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たとえ転生してもうさぎを愛してる  作者: ガーネット兎
第2章〜マッサージ師はハムスターと亀とうさぎと旦那と共に
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温泉旅

マナと健太は昨日飲み過ぎて二日酔いで宿でゴロゴロしている。

バナナは部屋散歩に夢中だ。


「あー柱は齧ったらダメだよバナナ」


バナナは自由気ままに部屋で色んなところを散策してる。狭い所も好きだ


マナはそんなラビビの為に水入れと草入れとご飯皿を用意した。


バナナはうつ伏せで寝ているマナの肩に乗りマナの手から果物を貰い御満悦だ。


「器用だね。マナはうさぎ飼ってたって本当なんだな。めちゃ手慣れてる」


「ふふ〜ん!うさぎのオヤツやりに関してはベテランよ!」


「マナは生前からオヤツやご飯あげの時以外相手をしてくれなかった」


みどりは根に持つタイプだ


「そっか!お掃除やらの地味な世話は他人任せかよ」


「ふーんだ!!うさぎならちゃんと散歩もさせてたよ。」


この日はマナがひたすらバナナに構いまくり健太は掃除とうさぎ用品の買い出しをしてたら日が暮れた


「何か俺達生きてるな」


「はぁ?何当たり前の事言ってんの?転生して新しい人生を生きてるよ」


「そうだよな!女神様の言い方を聞いてると使命の為にこの世界に転生させられた戦士みたいに思っててその使命の為に自分の為の人生は許されないと思ってたよ」


健太は異世界の生活を現実の人生だとようやく認識しはじめたらしい。


「ばっかじゃないの!私達は人間よ!人間も誰の指図も受けない自由な意志で生きていくものよ!

私は使命なんかどうでもいいわ!生きたい様に生きてやるわ」


「そっか!マナはそれで良いと思うよ。俺は勇者って肩書きがあるから何か使命感に取り憑かれてたよ」


「前世は色んな柵ばかりだったから現世は好きに生きるわ。その為には金よ!金を貯めなきゃだわ」


「前世とそこは変わらないのな」



次の日マナと健太とバナナは冒険者組合に向かう。


「どれがいいかなぁCランクだと星3つまでだろ」


二人は掲示板で良い依頼がないか探す。


「おお〜!これなんかどうかしら?」


マナは一つの依頼の紙を持ってきた。

「デッドリーベアーという凶悪な熊達が東の森に出没して荷馬車を襲ったりして困っています。退治を依頼します。報酬は熊の数に応じて銀貨100枚からと10匹以上で特別にウサギ型リングを贈呈します」


「いやいやいや俺の話を聞いていたか?この依頼は星5つだからこの依頼は受けられません。うさぎリングに釣られすぎ」


「はぁ〜?なら私から受けたい依頼はないわ。バナナとフルーツ盛りを食べたいから健太が早くちゃっちゃと決めて」


「そっか!わかった。」


健太星3つの依頼の中で野宿がいらなそうなのを選んだ。野宿するとマナが煩そうだから


「北の森でポーションの原料となるヒール草を大量に摘んできて欲しい。馬車も籠もご用意します。

一籠当たり10銀貨。あたりにはゴブリンの巣も近いのでお気をつけください」


健太はマナに確認を入れた。マナは歩かなくていいと喜んでいた。


「ご依頼の受付を受領しました。こちらポーション商会から馬車を受け取ってから北の森まで行く任務となっております。ゴブリンだけでなくオークの出現するエリアになります。充分ご注意下さい。」


「ありがとうございます。では行って参ります。」


健太とマナとバナナはポーション商会に向かう。


「あのすみません!私達冒険者でご依頼を受けに来た者ですが」


「あー冒険者の方々ですか。ではこちらに来てください。」


店員に連れられて荷馬車がある場所まで案内された。


「こちらに籠を20個ご用意させて頂きました。

ヒール草は幾らでも取って来てください。需要も多く野生のモンスターも食べに来ます。あたり一面にあると思いますからわかりやすいですよ。一様見分ける為にサンプルのヒール草を一つお渡しします。目印はピンクの花です。」


「そうですか。ありがとうございます。僕らは花や草に詳しくないのですが大丈夫ですか?」


「ドルイドの職でない方でも分かりやすいですから大丈夫ですよ」


「そうですか。ありがとうございます。では早速行って参ります。」


健太とマナとバナナは馬車に乗って北の森まで向かう。


マナは荷台でバナナに夢中だが健太は緊張していた。なぜなら荷馬車の運転など初めてだった。いや前世から馬に乗ってすらない。前進、加速、ブレーキの仕方はレクチャーを受けた。しかし初めての操縦の為肩に力が入る。


何とか他人に迷惑をかけないように操縦したつもりだ。しかし健太はそもそもスピード狂だ。


ブレーキなんて単語は彼の辞書にはない。

なぜなら森に入る人は少ない。つまり障害物はない。彼を止める者は誰も居なかった。


1時間後目的地についた。


バナナは生牧草をムシャムシャ食べている。

健太は一本一体丁寧にヒール草を抜こうとした。


「風刃」


ヒール草は根元から刈り取られた。


「マナナイス」


「健太貴方風魔法は使えないの?」


「そうだね。使えないみたいだな。このレベルになっても使えないなら風魔法の才能ないのかもね」


健太は刈り取られたヒール草を集めて籠に入れる。

マナはバナナの為に生牧草を刈り取り集め籠に入れる


「あの〜マナさんや!その籠は依頼のヒール草用ですよ」


「土魔法 土籠」


マナは土でできた籠を作り出した。


「見てみなさい!これで文句はない筈」


「そうだね。じゃあ大丈夫だな」


マナと健太は牧草とヒール草を集めた。

2時間も採取したら20籠はあっという間に満杯になった。ヒール草20籠に牧草2籠を馬車に健太は乗せていた頃


「ウォータースプラッシュ」「土槍乱舞」


マナはバナナを襲おうとしているゴブリン達と戦っていた。水鉄砲は発射されて、土槍は踊り舞う。


マナの掛け声に反応して健太も急いで向かう。

助太刀に来てみた。しかしそれはそれは見事なゴブリン達の死体の山しかなかった。


「はっはっは!バナナを狙うなんか私の目の黒いうちは許さないんだから!」


マナは一人で勝ち鬨を上げていた。バナナは何もなかったかのようにたんぽぽの葉に夢中だ。


「無事で良かったよ!なら帰りますか。」


健太とマナとバナナは依頼を終えてポーション商会に帰りヒール草と馬車を引き渡した後牧草籠を担ぎ冒険者ギルドに戻る


「依頼達成の報酬をお支払いします。籠20籠の為銀貨200枚になります。お確かめ下さい」


「明日の依頼も見ていく?」


「そうね!!健太はいいのあれば見て来て!」


マナはバナナの世話をしているようだ。


健太は星3つまでの依頼を眺めていた。

うーん全部日帰りじゃ無理だな。


マナとバナナと健太は冒険者組合内のいつもの酒場で夕飯にした。


次の日はバナナが下痢をした為に朝から獣医に行った。水分の多い果物を与えすぎだと怒られた。

マナは「はっ!そうだったわ」と反省してた。


バナナは呑気に牧草をモシャモシャ食べている。


次の日はマナがこの依頼を受けたいと持ってきた。

「温泉の街ミネラルまで護衛を頼む。団体旅行の馬車が20台は出る。途中の旅で危険なモンスターに出会ったら倒して欲しい。期間は往復5日。1日は温泉宿で泊まってOK。5日で報酬銀貨5枚」


「わかった。行こう。なんか久しぶりの観光デートだな」


「依頼を受付致します。後2時間程で出発の為お急ぎくださいね。こちらはミネラルまでの護衛依頼になります。道中ご注意ください。」


健太とマナとバナナはすぐに宿屋から荷物を取りに戻りチェックアウトをしてフルーツなどを買い漁り依頼先の馬車停留所に急いで向かう。


「ギリギリセーフ」


健太はセーフのポーズを馬車停留所職員にする。


「冒険者の護衛の方々ですか?」


「はい!そうです。」


「では最後尾の馬車にお乗り下さい。」


健太とマナとバナナの他にも冒険者は複数雇われているみたいだ。そりゃそうだろ。片道2日の距離だし団体旅行の客は貴族も混じってるそうだ。


マナは馬車の椅子に座布団を敷きリラックスモードだ。マナの背中にはバナナも座り二人して緊張感がない


健太は馬車の風景を楽しんでいた。


「ねぇ?健太!私達のパーティは数が少ないと思わない?」


「そうだね!前衛が不足している気がしてたんだ。誰かをパーティメンバーに誘う?」


「いや!人間は駄目!うさぎをティムしてメンバーに加えるの」


「それはペット増やしたいだけじゃん」


健太はパーティメンバーを増やして冒険を楽しみたかったのだがマナはペットのうさぎを増やしたいだけであり落胆した。


「はぁ〜?うさぎの世界を救うんでしょ?」


「この島では人類を救うんだよ!」


「それは任せるわ!私は真っ白ネザーランドドワーフが欲しいの」


バナナは灰色だ。


「マナは生前マナナを気に入ってましたもんね」


ラビは生前マナが自分に似た性格のマナナを気に入っていたのを思い出す。ラビからしたらいじめられて蹴散らされた思い出しかないが。


「そうよ!ラビに似てる灰色うさぎはバナナでOK!後は耳の立った真っ白うさぎが欲しいの」


マナは高らかに次のペットをゲットすると公表した


旅は2日目朝何もなく馬車は進んでいると馬車は急停車した。


前方の馬車からアリゲーターの群れが近づいているらしい。

俺達冒険者の仕事の時間だ!


マナはバナナを馬車に繋いだ。


マナは水の杖を持ち、健太は魔剣フリーダを持ち現場へと向かう。


ワニに似たアリゲーターは20匹程でこちらに迫って来ていた。およそ5分くらいで接近するだろう。


冒険者は総勢10名程


皆馬車の前に陣取り緊張していた。


「俺アリゲーターは初めてだよ。強いらしいよ」


「マジかよ!目的地は後少しなのについてねーな」


「注目!!私がこの冒険者達のリーダーに立候補するわ!私が魔法をぶっ放すから貴方達は援護しなさい」


不安そうな冒険者を見てマナはリーダーに就く事を高らかに宣言する。


「お前C級だろ!俺達はB級冒険者だ!勝手に仕切るな新米が!」


「私は勇者です。勇者として民を導くのが務め!我らにリーダーをお譲りください」


「ちっ!勇者パーティかよ!仕方ない。勇者パーティの実力を見てやるよ!野郎どもみんなこいつらの指示に従え」


マナは自分の実力を周りに理解させてこれから文句を言わせない為に魔法を連発する。


「アロマオイル混合針散弾魔法(ローズ×サンダルウッド)」 「風刃乱舞」


針が多数撃ち込まれ。その後風刃が乱れ飛ぶ。


アリゲーター達は血飛沫を上げながら目を血走らせてスピードを上げる。


「コメット」「土槍地獄」


上空から熱せられた隕石群と地中から土槍群がアリゲーターを襲う。


アリゲーター達は息絶えた。


「ふっ!手応えのない相手でしたわ!私は馬車で休みます。後片付けは皆様でお願いします」


「おー流石勇者パーティは強いなぁ!5分かからず死傷者無しにアリゲーターの群れを倒しやがったぞ!俺達も瀕死のアリゲーターを倒しにいくぞー」


「おー」


健太もアリゲーターの後片付けに向かう。

全く活躍してないからだ。


健太はアリゲーターの死体を炎魔法で火葬して回った。


「勇者なのに後片付けとは偉いじゃねーか!前の勇者より人が出来てる」


「そうですか!以前の勇者をご存知で?」


「ああ!勇者になった途端に威張り散らすようになった奴でな虎王国との戦に出かけたんだが

調子に乗って一人で突っ走った挙句囲まれて、虎王ライオネルに殺された。そのせいで戦いに負けたんだ。あんたも勇者なら戦略を立てて皆を導かないといけないぞ」


「ありがとうございます。肝に銘じておきます。」


アリゲーターの後片付けも終わり馬車も動き出した。マナはバナナと共に眠っている。


「お疲れ様!マナゆっくりお休み」


健太はマナに毛布をかけてあげた。


夕方になりマナが昼寝から起きて来た時にはミネラルの街が見えて来た。


「あ〜!長旅だったわね!もう寝心地の良いベッドがないと疲れがとれないわ」


「その為の温泉じゃん」


「おお〜〜!わざと疲労を作ってより温泉の効能を試す作戦ね」


馬車一行はミネラルに着いた。

マナと健太とラビビは屋台を練り歩く。


「くんくんくん」


バナナはマナの持つハーネスのリールを引っ張る

バナナにつれられてやってきたのは八百屋だ


大根の葉っぱがお目当てらしい。


「すみません大根の葉っぱと小松菜下さい」


「葉っぱだけっていや大根も買いなよ」


マナは渋々大根ごと買う。まぁ大根の葉じゃない方も擦りおろせば大根おろしになる。


マナと健太も屋台でつまみ食いをしながら温泉宿に向かった。


荷物を下ろしてバナナに餌をやり水を与えた後、マナはすぐに温泉に向かう。もちろん女湯だ。混浴などけしからん


「ふぅ〜良い湯ね!生き返るわ〜」


マナはふと思う。アリゲーター20匹倒してもレベル上がらなかった事を


「もしかしたら仲間の人数多かったから経験値少なめなのかな?それとも私のレベルが高いからかしら?教会で次のレベルまでの必要経験値聞けるなら聞きたいわ」


マナはじっくりゆっくり温泉を堪能した。


一方健太は

日課の筋トレをしてから温泉に入る予定だ


「はぁはぁこんなに筋トレ毎日してるのに腹筋割れねーしレベルも上がらねー」


健太は健太で勇者として強くなろうと頑張っていた。マナばかり強くなろうがめげずに


「えー?まだ健太は筋トレしてたの?折角の温泉だよ早く入りなよ」


「温泉はやはり汗をかいてから入りたいじゃん」


「私は温泉来たら3回は入る人だから忙しいのよ!あ!マッサージも予約しなきゃ」


マナは前世と変わらず自由だ


健太の筋トレとマナのマッサージとバナナの散歩の疾走で部屋もフリーダムである


次の朝それぞれの温泉の旅も終わり帰りの馬車に向かう


王都フェデーラに戻る為だ。

いよいよフェデーラ王との面会の日も近い



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