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編まれゆく

すけあくろう

作者: 朝森雉乃

帽子は風に飛ばされた

日が昇って月が眠る

星がはしゃいで雲が休む

明日のつぼみが呼んでいる


カラスが自慢する翼

黒メノウのような輝きが

くっきりと滲ませる

この色は自由

とろけるような厳しさと

がんじがらめの優しさで

鳴く声はからかいの色

はやる帽子とうらはらに

畑に深く()した一本足


すけあくろう


カラスをおどかそうとして

その黒メノウに一目惚れ


これは失格の物語

英雄が旅に出ないような

悪者が改心しないような

聖女が祈りを忘れるような

笑ってしまう愉快な物語


広げた両手は止まり木になった

花が開いて草いきれがする

干し草が燃えて霜が下りる

勇気の種がこぼれていく


カラスが突き立てる爪

フォークのような鋭さが

はっきりとくぐもらせる

この音は自由

とぼけたような真面目さと

四角四面の間抜けさで

痛む心はくやしさの音

おどけたせいであきらめられない

ハロウィンのランタンとお菓子


すけあくろう


そのフォークにおどかされても


すけあくろう


その黒メノウにあこがれて


帽子を風に乗せ

広げた両手を止まり木に

つぼみから火の花が暖かく

種から火の光が広がる


一歩目の夜に知ったのは

二歩目の朝が来るということ

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