ラパンの神殿にて
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ウサギの敵を蹴散らしながら
白いうさぎに連れられてやってきました。
うさぎの楽園。
いろんなうさぎ達が避難していました。
なんて可愛いのでしょう!モフモフが止まりません
お腹の上におやつをばら撒いて、うさぎに揉みくちゃにされたら最高だなぁと思いながら
一路うさぎの神殿に向かいます。
そこはうさぎの形の神殿でした。なかなかセンスが良いね
神殿の中には前世の教会にあるような木の椅子やらピアノやらガラスやらどう考えてもうさぎでは揃えられないようなものが多数ありました。
もしかして転生者が他にもいるのだろうか。
そんなことを思いながら机の引き出しを開けると中に日記があった。
統一歴129年4月6日
私は転生者である。前世でうさぎを飼い愛していたら死後精霊うさぎとしてこの地に着いた。
これは神が私をこの地のうさぎ達を守るように派遣したのだろうか。
それよりうさぎに囲まれてハッピー。
お腹の上にちぎった果物を置いて仰向けになる。
うさぎ達に揉みくちゃにされる。
これは癖になる。最高だ
統一歴129年5月8日
ラパンの森は広い。これは迷子になってしまう。
磁石?そんなのあるわけがない。糞を豆がわりに
道標をつける。
あ!糞転がしさん!やめて!目標が消えちゃう。
目印となる家が欲しい。
幸いにも私の能力は変身。
人間に変身して近くのヤドン村から道具を取り揃えて
神殿を作ろう!やはり形はうさぎ形!
更にはバナナやらリンゴなどの苗もあればうさぎ達も喜ぶだろう。
ここいらの魔物を狩りまくり、
毛皮を手に入れて売り、
金を稼いで道具を買い込みいざ初める。
ここを楽園に変えるぞ
統一歴130年7月3日
変身もMPを食うし手伝ってくれるものも他にいない。
時間がかかってしまったが神殿も上手く出来た。
いやうまく出来たというよりかは私の実力ではこれが精一杯。
私は建築家ではないのだから。
これでもうさぎ達の憩いの場になればうれしいな
統一歴131年2月16日
私の子が産まれた。
なんて可愛いのでしょう。何匹かは私に似ている。
きっと大物になるはずだ。私の背中を見て育てよ我がジュニア達!
転生者である私の子は他のうさぎと違い魔力が少し宿っているようだ。
変な冒険者に狙われるといけない。
小さいうちから人間を見かけたら逃げる事を教えておかなければなるまい。
子供達と協力してラパンの森とうさぎ達を守っていこう。
統一歴133年1月6日
魔王フルフルの軍勢約50万が人間達と戦っている。
その余波で両陣営が物資をあさりにラパンの森に多数訪れている。
この森は今までで1番の危険に晒されている。
私は自分の使命を果たしこの地のうさぎを守る所存だ。
何より親の背中を見て子は育つ。下手な姿は見せない
新調したスカジャンの背中には最強の二文字が彫られている。俺が行くしかない。
子供達を死なせるわけにはいかないからだ
子供達に結界を作らせ早速私は迎撃に出るとする。
子供達の頭を1匹1匹撫でる。涙が止まらない。
決心が鈍りそうだ。
これは俺の最期の晴れ舞台になるかも知れない。
立派な父だと胸張って子供達は言ってくれるだろうか。何を弱気になってる。
前世は無敵の暴走族族長阿修羅と恐れられてた
我が最強の闘いを見せつけて人間も魔物も必ず蹴散らして帰る。
願わくば我が子の成長をみたいものだ
頼むから死んでくれるなよ。
神殿も必ずしも安全ではない。
しかし私は囮として前に出る。
神殿の存在を悟らせない為だ。
もし我が死んでいつかこの地に私と同じく転生者が来た時の為にこの日記と変身の心得を残そう。
前世では神頼みなんかした事ないが最期に祈る
天と地と精霊の身名においてラパンの森をお救いください。アーメン
日記はそこまでで終わっていた。
白いうさぎと会話をしているうちに彼女はアンナという名前である事がわかった。
私はアンナと共に日記の作者に祈りを捧げた後
変身の心得を見つけた。
「これは父様の形見。だけど貴方が護りたいと願う力としてこれは不要ですか?」
桐斗はアンナから変身の心得を譲り受け強く念じた。
スキル 変身を手に入れた。
「これでまた戦う術が増えた。ありがとう。
ところで統一歴何年ですか。」
「今統一歴135年6月8日です。父は2年前の戦役で魔王軍からも人間からもこの地を一人で守りぬき最後は死んでしまいました。」
「すみません。悲しい事を思い出させてしまい。」
桐斗は悲しい過去を彼女に思い出させてしまい。顔を手で覆う。
「貴方はこの日記にあるように転生者ですか?私の父の後を継いでこの地を守ってくださいませんでしょうか?父亡き後うさぎを守れる土地が徐々に侵食され今危機に晒されています」
何やらアンナやうさぎ達の置かれてる現状は危機的でそれどころではない様子だ。
しかしアンナ可愛いなぁ
ここは男らしくどっしり笑顔を振りかざそう。
ん?自分でもよくわからない表情になった。
「もちろん。私はそのつもりでこちらに来ました。精霊うさぎの結界士は今現在何匹いますか?」
「私が最後の結界士です。」
おいおいおいマジかよ!
異世界で可愛いうさぎとアダムとイブ状態ではないか。
桐斗の中でビビっときていた。
これは運命ではないかと!
こんな事初めてだ。
転生してやっと出逢えてしまった運命の相手
何から話ぜばいいのか?とりあえずアンナの側には私が付いてると述べて実際に護りながら徐々に頼りにされよう。
「アンナ宜しくお願いします。私にどれだけの事が出来るのかまだわかりませんが貴方の涙が枯れないように側に居させてください。私がアンナを護ります。」
桐斗はかなり大胆な口説き文句をサラッと言ってしまった。
「いやいや桐斗あんた初対面でそんな約束して大丈夫?てか口説いてね?」
「アンナの悲しみ恐れ不安は私が全て消し去ってあげたい。だだアンナの笑顔がみたい。こんないたいけな一人のレディの為にこの地とうさぎを護りたいと心から思ったまでさ」
キザな台詞を吐き何とか一世一代アンナを嫁に作戦に出る
「わかりました。貴方の護りたいと願うこの地とうさぎ達をどうかお願いします。」
「俺に全て任せて!アンナの父様の様に立派に護ってみせるよキラーン!あーアンナすまないがまだラパンの森の地理がわからない。一緒にデートして貰えないだろうか」
「かしこまりました。私が色々案内しますね」
デート作戦成功!アンナと桐斗はデートした。
我ながら電光石火の早技!
あわよくばアンナとお付き合いしたい。
この気持ちをアンナの父様に報告して許しを得たい。
許してくれるのか、我が娘に貴様などいらん!と怒鳴りちらかさるのかはわからないが、
一本筋の通った父親ぽい。
前世では娘さんを下さいと挨拶に行った経験はなかった。
仕方ないのでアンナの父の墓に二人して手を合わせた
「お父様!貴方の意志を継ぎ、私がアンナもうさぎ達も皆守っていきます。どうか天国から見守ってください。」
翌日早速結界魔法を発動させた。
「聖結界最高級魔法」
これで魔を持つ生物には効果があるはず。
あとは人間用に
「土結界最高級魔法」
あー最高級魔法はMP消費激しすぎ!
これで少しは防衛力があがり、結界に触れた敵を自動迎撃できて経験値も稼げる。
デートから帰り結界を張り安心した私は日向ぼっこで少し眠るのであった。
本日のカクテル
ゴッド・ファーザー
グラスに氷を入れてスコッチウイスキー3:1アマレットを入れてビルドすれば出来上がり
1972年映画ゴッドファーザーが公開されて産まれたカクテルです。シンプルなレシピだが、ウイスキーの味わいを楽しめる一品です。




