ラパンの森にて②
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「ねぇマナナ!ここラパンの森だよね?うさぎまだいないのに狼やら熊やらチーターみたいなのしか出て来ないよ?」
桐斗は鬱蒼とした木々を歩きながらぼやく。
「それだけ危険だって言ったでしょ!我々も結構追い詰められてるの!魔王フルフルが勢力範囲を増やすべく攻勢に出てるって話なの!」
「魔王までいるの?詳しい現状理解にこの世界の地図がわかる場所に心当たりある?私は何を成せば良いの?」
報告、連絡、相談。略してホウレンソウて言葉を知らないのか?うさぎ達は!桐斗は呆れながら色々聞き出す
「そんな複数疑問文を並べないの!とにかく今向かってるのはラパンの森の中央神殿よ 多分北よ桐斗はとにかくうさぎ達を守って」
マナナとは会話のキャッチボールが出来ない。命令ばかりだ。前世のあいつみたいだなと桐斗はぼやく。
「北って磁石ないからわからねーよ どっち?」
「それがわかれば迷ってないわ。更には他のうさぎ精霊達によって中央神殿付近は結界張られてそうだから尚更わからないわ」
マジかよ!マナナよ色々受け入れ準備が整わなすぎるだろ!
桐斗はこいつら使えねーって思った。でもうさんぽさせた事無かったから仕方ないのかな?
もう2日ほど迷っております。
時たま襲いくるモンスターを魔法で蹴散らして良い経験値稼ぎにはなっておりますが
それにしてもそろそろ着いて欲しいところではあります。
いいキャンプじゃないかって?
いやいやサファリーパークに徒歩で歩いてる気分ですよこちとら
「ところで親愛ptって何かわかる?」
「それは我々うさぎ精霊11匹それぞれ持つ固有スキルをptに応じて貰うためのものですわ。私のラビットパンチなんか如何ですか?」
マナナは急にお淑やかになる。あー自分の固有スキルとって欲しいんだろな
「魔法使いに物理スキルいらないだろうが!私の二段跳びが便利ですよ」
ジジまで参戦だ!そんな大事な事?
「いや僕の噛みつきが窮地に役立つはず」
ん?何だろかマナナのラビットパンチもジジの二段跳びもモカの噛みつきも君達生前の得意技だよね!?
マナナはゲージに帰るのが嫌で捕まれそうになるとパンチ繰り出してきたし、ジジはゲージから逃げ出す為に二段跳びしてたし、モカは桐斗が間違えてカサブタを剥がそうとした時に桐斗の腕にガブリしたのがそのまま固有スキルになってるし
なんか懐かしいな ワイワイ頭の中で言い合いしてるうさぎ達を横目にさまざまな事を思い出していた。
「いやいや私のカクテル三昧なら多重詠唱もオートマチック詠唱も出来て便利なはず」
何だその便利スキル!カシスお前天才か?
「カシス!そのカクテル三昧は何PTで取得可能なんだ?」
「ふふふ!私のスキルに目をつけるとは流石桐斗様!
貴方の最期のうさぎの私は貴方のシェイク姿をよく見ていましたからスキルになりました。ちなみにPTは500PTです。」
500PTかー確かに使えるスキルだから高ポイントなだけあるな!
やっとレベル10に上がり親愛PTも200まで上がったけど先は長そうだ
「カシスごめんな!まだ現状取れそうに無いから頑張って貯めるよ」
ステータス LV10
HP:60
MP:80
攻撃 :25
防御:25
魔法:80
魔法防御:80
速度:105
親愛pt:200
固有スキル 融合
〜数日後
「いやいやティンカー流石に迷いすぎだって!サファリーパーク一週間いるよ!君達ここの精霊だよね?何でこんなに迷ってるわけ?」
もうこんなに迷うなんてびっくりですよ。足もパンパン
「私達は生前は部屋散歩か病院以外連れてって貰った事ないから方向音痴なんですよ」
ティンカーは桐斗のせいみたいな言い方だがうさんぽは危険だ。
「いやいや外にうさんぽとかハードル高いからね!
しかもティンカーお前部屋でハーネス付けた時すぐに自力で抜け出してたじゃん!
あんなんで外でうさんぽしたら脱走されちゃうから」
ワイワイ頭の中で喧嘩していると目の前に白いうさぎが人間から逃げてきていた。