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説明したいお年頃な1ページ目

誰だって、説明されないと解らない。

だから下手にでも、人は説明したがるんだよ。

そんな小説の1ページ目

部室の扉を開く。ノック?何それ美味しいの?


非常識だって?ねぇ、自分の家に入るのに態々ノックしたりインターホンを押したり……なんてする?僕だったらしないなぁ。いや、する人もいるかも知れないし、いたら悪いんだけど……それって『変人』だよね?まぁ、ここは部室なんだから自宅に入ることを例に挙げても、全く意味が無いんだけど。いやでも、時間潰し、そうだ!時間潰しという点では意味も在るのかも知れない。在るかも知れないってことは、同時に無いかも知れないってことなんだけどね。


まぁ、要するにどうでもいい戯言ってことだね!


真面目に聞いてくれた人は有難う。そしてごめん!こんなオチだ!

でも真面目に聞いてくれた人には、お礼として良いことを教えてあげるよ!

僕の話に耳を傾けたって『時間の無駄』そして、『労力の無駄』だから。


いやごめん。怒らないでくれよ、本当に、本当な、本当のことなんだから。

とりあえず話を戻そう。このまま意味無き戯言を言っていくのもいいけれど……生憎、僕だって話のネタが無限に湧き出てくる訳じゃあないしね。仕方が無い。え?無限に湧き出てきたら無限に話すのか?……ごめん、解らない。多分、気分次第なんじゃないか?その時が今後来たら解決するよ。来ることは無いだろうけどね。でも、一概に無いと言うのも少し『アレ』だから……『希望』!いや『夢』を持って、気長に待とうよ、気長に。


それよりも、だ。


部室に入ってきたんだから……この現代を生きる人だったらやることが、真先にやることが在るだろう。


「ということで、僕の大事な部員の皆!部長が来たよー」


「「……」」


それは勿論、挨拶だ。

来ていた部員の2人がこちらを見る、が挨拶は返してくれない。

でも、落ち込む必要性はない。ここの部員は皆変わり者でね、挨拶をしないっていうのはデフォルトなんだ。

それに、心が通じ合っていれば、言葉なんて必要ないよね!生きてく上では凄く大事だけど!ちゃんと明確な意思表示が出来ないやつは、一般社会に適応できずに破滅(バスター)してしまうけど!でも言葉なんて必要ないよね!


「あれ?というか、君達だけなの?」


「キャハ!違うよっ!あたしには見えるよ!この部屋には、あたし達の他に、まだ何人もいるよ!」


そう言ってきたのは、1人の見た目活発そうな女の子。運動してるところとか見たこと無いからどうとも言えないんだけどね。でも、部員が動いているところを見たことが無い……って言うのは、どうなんだろう?でも、運動部じゃないから仕方が無い!と無理矢理に受け入れようか……


それで、今の彼女の言葉から考えると……


「成程、君達だけなんだね!」


「キャハ!忘れてた!明日香、帰れ!」


「うん、今日も来たよ、部長だしね。まぁ今日も適当に時間潰しててよ!」


「やだ☆」


「宜しくね」


今の遣り取り……傍から見たら意味が解らないかも知れない。当然だ、話している僕だって会話が続いているのが不思議なくらいなんだ。


今話していた部員の彼女。名前は『虚島深丘(キョトウミク)』ちゃん。

結論から言っちゃうとね……深丘ちゃんは、『嘘吐き』なんだ。

しかも物凄く性質が悪い。大嘘吐きを通り越して、階級的には『超嘘吐き』って感じ。ごめん、それは言い過ぎかもしれない。だが言わせてくれ。許可貰わなくてもドンドン言うけど。

深丘ちゃんは基本的に、直ぐ解ってしまう様な、意味無き嘘しか吐かない。だけど嘘のネタバラシはしてくれないし、全ての言葉が嘘って訳じゃなくて、普通に真実も時々言うものだから余計に解り辛い。いや解れない。


それが彼女、『虚島深丘』なんだ。


「説明口調でごめん」


「キャハ!独り言とか、カッコイー!惚れちゃいそうだよ!」


「要するに『何、独り言とか言ってんの?キモッ』ってことだね」


どうやら、声に出してしまっていたようだ。気をつけよう。

それにしても、自分で翻訳したんだけど、結構傷ついたなぁ……


「……ハァ、ハッ、ハァッ……」


「どうしたの?息荒いよ、(ソラ)くん」


「お前、が……落ち、込ん、ハァッ……す、少し、落ち着いた……」


「成程!僕が落ち込んだからか!やったー疑問が解明出来て嬉しいよ!わーいわーい」


「ハッ、ハァッ、嬉し、い?……俺の近くで……喜ぶな、ハッ、てかっ、わざとだろ……」


「解っちゃった?」


「ハッ、ハァッ、フゥッ……くだらない精神病だな」


キリッ、とか擬音に付きそうな感じで息を整え取り繕う空くん。

彼も変わり者の1人だ。息が荒いってことは、体が弱い?いやいや、そんなくだらないものじゃあないよ。

彼は、彼、『興地空(コウチソラ)』くんは、感情が苦手なんだ。


良く解らない?ならもう一度言うよ。彼は『感情が苦手』、なんだ。


嬉しい、楽しい、哀しい、虚しい……

喜も怒も哀も楽も、友好関係も、恋愛感情も……


『興地空』にとっては、『精神病』でしかない、らしい。


僕から言わせて貰うと……いや、誰だってそう思うんだろうけどさ、そんな嫌悪感も、苦手だと感じることも、くだらないと呟くことも、精神病を語ることも、全て『感情』なんだけどね。

つまり、彼がここに『存在する(いる)』ことさえ……唯の『矛盾』なんだ。

でも僕はそれが悪いこととは思わないよ?


『矛盾』という言葉が、この世に、まだ言葉として成立している理由は、この世には『矛盾』でしか言い表せないものが多くあるからだ。


だから、彼がここに生きていても、地球は廻っている。


「ね?空くん」


「……何がだ」


「アハハハ!」


「クッ、笑うな……嫌がらせ、か……」


「いや、なんとなく」


「ハッ、ハァッ、ハァッ……精神病が……」


うん、まぁ僕はこうやって空くんで遊べるだけでいいや!


「キャハッ!大丈夫?空?」


「ハァッ、ハッ、笑うな……というか、その言葉は、心配してるのか、していないのか……どっちだ……」


「心配してるよッ!」


「クッ……心配?心配……心配心配心配心配?……そんな感情、精神病だ!黙れっ!」


「キャハッ!全く、空は静かだなー!」


仲良きことは美しきかな、だよね!


「ハァッ、ハァッ、仲良く、ねぇよ……」


「僕の心読まないでよ、空くん!」


全く、人の心を読むなんて、プライバシーの侵害だよね!いくら何でも、怒っていい一線って在ると思うんだよね。でも実は怒ってないけどさ。こんな微妙な場面で怒るほど、今時の若者の様にキレやすいなら、挨拶が返って来なかった時点で、怒り大爆発だよ!まぁ、高校生だけどさ。今時の若者だけどさ。でも、今時の若者だからって、怒りやすい訳じゃあないと思うんだよ。え?『矛盾』?……だからこの世にはそういうものが沢山在るんだよ!仕方の無いことなんだ。


無が在る。何も無い。そんな矛盾。

何も無いも矛盾でしょ。だって、そういう言葉が言える、ってことはその言葉を言っている自分が在るじゃん。清々しい程の屁理屈だけど。


「で?何時の間に空くんは超能力に目覚めたの?あ、もしその手のTV番組に出るんなら、芸能人のサインもらってきてね。ハンドパワーの人でお願い」


「いや、目覚めてねぇから……」


なんだ、詰まらない。詰まらないなぁ……知り合い、しかも部活仲間という近い知り合いに超能力者がいるって、結構自慢出来そうだと思ったんだけど……あ、でも僕友達少ないし、独り暮らしだし……特に自慢できる人いないなぁ。そう考えると空くんが超能力者でも僕にメリットがなぁ。


「あ、そうだ!ねぇ、僕が去年失くした財布探してよ!超能力で」


「だから、そんな能力ねぇよ……」


「キャハッ!ノンノンだよ!空は能力を既に手に入れている!」


「お前は黙れ。話が続かん。というか、こいつと話すことも特に無いが」


「えー酷いなぁ……僕、傷つくよ?メンタルは弱いほうなんだ」


「文句言うな……文句?不満?傷ついた?……クッ、ハァッ、ハァッ……うっ、俺、ちょっとトイレ行って来る……」


「キャハ!逝ってくる、でしょ?」


嘘か誠か、結構酷い台詞を深丘ちゃんが言っていたが、聞こえていないのか、それとも無視したのか、空くんは反応を見せずにトイレへと向かった。


「ん~……」


「どうしたの?深丘ちゃん」


空くんのことを心配しているのだろうか?言い過ぎたと反省しているとか?

いやいや、僕は何を非現実的なことを考えているんだ。彼女は虚島深丘ちゃんだぞ?他人の心配をするなんて、万が一、いや兆が一……京が一にも在り得ない事だろう。そんなことが在ったら、直ぐにでも明日は地球が滅びるんじゃないかと本気で心配するね。

と、もしかしたら僕も彼女並に酷いことを言っているかも知れないな……別に気にしないけどね。

だってそうだろう?

この世界で生きているなら、人として生きているなら……自らで、自らの考えを否定することがどんなに馬鹿らしいことか解る筈だ。解らなくてはいけない。解らなくても、日常に支障が出ることは無いだろうけど。


「そして、すっかり忘れて放置していたけど、どうしたの?」


僕はこれでも紳士だから、ずっと考え事をしている女の子を放置するなんてしないよ。間違っても、変態という名の紳士では無いから宜しく。Sでも無いから、放置プレイにも興味は無いしね。


それに何より……暇潰し出来そうだしね!不純な動機……では無いよね。疑問とか持ってるんだったら喜んで『解決』してあげるし。うん、純粋純粋。


「キャハッ!別に何でもあるよッ!」


「成程、つまり何でも無い!……え?何でも無いの?あんな意味有り気な溜息を吐いてたのに?」


「うんッ!何でも無い!」


「え?何か在るの?どっち?どっちか本当でどっちか嘘……だよね。え、どっち?」


「フゥッ……お腹いっぱい!」


「え?なんで突拍子も無く自分の空腹度の話になるの?」


というか、その言葉は嘘なの?ということは今、深丘ちゃんは凄くお腹が空いてるってことになるのか?えっとつまり……


「じゃあ……後で皆で、ファミレスでも行こうか?」


「いやいいよ。お腹空いてるもん」


「えっと、つまり……お腹空いてるけど、満腹で、何も無いけど、何かしらの疑問を抱えている……?」


いや待てよ?先程の「ん~……」って言うのはもしかしてお腹のことを考えていたのか?いや待って。もしかしたら、何か考えている様に見せかけていただけで、実は何も考えていなかったのかも……いやいや、待て。その裏の裏を読んで……



 ***



「ふぅっ……ハァッ、今、戻った……」


「え!?つまり深丘ちゃんは今ここに存在していないってこと!?」


「そうッ!あたしは偽者なんだー!」


「クッ、本物の深丘ちゃんをどこにやった!」


「え?あたしが本物だけど」


「なーんだ、そっか!」


「キャハッ!そうそう!」



「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」

「キャハハハハハハハハハハハハハハッッッ!!!」



「クッ、ハァッ……うっ、戻しそう……ってか、何やってんだ、お前ら……」


「やぁ、山田くん!こっちにおいでよ!」


「……いや、誰だよ」



今日も部室は平和が溢れていました。



「どこがだ」


「また心読まれた!?――」






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どうも、二回目です。

螺子人形と書きまして、ネジドールというものです。

説明回って在るじゃないですか。あれをやらないとね。うんうん。

あからさまでしたけど……そこら辺はご愛嬌。

それにしてもこの小説変な奴しか今のところいないね。フィクションですし。

感想とか指摘とか、くれたりすると全力で喜びます。批判だったら落ち込みます。そりゃもうアイスを道に落とした子供の様に。でも批判でもいいので募集です。

では、次のページで。

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