スカルキッズと練習
青春恋愛バンドモノストーリーです。
ドラムのツヨシの何気ない一言がきっかけで
ライバルのスカルキッズと練習をすることに!
あの事件後、改めてギターを手にしたアツシは…?
アツシ「よし!俺がボーカルにギターもやる!作詞作曲するから手伝ってくれ!大学祭までには間に合わせるから!」
タカシ「うん、僕らも力になるからね。」
ツヨシ「もちろん俺もだ。」
アツシ「俺は青春物が書きたい!」
ツヨシ「思ったんだけどさ。それなら、スズシたちと練習してみたらどうだろう?」
アツシ「え…?」
ツヨシ「スズシはお前をライバルとして見てくれてるよ。」
アツシ「何で分かるんだ?」
ツヨシ「俺、実はスズシとクラス一緒だから。よく喋るんだよね。」
ツヨシは幼馴染だけどクラスが違くて、スズシたちと同じクラスだったな…。
タカシ「そうなの?」
ツヨシ「急にギタリストもやってやる!ってなったのはきっとスズシが何か言ったおかげなんだろ。少しばかり話を聞いたよ。」
タカシ「はー、何か僕ばかり置いてけぼりだな。うん、スズシたちと練習しよう!僕は賛成だよ。」
アツシ「うん…分かった。」
ツヨシがスズシに話してくれたおかげで…
スズシたちのスカルキッズ3人と共同で練習することになった。
ヤスシ「よろしくな。ねつだまの皆さん。俺はヤスシ。」
キヨシ「キヨシだ。練習曲は童謡のこの曲で。まずは弾いてみせてよ。」
ねつだまの俺らはその童謡の曲を演奏してみる。
こうして音をみんなで一斉に鳴らしてみるのは実はそんなになかったのだが…
スズシ「はぁ…待った…お前たち、息が全然合ってない。」
大先輩の前じゃ緊張するなぁ…
今、マロンロマンが活動無期限休止している中、
大学で人気なのスカルキッズだからな…
メッチャ熱いビートで胸が高鳴るんだ。
もちろんライバルの俺だって、心を揺さぶられるんだ。
でもこれでライバルと言う土俵にすら上げてもらえないレベルだと言うことは分かった。
俺もギター弾くのは久々だったので下手くそになっていた。
ヤスシ「君らが俺たちに追いつくことはないけどね。」
スズシ「上から目線はよせよ。一緒に頑張ろう。」
スズシ…
何て良い奴なんだ。お前…あんなことがあったのに泣かせるじゃねーか…
次にお手本として、スカルキッズがその童謡をロックに弾いてのけてしまって、
俺たちはつい圧倒されてしまった。
感動して拍手をするタカシ。
タカシ「…すごいです!スカルキッズは同級生同士のバンドなんですよね?大学からですか?」
キヨシ「高校から!へへ、息ピッタリだろ?」
ヤスシ「青春物を書きたいならメンバーと苦楽を共にすると良いぜ。挫折があって今がある!」
スズシ「ナナコに曲を盗まれたのが挫折、マリコのこともあったのなら、アツシはもっと上を目指せるよ。」
アツシ「あ…ありがとう!」
学園祭までまだあると言うのに、俺たちは出遅れすぎている。
ひたすら練習をするしかなかった。
その前にデビュー曲を作らないとな…
ヤスシ「帰りにさ、アイス食ってかね?」
キヨシ「いーね。ねつだまの皆もどう?」
タカシ「スカルキッズの皆さんって…優しいんですね!」
キヨシ「よしてよ。タメで良いよ。デビューは早いけど同級生なんだからさ。」
ツヨシ「キヨシはベースだけど、キーボードも出来るんだよな?俺に教えてくれよ。」
キヨシ「いーとも!任せておきな!お前は見どころあるから、すぐ上達するよ。」
タカシ「僕も、ヤスシみたいにカッコよく決めたいな。」
ヤスシ「ハハハ!よし、奢ってくれたらな?」
タカシ「って、授業料取るのかよ!」
ヤスシ「とーぜんだ!」
アツシ「あはははは!」
こうしてスカルキッズとの練習はしばらく続いて行った。
俺たちのデビュー曲もみんなで案を出して行って、新しく作り始め、
少しずつ、形にしていく…!
再びギターと向き合った俺は毎日がワクワクでいっぱいなのだった。