第四回世界会議を受け世界の首脳の思惑
世界中でバウムッド帝国非難轟々の中
年はあけて第四次世界同盟会議がアラルド共和国の要請でアンダルシアで開かれた。
聖都アランドブルクはまだ復興中の為である。
出席はブルク20世、アラルド共和国外相、イメリア公国外務大臣、バウムッド帝国外務卿など多数の首脳が集まった。まずは主催者であるアラルド共和国外相から始まりの挨拶だ。
「先の魔王軍との戦争で聖王国アランドブルクは領土を奪還できた事を心よりお祝い申し上げます。」
「ありがとうございます。勇者クリムドとイメリア公国の援軍があってこそです。」
「我らは世界同盟の為当たり前に援軍を出しただけの事です。」
「私事ではございますが、
実は折り入って頼みがございます。
来年にはうちは選挙がございます。
アラルド共和国は北半分と首都を魔王軍に占領されたままだと確実に来年の選挙では勝てません。
ここにいる皆様全ての力をお借りしてアラルド共和国領土奪還作戦を今年中に行えないでしょうか?」
アラルド共和国外相は皆に頭を下げて頼む。
今現在野党からの責任追求が多発して、
与党は支持率も危険水域であった。
選挙に勝てないとアラルド共和国外相自身ただの無職に成り下がる。
「うーん我が国もまだ復興中ですからな。なかなか大軍は難しいですな。
それに魔法入りシェイカーの数が底をついてしまいました。あれがないとどうしようもないです。
それに1か国は世界同盟を無視して侵略戦争をしている現状今年中はなかなか」
ブルク20世はバウムット帝国外務卿に嫌味を言う。
「そうですな。私としては足並みを乱してる国に逆に侵略戦争を起こしたいくらいです。
バウムッド帝国はイメリア公国と領土が接してなくて良かったですね」
「大人しく聞いていれば、好き放題言いやがって!貴方達は女神教の教えを何だと考えているんですか?我が国は人間こそが国を治めるべきだという女神様の教えに従い行動しているまで。女神様からの神罰を受けなければ良いですな皆さん?」
バウムット帝国外務卿は女神教を盾にうちの国は悪くないと言い放つ。
「普通に考えて魔王国は人間以外が国を収めて1000年にはなる。こちらを先に何とかすべきでは?
それに神罰言いますが、今回の聖うさぎ王国への侵略戦争もまた派手にやられたらしいですね?
神罰を受けてるのはどちらやら」
各国首脳の失笑が起きて
バウムッド帝国外務卿は真っ赤になる。
「うちのアンダルシア教皇の意見では聖うさぎ王国の桐斗を悪魔だと断定しました。彼はこの世界に存在してはいけない存在であり、害であると」
女神教の教えは絶対だと疑わないバウムット帝国外務卿はアンダルシア教皇の判断を伝える。今まで教皇の判断はこの世界では神の判断に近かった。
「桐斗殿の作る魔法入りシェイカーは魔王軍戦で益にしかなってないですよ。
桐斗殿が参陣して下されば多分数日でアラルド共和国も領土奪還は確実なのに、余計な国が有るせいで
桐斗殿は参陣を断ってくる。」
「いい加減にしないとあの優しい桐斗殿も我慢の限界を超えてバウムッド帝国は
滅ぼされてしまいますよ?
いやいっそ我がイメリア公国、聖王国アランドブルク、アラルド共和国、聖うさぎ王国でバウムッド帝国を滅ぼしてアラルド共和国の領土を増やすという手を使えばアラルド共和国の悩みも消えるのでは?
それなら選挙にも勝てるでしょう?」
「それは実に良い手だ。
それならきっと桐斗殿も参陣してくださる。
しかも選挙にも確実に勝てる」
もはや教皇の判断は世界を左右する力は無かった。
バウムット帝国外務卿は真っ青になる。
「少し皆様熱くなりすぎですよ。
バウムッド帝国外務卿!確かに女神教は人間以外の治める国は認めない。
それで戦争にはシナリオがあり理由も必要だ。だから我が国に亡命していた旧マウリア王国第二皇子フランク殿を亡命させて手元に置き担ぎ上げて更なる侵略戦争をする準備をされているのはまずいですよ。
もう桐斗殿は次は手加減されないかも知れません。
彼を悪魔だと仰いましたが桐斗殿は大魔王エターナルより勇者より遥かに力を持っています。それはバウムッド帝国外務卿貴方が一番よくわかっている筈だ。何せバウムッド帝国は50万の大軍が桐斗殿1人に打開されたのですからな!
そんな桐斗殿が悪魔ならもう世界の殆どの国は滅ぼされていますよ。桐斗殿は非常にお優しい。
しかしバウムッド帝国がこのまま侵略戦争するなら次は自国の存亡をかけて行うべきですな。
それからイメリア公国にアラルド共和国の首脳達も少し頭を冷やされよ。今バウムッド帝国を攻める事は魔王軍にとって好機でしかない。攻めた分だけ攻められたら意味がないのですよ。アラルド共和国と聖王国アランドブルクは前後に敵を作るのは良くない。
まずは全ての同盟国は落ち着いて事に当たるべきだ。ここ1000年ずっと人類を脅かしてきた魔王軍をまず第一に同盟国が一丸となって対処すべきだと私は思う。人類が治める国々全てのために。」
バウムッド帝国外務卿も冷静になった。
確かにブルク20世の言った事は間違っていない。
マウリア王国も桐斗に喧嘩を売り続けて滅ぼされた。聖うさぎ王国は恐らくその気になれば容易くバウムッド帝国を滅ぼせる。
「私も少し冷静になりました。ブルク20世ありがとうございます。私から教皇を説得して見ます。」
「いやうちの選挙はどうするんですか?」
アラルド共和国外相の憂いは晴れていない。
「うさぎのポスターを全面に押し出して乗り切ってください。
それか桐斗殿を説得して魔法入りシェイカーを今の10倍獲得できればアラルド共和国も何とかなるのでは?桐斗殿に説得しに行かれよ。全ては魔法入りシェイカーの数次第です。」
〜聖うさぎ王国
桐斗は不思議に思っていた。
レベル1000を超えていたからだ。
レベル1000はキリが良い。
だから必ず昇進が来ると思っていたのだ。
肩透かしにあいなんかモヤモヤする桐斗に
アラルド共和国外相から魔法入りシェイカーの交易数増加の申込みだ。何でも今年以内にアラルド共和国の首都を奪還しないと来年の選挙で勝てないそうだ。
前世でも選挙は大変だと聞いていた。
まぁ桐斗も早く昇進したい。
予想があってれば次が最終昇進だ。
一刻も早く昇進しなければ奴が動き出すかもしれない。嫌もう既に動き出してるかも知れない。
バウムッド帝国や魔王軍なんかより余程不気味で怖かった。あの存在は
なので地道に経験値稼ぎに良い魔法入りシェイカーの販売量を今年限定で大量に交易すると返信した。
10倍でも100倍でも構わない。初級魔法入りシェイカーなどいくらでも作れるからだ。
〜アランドブルク
その頃勇者は今だに魔王軍が占領している聖王国アランドブルクの北方で魔王軍を排除して回っていた。
幾つかの砦を落とさねば以前までの魔王軍との境界線には戻らない。
勇者の地道な努力は全て自身の研鑽の為だ。
次大魔王エターナルと戦う時の為に研鑽は怠らない。
本日もまた魔王軍の砦を落とした勇者は女神様に感謝の祈りを唱える。
「明日もまた人類に幸あらん事を」
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