意外な展開の次鋒戦
ディスチャージ・デイズ第9話
早くも次鋒戦。八王子軍団のクポは、分倍河原が地元のヒョロヒョロとした長身男。アルフィーと菊池桃子をこよなく愛する平和主義者で、「これまでケンカなんてしたことがない」と言っていた。
対する都内連合の次鋒は初台のサワ。小柄ながら目つきが悪くて近寄りたくないタイプのヤバそうな不良といった風情だ。
「こりゃ連敗も覚悟だな」と八王子軍団の誰もが思ったが、意外やクポが健闘する。
というか体格差がありすぎて、サワのパンチがほとんどクボに届かないのだ。苦悶の表情を浮かべながら防戦一方のクポだったが、時間が経つにつれてサワの息が上がってくる。
当然だ、動いているのはほとんどがサワで、クボはほとんど棒立ちで適当にのらくら交わしているだけなんだもの。
ギャラリーからの情報によると、サワは超のつくヘビースモーカーらしい。「チャンスだ、クポ!」「やっちまえ!」と、やんややんやの八王子軍団。
大金星目前かと思われたが、まともにケンカをしたことが皆無のクポは、なかなか相手を殴れない。人を殴るのって勇気がいるよね。
そうこうしているうちにサワが膝に手をついてゼーゼー言い始めた。それでもビビって攻撃に転じようとしないクポ。
観客もダレてきて、どっちらけムードが漂い始める。結局、この勝負は引き分けということで矛を収めることになった。
「この手があったかぁ」と、ぼんやり考えていた俺。しかしながら八王子軍団の1敗1分となってしまった以上、次もダラダラと引き分けに持ち込んだりしたら、梶川や斉木に何をされるかわかったもんじゃない…。
憂鬱な面持ちでヨチヨチと中堅戦に臨む俺。どうなることやらである。