開戦間近
ディスチャージ・デイズ第7話
団体戦当日は梅雨入り直前でピーカンだった。下高井戸駅を北上して歩道橋を渡りきると公園が現れる。この公園は甲州街道に面しており、交通量の多さが怒号をかき消して、喧嘩をするにはおあつらえ向きなのだ。
高校生なんて暇人ばかりなので、噂を聞きつけたバカ男子が集結し、異様な雰囲気に。まあこんなに面白いイベント、なかなかないもんな~。
協議の結果、地域別に代表が出て勝負することになった。
八王子軍団=先鋒:佐藤“たっちゃん”達也(日野)/次鋒:窪内“クポ”雄太(府中)/中堅:コロスケ(立川)/副将:梶川(国分寺)/大将:斉木(八王子)
都内連合=先鋒:鈴木“スー”秀樹(足立)/次鋒:沢村“サワ”直人(渋谷)/中堅:六角“ロク”翔太(新宿)/副将・茂手木“ネギ”英太(世田谷)/大将:ジミー(杉並)
周囲の興奮をよそに俺は超冷めていた。だってさ。立川でも八王子でもないんだよ、ここ。杉並区の下高井戸だよ…。なんだかハイソな地名じゃんか。
うんざりしながら、男祭り状態の公園を眺めてため息をつく。梶川や斉木はワクワクしているのか、笑みが絶えない。反対に連合の5人はカタい面持ちのまま、先鋒戦が始まった。