バニラとアスランとカシス生誕と第一次黒十字戦争勃発
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ラウリア王国は聖王国アランドブルクの南西側に位置している。
魔王の直轄地と接していない為に直接魔王軍と戦った事はない。
魔王軍との戦いが起こってもイメリア公国や聖王国アランドブルクやアラルド共和国への物資の供給に留まり、
直接援軍を出した事はここ100年では一度もない。
その為特に軍事力の劣るイメリア公国からの移民が多くやってくる。
ラウリア王国では住宅地、農地が不足していた。
移民はそう簡単には職にも有り付けず盗賊が増え、
治安がよろしくない。
この問題の解決策は度々宮廷会議でも議論になるが
土木工事を増やすなどでお茶を濁せなくなって来た。
本音を言えばラパンの森を焼き払い、住宅地と農地を得たいのだが、
大昔にラパンの森の精霊術士が勇者と共に魔王を討伐した事があり、
ラパンの森を攻撃すると聖王国アランドブルクが黙っていない。
大臣達は悩んでいると商業ギルドから報告が上がってきた。
内容はラパンの森をある精霊術士が結界で覆い、
ラパンの森からの資源がとれない。
これではヤドン村は立ち行かなくなる。
さらには夏に冒険者200人以上で調査に向かわせたがほぼ全ての冒険者が死んで戻らなかったとある。
なかなか解釈として随分人間側に調子の良い内容だが王国民が精霊術士に殺されたという事は確かだ。
これで大義名分が出来た。
この日ラウリア宮廷会議ではラパンの森の精霊術士討伐が全会一致で可決されラウリア王も承認した。
大将軍バウグストゥスが移民を多めに王国内から兵を集め指揮して討伐に向かう。
王国は桐斗が魔王軍5000を瞬殺した情報は知らず
兵力は1000程度で完全に舐めていた。
時は統一歴138年1月の事だった。
後の世ではこの戦いを第一次黒十字遠征と名付けなれた。
ラパンの森では10月6日にアスランとバニラが産まれ、
1月3日にカシスも産まれた。
着々と前世からのうさぎ達が揃ってきて
とても桐斗は嬉しかった。
このまま何も無ければ良いのにと思いながらも
魔法入りシェイカーを日々作っていた。
大砲も4門できた。
北と東と南東側に一門ずつおいている。
外側の結界に反応がある事を感じたペロは
大砲が撃ちたくてしょうがなかったのもあり、
人間が多数いる方向に向けてココナッツドリーム入りのシェイカーが10個入った弾を大砲でぶっ放した。
その時桐斗は寝ていた。
桐斗が寝ている間にぶっ放されたココナッツドリームは王国軍に硬いココナッツを雨霰と食らわせて
負傷者多数となり王国軍は一次撤退し敗戦した。
次の日桐斗はステータス画面を見てレベルが上がっている事に驚いた。
一方的に負けた敗戦でバウグストゥス将軍は解任された。
ラウリア王国は現在後継者争いが勃発していた。
第一王子である皇太子フランソワはもともと体が弱く成人を迎える前に死んでしまう。
第二王子フランクは身分の低い貴族の母を持つが文武優れ皇太子にと推す声は大きい。
それに対して第三王子フランシスはフランソワの実の弟で母が皇后だ。
文武は第二王子に劣るが血統を理由に名門地方貴族からの支持が強かった。
第二王子フランクは同盟派つまり魔王軍との戦いを全ての国が同盟を組み平等に負担すべきだという派閥に属していた。
彼は外務大臣も兼務しており勇者と面識もあり何より魔王軍との戦いを見たことがあったからだ。
それに対して第三王子フランシスは王国派つまり
魔王軍の戦いなど興味はなくひたすら自国の利益を求める。
第三王子派は結果を出さないと第二王子派に負けてしまう。軍部を抱き込み今度こそはと兵を集める。




