有か無かも解らない0ページ目
有とか無とか、そんなの笑える程に適当で。
特に言いたいことも無いけど……なんとなく喋りたい。
そんな小説の0ページ目
「ハァッ……」
僕は溜息を吐いた。いや唐突にごめん。
溜息は幸せが逃げるなんて言われたり、全体的にあまりいいイメージを持つ人は殆どいないだろう。
けど僕には逃げるほどの幸せがあるわけでもないし、勝手に出てしまうのだから仕方が無い。
それに溜息がそこまで悪いものとは思わない。
確かに近くで何度も聞こえるような溜息をされたら気分が悪くなるだろうけど、一人でする分にはいいんじゃないだろうか。
僕は溜息とは心を休ませる、落ち着かせる為のものだと思っている。
肉体的な『疲れ』などから、まぁ言い方は少し悪いかもしれないが……一旦逃げて、自分自身、そして周りのことや状況をしっかりと理解する。
一種の休憩、文章の読点のようなそんなものだと思う。
呆れなどから出る溜息だって勿論あるだろうが、それだって心を休ませたい、なんていう精神的な疲れなどからくるものだろう。
まぁ別に、悪いものではないんじゃないかと思うだけで、良いものだとは思わないが。
要するに、溜息の良し悪しなんて人それぞれであり、僕が何を言っても意味がないということだ。
もし全人類が溜息は『善だ!』とか『悪だ!』とか言ったって結局僕には関係のないことだろう。
普通は善でも悪でもないという人が大多数だろうけど……まぁ僕は普通、常識、なんていうものを考え、決められるほどの脳も人望もないのでやっぱりどうでもいいな。
と、ここまで全くもって意味のない話をしてからようやく、何故僕が溜息を吐いたのかなんて誰も興味がないであろうことの説明をしよう。
まぁ、先程の話よりは意味がある話になるかもしれない。それも人の捕らえ方次第なのは変わらない。
とりあえず自己紹介からすることにしよう。
自分のことを理解し、説明できるというのは当たり前のようで、社会では意外と、というか結構大切なことだ。
というか社会なんてものではその『当たり前』が基準となるんだから大切というのはそれこそ当たり前なんだけど。
基準、基礎は社会に出るというか生きていく為には絶対に必要になるものだ。
と、話が逸れた。
ごめん。話がよく逸れる、っていうのは僕の悪い癖でさ。癖っていうのは誰にでもあるものだけど……ってこのままじゃ今度は癖の話題になってしまいそうだ。その前に話を戻すことにしよう。
……で、何の話をしてたんだっけ?
あぁ、ごめん!冗談だよ。怒らないで!つまらない冗談だったことは分かってるけど、なんとなく言いたくなったんだ。他意は無い。
自己紹介をしようとしてたんだったよね。これだけ長々と話をしているのにまだ名前すら出していなかった。ごめん。
では、改めまして。
僕の名前は城野明日香。『私立茉木学園』という学校に通う……一般的には、高校二年生となる。
いや別に?一般的という言葉に意味はない。飛び級してまーす!とかそんな物語的なことはなーんもなく、現在17歳で独り暮らし。この年齢での独り暮らしは珍しいかもしれない……まぁそれ以外に自分に変わった点もあまりない、と思う、思いたいな。
一般的という言葉は本当になんとなく言っただけだ。あぁ、このなんとなく意味もない発言をしてしまうことも、僕の悪い癖だな。こう考えると、僕には悪い癖が多い気がするな……やはり普通ではないのかもしれない。
「どっちだよ!」というツッコミは……一応受け付けるよ。もし言いたい人がいたら、僕に伝えてくれ。まぁ態々そんな面倒なことをする人もいないとは思うけどさ。
それで、次は何を説明すべきだろう?もう終わりでいいかな?
いや、それをやると今までの話の意味が皆無になりそうなので止めて置こう。説明を続けたからといって、先程の話に意味が生まれることは別に無いが。実は伏線だったんだー!なんて予想外、でもないかもしれないが……そんな展開だったらまだ良かったのかもしれない。けどごめん。やはり意味など無いんだ。唯、なんとなく。そうなんとなく話したかっただけ……なんて表現が正しいのだろう。『正しい』、というよりは『いい』。そう、『それでいい』。その解釈でいい、なんて表現か?どちらでも構わないか。僕にも皆にも関係ないことだったな。ごめん。
なんか僕、謝ってばかりな気がする……これも悪い癖か。謝罪の有難味が減ってしまう。謝罪という行為の有難味とはなんなのかは別の問題として、だ。そのことについては……後ほど、個人的に解決しておこう。
そういえば……解決で思い出した!うん、思い出せた。
すっかり話が逸れてしまっていたけど、『溜息の理由』だったね。うんうん、いやごめん。実を言うと、本当に記憶から抜け落ちていた。まぁでも、ここで思い出せたことで、この先一生残るかもしれなかった、記憶の空白に再びピースを嵌めることが出来た。良かった良かった。
で、このままだとまた忘れてしまいそうだからもう説明するか。僕は回りくどく話す奴だってよく言われるけど、今日の今ばかりはしっかりと、はっきりと、端的に、淡々と、話していくことにしよう。
え?その表現が回りくどい?ごめん。悪気は……無かったとは言えない。
もしかしたら僕は実は悪気が在ってこんな話し方をしていたのかもね……
自分のことは自分が一番知っている。
知っているけど……自分のことは自分が一番解らないものだよ。
人間って不思議だね!僕はこの謎を解決したくて仕方がないよ!
でも僕はしない。何故か?それは謎の解決なんて出来るはずが無いからだ。
頭の良い人なら謎の『解明』はできるかもしれない。真実はいつもひとつ!なんて言っちゃったり、じっちゃんの名にかけちゃったりするかもね。
でも、謎の『解決』なんて出来ないんだよね……絶対に。
『絶対』。僕が物語の主人公だったら「絶対なんてこの世界にはない!」とか絶対が絶対にない、という矛盾だらけのいい台詞を言えたのかもしれない。
でも生憎僕は何もできない奴だから……言えないよね、そんな笑っちゃう様な台詞とか。
唯、解決出来ることもちゃんと在るよ。謎は無理でもね。それは……『疑問』だ。
難しい『謎』なんて、主人公や名探偵に推理させて『解明』すればいい。
それができたら、その物語はHAPPYENDだね。
唯、僕は疑問を考えて……解決したいんだよね。
その先に在るのが、BADENDだと解っていても。
謎は推理し、解明できる。
そして疑問は考えて……解決する。
僕はそう考えているんだよ。訳が解らないよね。僕も解らないからさ!
要するに、僕は考えるのが好きなだけ……なのかもね。
と、どうでもいいこと考えてる間に、目的地に辿り着いた。やったね、GAMEで言えば1面クリアだよ!でも、僕はGAMEが下手で……あの、超有名配管工兄弟のGAMEも1-3までしか行ったこと無いんだよね。あれ、目的地は話したっけ?忘れちゃった。それとも歩いてたことすら言ってなかったか?まぁ、別にいいよね。言っていても、そうでなくとも。
だって、ここでまた言えばいいんだから。
普通に言うと……唯、部活に来ただけだよ。
随分と引っ張ったけど、そんな大それたことじゃあなかったね、ごめん。
とりあえず、部活の説明でもしておこうか。
どんな目的なのかと言うとね……
「ハァッ……」
いや、ごめん。
少し疲れちゃってさ。
……え?あぁ、そうか、溜息の理由を言おう。
それは……なんとなくだよ。そう、なんとなく。
それ以外に理由が無いんだ。その『それ』も理由としては成立していないけど。
でも、なんとなくが理由にならないなんてことはないしね!
だから皆も面接で「志望動機はなんですか?」とか聞かれたら「なんとなくです!」と、言ってやろう。君が本当に優れた人間だったら入れると思うよ。
で、また長々と話してるけど……とりあえず、部室に入ろうか。部室の前で突っ立ってても変人にしか見えないし。
僕は右手で部室の扉を開く。左手を使うことは殆ど無いな……利き手は左なんだけど。でも、扉を開くときは、基本的に右手なんだよね。なんか、その方がしっくりくる……っていうか、そういうことってあるよね。無い?どうでもいい?そうだよね。
まぁ、部活の説明とかは、とりあえず、部室に入ってからにしようか――
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どうも、初投稿です。
螺子人形と書きまして、ネジドールというものです。
ここで言っちゃうと、この小説はここから面白くなる!なんてことは無い。
唯、意味不明なことを書いていくだけ……
宜しくお願いします。
感想とか指摘とか、くれたりすると全力で、そりゃもう子供の様に喜びまくります。
では、次のページで。