のことだった。
「誠君~?いる?入るよ~」
僕は脳の病気が悪化し、再入院をしていた。
「あ、はる先生」
「春です!!!!!」
「先生怒んないでよ~」
「まったくもう!」
入院からやく3週間目になる。
春は忙しいのに2日1回は必ずお見舞いにきた。
春は僕の中で段々と特別な存在になっていった。
入院して1ヶ月になりかけたその頃だった。
「春先生...僕、もうダメかもしれない…」
僕がそうつぶやくと
春はガタンッっと大きな音をさせて
勢いよく立ち上がった。
「え...!!?どうして?!どうしてそんな事言うの?!」
春は誠をうるっと涙ぐんだ目で切れてしまいそうなほど唇を
噛みながらじっと見つめた。
そのとき、誠は自分のもつ感情に気付いた。
これはきっと僕がしてはいけないことなんだ...
わかってる...わかってるけど...!!
「春先生…」
誠はもう1度静かに春の名前を呼んだ
「ん...?」
グスンと鼻をすすりながら
静かに返事をした。
「僕、なんかね、いけない感情?もっちゃった、みたい...」
「イケナイカンジョウ?」
「うん...僕、春先生が...」
誠が話してる途中で春が口をはさんだ
「すき...」
「え...?」
「私...誠くんがすき...」
誠はきょとんとした。
驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。
「いや、先生のすきと…」
「恋愛として好きなの!!!!」
誠を遮って春は病室で叫んだ。
「本当に…心から、誠君がすきなのよぉ…」
そういうと、春は手で顔を覆うと
泣き崩れてしまった。
びっくりしてしまった。
今まで体験したことのない感情をもった自分と
となりで泣き叫ぶ、〝初めて好きになった女性〟
の返答に…。
頭のなかで何度も何度も春の言葉がリピートされる。
体の芯まで伝わってきたこの言葉は、僕にとって
忘れられないものになると確信した。
でも、春には伝えなければならないことがあった。
それは、誠の余命のことだった。
残されたき月日はあとわずか…
そんなことを考えていると、いろいろなことが脳裏をよぎった。
彼女を本当に幸せにできるのか、
僕と付き合うことで、彼女に余計な負担や悲しみを加えてしまうのではないだろうか。
それが一番心配だった。
そんな思いは胸にひっそりと潜ませ、ある決意をした。
〝絶対に春先生を幸せにするんだ。〟
その思いだけを、遠回しに伝えた。
泣きわめく春の頭を優しく撫で
「もう僕の彼女なんだから〝春〟でいいよね?」
春は口をポカーンと開けたあと、
嬉しそうにほほ笑んで
「うん!!!」と一言だけいうと
ベッドの上の僕をぎゅっと抱きしめ
「私、少しでも支えられるようにがんばるからね」
その言葉に、僕は思わず涙をこぼした。
彼女を支えられる自信は正直言って「ない」
でも、彼女といたら、もしかしたら、僕は死ななくても済むんじゃない?
そんなことを一人頭の中で考えながら、
僕は春をぎゅっと抱き寄せた。
「春の笑顔を守れるのは僕だけだから…ずっと大切にするよ。約束する…大好きだよ春」
「私も…大好き…誠君…」
最後まで、閲覧ありがとうございました(´;ω;`)
文章構成がまだまだへたっぴです(´;ω;`)ウゥゥ
前までは「ふわりん」で投稿させていただいておりましたふれあです(o_ _)o))
ふれあは偽名ですが、気軽にお声掛けくださいm(_ _"m)
よかったら、評価やコメントおまちしております|д゜)
更新ペースは遅めですが、読んでいただける方を大切にしたいとおもっています
よろしくお願いします!