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200文字小説集

不安が幸せに変わる瞬間(200文字小説)

作者: 日下部良介

このところ、彼女から連絡がない。

忙しいのは解っている。

それに、彼女には彼女の家庭があるのだから。


『忙しそうだね。落ち着いたら連絡して』

そんなメールをして既に1週間。


今日も彼女のことばかりを考えていた。

駅の改札を出ると、彼女が待っていた。

彼女は僕にウインクをして立ち去った。


僕は路地裏のバーに向かう。

いつもの席に彼女が居る。

「元気だった?」

彼女が笑う。

「まあね」

この瞬間、昨日までの不安が幸福に変わる。





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