状況による
三日。ゲイルのタイムリミットであり、ドスターの命の期限でもある。
ブラウンは写真をゲイルに手渡す。ゲイルは眉間にしわを寄せ写真に写るドスターの顔を見る。
「ドスターは仕事が無い間は繁華街にある自分の屋敷に閉じこもる。屋敷の警備は厳重、気付かれずに忍び込むのは不可能。分かっているとは思うが今回の件は同じ“ゴースト”の組織の者からだ。暗殺と気付かれるのは構わないが、他の組織によるものと解釈されるよう実行しなければならない」
「要は俺がやったとバレなきゃいいんだろ?」
「そうだな。お前はゴーストから多数仕事を受けている。やったのはゲイル、と知れれば多数の意味で問題が生じてくるからな」
ゲイルは少し口角を上げ、ブラウンを見る。面白い、そう彼は思っていた。一度ブラウンへ向けた視線は再び写真へと移る。
「屋敷への侵入は無理か。……まさかこの三日全て引き籠ってるなんて事はないよな?」
「それについてはもう調べはついている。ドスターが外へ出る機会は、三回ある」
「チャンスは三回か……、まあ回数は問題じゃないな」
そう、問題は状況だ。状況により獲物を仕留めるヤリ方は変わってくる。銃か、罠か、ナイフか。他にも道具、道具の使用方法など考えれば多種多様の方法が存在する。いかにして確実に仕留めるか、その方法の判断は、状況が肝となる。