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悪感情のこと
空はうんざりするほど青かった。
その青は憂鬱で、その青を憎悪する。
つまり晴天は僕の敵だ。
なにもかもを鮮やかな輪郭のもとに曝け出し、あまつさえ色濃い影でさらに明確にさせる。
はっきりとしたものなんか嫌いだ。
なにもかもを明瞭に解明しなければ気がすまないなんて、そのほうがよほどどうにかしてる。
なにもかもが曖昧にぼやけた灰色の視界で、それでも空と海と街並の違いがふんわりとわかる、そういう蕩けた感覚が心地いい。
ああ──だから僕は曇天が好きなのだ。
空はうんざりするほど青かった。
その青は憂鬱で、その青を憎悪する。
つまり晴天は僕の敵だ。
なにもかもを鮮やかな輪郭のもとに曝け出し、あまつさえ色濃い影でさらに明確にさせる。
はっきりとしたものなんか嫌いだ。
なにもかもを明瞭に解明しなければ気がすまないなんて、そのほうがよほどどうにかしてる。
なにもかもが曖昧にぼやけた灰色の視界で、それでも空と海と街並の違いがふんわりとわかる、そういう蕩けた感覚が心地いい。
ああ──だから僕は曇天が好きなのだ。
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