(2)組織形成をなくす~腕力反対
子供暴力組織形成の最大の契機は、腕力挨拶あるいは腕力ハラスメント、である。
これをいかに撲滅するか。
これが、急迫した喫緊の課題である。
腕力を使用する者への制裁が、安易にされている。
しかし、それは対症療法でしかない。
むしろ、いじめあるいはサンドバッグ行為を密告した者への、子供暴力組織からの報復が強まり、かえって激化する恐れもある。
腕力を使用した者は、なぜ腕力を使用したのか、その背景に迫ることが問題の根本的な解決につながる。
腕力を使う子供の家庭の多くは、腕力を家庭教育の基本に据えている。
親が子供をしつけるときに、腕力を使うのである。
子供は、幼いうちは理解が遅いので、つい大きな声で怒鳴ったり、腕力で力づくということが、便利なので、よく使われる。
親にとっては都合がいいが、子供に悪影響を及ぼしている。
殴られ続けることにより感覚が麻痺し、他人を殴ってもそれほど苦痛ではないのではと思ってしまう。
親が子供を支配するのに腕力を使うことから、他人を容易に支配できる方法として学習してしまう。
家庭教育の腕力指導を改めさせることが、必要である。
また、学校においても、一部の腕力教師による鉄拳指導がよく行われる。
家庭教育での腕力指導と、同じような結果をもたらしてしまう。
また、腕力指導をする教師の指導には従い、腕力指導をしない教師の指導には従わないという、学校全体の教育を損ねた事例もある。
子供たちの心に、腕力容認の雰囲気を生じさせ、結果、教師の指導を妨げたばかりか、子供暴力組織の活性化ももたらしてしまった。
日本では、世間一般に腕力容認の風潮がある。
特に封建的な環境が色濃く残る地方では、腕力指導をむしろ歓迎、奨励する傾向がある。
社会的に腕力の使用を許さない環境を作り上げる必要が、ある。
腕力反対意見を持つ教師や保護者が率先し、腕力反対運動を起こす必要がある。
学校の入学式の校門には、腕力反対スローガンを横断幕にして掲げるべきである。
腕力対策で最もしてはいけないのが、腕力を身につけよう指導である。
腕力再生産になり、本末転倒だからである。
腕力に負けない強靭な精神を鍛えることが、教育指導の内容である。
腕力に頼る指向の者が、学校で教育指導を受けないでそのまま卒業すると、その者たちにより社会が安心や平穏を脅かされる危険がある。
同僚や部下をいじめあるいはサンドバッグ行為をしたり、妻や子、親をいじめあるいはサンドバッグ行為をしたり、政治家となって国民をいじめあるいはサンドバッグ行為をしたり、するのである。
学校で問題を解決する必要がある。
腕力使用は、家庭や学校教師の腕力指導だけが原因ではない。
溜まった不満のはけ口としても、使われることが多い。
不満の内容は、様々である。
叱られた、いじめられた、貧しくて買えない、スマホを持てない、勉強したくない、遊びたい、モテたい。
こういった鬱憤から、腕力を使い、いじめあるいはサンドバッグ行為をするのである。
入学式当日から1週間が、腕力挨拶の危険がある期間である。
1年学年担任教師のみならず、全校的に対処する必要がある。
新人教師を1年に配属させるなど、よく行われるが、もってのほかである。
腕力に頼らない指導スキルのある、実直な経験豊富な教師集団が、1年を担当しなければならない。




