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たとえ転生してもうさぎを愛してる  作者: ガーネット兎
第1章〜バーテンダーはウサギ達と共に〜
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世界同盟宣言

お気に入り登録やブックマーク登録よければお待ちしております。シェイカー魔法一覧は第19部にまとめて総集しております。召喚魔法一覧は25部にのまとめて載せてます。

勇者クリムドはラパンの森に入れなかった。

ならばと最低でも桐斗の実力を知る為に王都マウリアを見に行く事にした。


僅か3時間のうちにラパンの森の戦力はどれだけの事が出来るのか。

もしかしたら敵に回るかも知れない勢力である。

なぜなら同じ人間ではないのだから。


一日あまり飛行を続けると廃都になった王都マウリアの惨状を目の当たりにした。

街は瓦礫の山で立派な宮殿はそのものが当初から無かったかの如く消滅していた。


これを僅か3時間で成したのであれば魔王軍より遥かに戦力がある。

それに当初あった桐斗の印象からは程遠い徹底した破壊ぶりだ。

どれだけの憎しみがこうさせたのだろう。


大昔には精霊術士と勇者は手を取り合い魔王を倒したとあるが、

今回は精霊術士と勇者は戦う可能性が大いにあると感じた。

人間と魔王軍が拮抗状態の中、ラパン勢力まで敵になりかねない。


そんな未来を想い浮かべた勇者クリムドは暗雲たる表情になった。


すぐさま聖王国アランドブルクに帰り報告をして

国の垣根を越えて会議を開かねばならなかったが

王都マウリアをこのままにしてしまうと

伝染病が蔓延してしまう。


勇者クリムドは念入りに王都マウリアのあちこちに点在する死体に火のブレスを吐くように愛竜に命令する。


大方焼き終えて、黙祷をした勇者クリムドは聖王国アランドブルクへ帰っていった。


一週間後聖王国アランドブルクでは諸外国を交えた会議が開かれていた。


ブルク20世、勇者、イメリア公国外務大臣、アラルド国外相、マウリア王国第二皇子フランク、バウムッド帝国外務卿など世界のそうそうたるメンツが揃ったこの会議はのちに世界同盟宣言と名付けられた


「我が国と勇者クリムドの要請で諸外国全てが集まってくれた事をまずは礼を述べる。

此度の会議の趣旨を勇者クリムドから述べて頂こう」


「つい一週間ほど前にマウリア王国の要請でラパンの森に和平の使者として向かいましたがラパンの森の結界に触れただけで複数の魔法が飛んできてラパンの森に入れず撤退しました。

そこでせめてラパンの森勢力の力を見るために僅か3時間余りの攻撃で現在は廃都となっている王都マウリアの惨状を見に行きました。

宮殿は跡形もなく街は瓦礫の山で魔王軍以上の戦力がラパンの森勢力にはあると判断した為に人間側がラパンの森勢力を第二の魔王として戦うのか、

徹底してラパンの森勢力には関わらないのか判断して頂きたくこの会議を要請した次第であります。」


「マウリア王国がラパンの森に下手なちょっかいをかけたからこうなったのでは?

ラパンの森勢力は魔王軍をも蹴散らしています。

やり方次第では良き隣人になれるのでは?」


イメリア公国外務大臣は興味深そうに仲間に引き入れる方向に持って行きたいようだ。なぜならイメリア公国内にもラパンの森は存在するからだ。北に魔王南にラパンと挟み撃ちされたらたまったものではない。


「此度の一件を撤退的に調べた結果、ラパンの森勢力への討伐はマウリア王国の冒険者組合が2回、マウリア王国自身では3回となっており計5回攻め入っている事になります。

その内一回はラパンの森拠点への火矢の発射と投石を行い、少なくない数の被害をうさぎに与えた可能性があります。

イメリア公国外務大臣の仰る通り我が国は眠れる獅子に要らぬちょっかいをかけてしまったことを平に謝罪致します。」


フランクは皆に丁寧に頭を下げた。


「魔王軍は数年前に50万からなる軍勢が攻め入っており、

魔王軍との小競り合いも続いている。

現在において人間側の列強諸国は一つになり魔王軍と戦わなければならないのにマウリア王国は援軍を出さないどころか新たな火種を生み出す。

呆れてものも言えませんな」


バウムッド帝国外務卿は眉を顰める。


「私もその意見に賛同しますわい。

ラパンの森勢力との戦争はマウリア王国が全面的に悪い。

マウリア王国自身で和平を結び決着を付けなければいけない所を魔王軍と戦うのが使命の勇者に仲介を頼むなど筋違いも甚だしい」


各国からのマウリア王国への意見は厳しかった。


「勇者に質問だが、もしラパンの森勢力が人間側についたら魔王軍を滅ぼせそうなのかね?」


「私の個人的な勘にはなりますが

ラパンの森勢力が仲間に加われば9割方魔王軍は滅ぼせます。」


「我がイメリア公国は代々魔王軍の侵攻に苦しめられてきた。

我が国としてはマウリア王国全てをラパンの森勢力に渡す代わりにラパンの森勢力に魔王軍討伐を依頼したいくらいです。

マウリア王国は害にしかなっていない」


「待って頂きたい。私がマウリア国王になった暁には援軍の確約はお約束致します。

すぐにあらゆる手段を使いラパンの森勢力と和平を結び、できる限り魔王軍と戦って頂けるよう要請も致します。だから今しばらく待って頂きたい。」


フランクは嫌な流れになってきたと焦り出す。

このままだと世界からマウリア王国は除け者にされてしまうからだ。


「今この瞬間も我が国の兵士は魔王軍と戦っているのですよ!

マウリア王国は魔王国と接していないからそんな悠長な事を言っていられる。

我が国は毎日が亡国の危機にあるのだ」


イメリア公国外務大臣は1番熱を帯びてマウリア王国を非難していた。

そんな中ブルク20世は発言をする。


「マウリア王国が間違った事をしたのは事実でありますが結果論だ。

ラパンの森勢力が弱ければラパンの森で開拓事業が行えて農産物などが増えたかも知れません。

マウリア王国は移民が多く住宅地や農地の不足を抱えていた。

そんな中無償で武器や食料供給は前線の国々に長年送ってくれていた。

そこは評価すべきだと私は思う。

イメリア公国外務大臣の仰る意見もわからなくもないが、桐斗と名乗るラパンの森の精霊術士はラパンの森の防衛の為にのみ力を使うと以前言っていたらしいです。

ラパンの森勢力は違う種族であり人間ではない。

対魔王軍への味方とはなから決めつけてあてにするのは時期早々と考える。

まずは人間側の諸列強で堅く細かな反魔族同盟を結ぶのが第一だと考えますが皆さまいかがでしょうか?」


各国が異議なしと答える中、

イメリア公国外務大臣だけは独自にラパンの森勢力に親交を交える努力をすると宣言しますが同盟には意義なしと答えた。


統一歴138年11月25日人間側の諸列強は何とか世界に同盟を正式に発表した。


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