ガキ
ブラウンが写真の人物はゴーストの幹部の一人、ドスター。そう、今回の要件は内部によるもの、従ってグレータウンにおける組織関係に支障がきす事がない。ゲイルに頼む要件が、ならではのものであるならばの話であるが。
ドスターについて簡単に説明したブラウン、ゲイルからの一応の確認が入る。
「そいつを始末するのか?」
「そうだ。だが少し面倒でな……。このドスターを今日から三日以内までに、との話だ。出来るか?」
「さあな。ここで決め付けるには情報が足りない」
「ほう、自身なしか」
「冗談もいい加減にしろよ。居所も分からない奴を三日以内に仕留められる訳ないだろ。俺は探偵じゃない、とっととそいつについて教えてくれ」
睨むゲイルに笑い見せるブラウン。
低音の声が効いたブラウンの笑い声に怒張したゲイルはカウンターを殴りつける。衝撃により空のカップが揺れる。だがブラウンの笑みは未だ消えない。
「ハッハッハ、まだガキだな」
そう事の述べたブラウンは、やれやれと軽く顔を横に振りため息をつく。ゲイルの癪に障る行動だが、彼はぐっと口を噛みしめこらえる。舌打ちをまた一つし腕を組む、気持ちを切り替える為の行動か。しかし彼の中の少年なる心が怒り示すのは消えないままであるのは表情から一目瞭然だ、それを見抜いているブラウンはまたもやれやれと首を振る。
ジョークの一つも覚えろゲイル。
ブラウンにはそう思えるほど未熟なのだろう、例え名の知れた殺し屋となった今でも、だ。