夢世界
これはある少年が見たある日の夢だ
またこの夢か…
もううんざりしてくる
どうしてこんな夢ばかり…
俺が初めて「悪夢」を見たのは一か月前だ
その日は極度に疲れてた
課題をしてたらいつの間にか寝てしまってた
「ねえ、あそぼ」
え、
俺はあたりを見回す
俺の部屋じゃない
ここは一体どこだ
周りは草原だ
いや、花畑か
「ねえ、あそぼって」
少女がしつこくねだってくる
「お、お前は誰なんだよ」
俺は相手を振り払って聞いた
「え~、なんで?それ知りたいのぉ」
しつこい
俺は心の底から思った
「えーい!もうだまれだまれ!」
俺は絶叫した
「な、なに…私とは遊べないっていうの」
「そういうことだ」
俺はサラっと言う
「そんなひどい…ひどいわ」
そのとたん、目の前が真っ暗になった
そして再び光がつくと目の前に銃を持ったあの少女が
「ねぇ、遊んでよ…」
「い、いや、そこまですることないだろ…」
「遊ばないんだ」
少女はそれだけ言って俺を撃った
は!
目が覚めた
生きてる?生きてるよな
俺はまず自分が生きてるのを確認した
生きてる…
俺は安心した
疲れからかなこんな夢見たのは
俺はそういうことにした
…学校行かなきゃ
学校へと行く準備をして、学校へと行った
こんな夢など一生見ることない
これが間違いだった
一か月経った
不定期ではあるがいまだ「悪夢」をみる
そしてこの日も
部活が大変だった
それに授業も過酷だし
やる事すべてにかつてない疲労を感じる
これもあんな夢を見てしまったからなどと思いながら帰ってきた
課題など知らん
飯を食ってから寝た
ん?この風景…
俺はなんだか既視感を覚えた
ものすごくいやな予感
そして的中した
「また来てくれたんだね」
そこにはまた少女が居た
手には何も持ってない
「い、いや、別に望んできたわけじゃ…」
「あら、じゃあなぜここに」
少女は笑っていた
少なくとも顔は
目は笑ってない
俺を「撃ち殺す」前の目をしている
「寝てただけなんだ!」
俺は訴える
「でも、私と遊びたいんでしょ」
少女はにっこりと笑う
「そんなわけないだろ!」
「またそんなこと言うの」
少女の顔から笑みが消える
「頼む。寝かせてくれよ」
俺は懇願した
「…わかったわ」
少女はうなずいた
意外と物分かりの良い
俺は安堵の表情を浮かべた
「じゃ、さよなら」
少女は意味ありげな笑いと共に去って行った
そこで目が覚めた
ふう、やっと終わった
俺はベットから降りようとした
「おやすみなさい」
な…
俺が振り返る
すると夢に居たはずの少女が目の前に
「うふ…おやすみ」
ナイフが胸に刺される
「うぐ……」
「さよなら、そして永遠におやすみ」
少女が目の前から消える
な…なんなんだ…
意識が遠のく
あぁ…
俺の家族が俺がなかなか起きてこないことに違和感を持ち、俺の部屋に来た時俺は死んでいた
死因は心不全
だが、誰も知らない
俺の死には可憐な死神がかかわっていたことを
「次はどなたを眠りに誘いましょう」