再会
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桐斗は気がつくと一面真っ白な世界で漂っていた。
もしかしてここは死後の世界なのか?
あたりを見渡すと身体に引っ付いてる精霊に似た小さなウサギが11匹居た。
「もしかしてジジ、モカ、マナナ、ティンカー、ルイ、アスラン、ペロ、ノンペ、バニラ、ラビビにカシスなのか?」
『はい』
「ああ お前達にまた逢えて本当に嬉しいよ。
もう私を置いていかないでくれ。これからはずっと一緒だよ」
桐斗は涙を流してみなを抱きしめた。
数刻後一体の真っ白うさぎが代表で話しかけてきた。
「桐斗 私は生前貴方にお世話になったマナナです。桐斗とこうやってまた逢えて私もとても嬉しく思います。みんな桐斗のおかげで幸せな人生でしたからとても感謝しております」
「うんん私の方こそありがとうと伝えたい。
私の家族になってくれて」
「私達にとってもご主人様は桐斗とマナのみでした。沢山の愛情を注いで頂き感謝しております。」
真っ白な死後の世界で桐斗はかつて飼っていたうさぎ達との懐かしい出逢いに心から幸せな時を過ごすのであった。
「ところで私を迎えにきてくれたのには何か訳があるんじゃないのか?もしかしてお見送りかい?次はどんな人生を送れるのかな?人間以外が良いなぁ」
「桐斗はもし人類とうさぎのどちらかを選ばなければならない選択を迫られたらどちらを選びますか?」
マナナは真剣な表情で聞いてくる。
「マナナ唐突な質問だね。私は人間に情がないと言えば嘘になる。しかし人間がうさぎを殺して喰らい毛皮にして喜ぶのならうさぎを護る側に立ちたい。マナナ達がうさぎ側に立つのなら尚更ね」
桐斗は笑顔で返答してマナナの緊張をほぐそうと頭を撫でる。
「残虐な人類相手ならうさぎの方を大切にしてくださいますか?」
ジジも心配なようだ。安心させてあげる。
「ああジジよ!もちろんさ」
そう言いジジの背中を今度は撫でてやる。生前と同じく良い毛質だ。
「桐斗!通常生物は死ぬと記憶を無くして新たな生命に転生します。しかし桐斗やマナに飼われたうさぎ達全ては精霊神様の導きで貴方かマナを待つよう言われてここでお待ちしておりました。精霊神様は最期の力を使いどちらかを転生させてラパンの森の守護を任せたいそうです。そして私達と一体となることで救って欲しい世界があるのです。」
ふむふむモカが何やらいきなり大量の情報を伝えてくる。頼むからメモさせてくれ。
「現在そのラパンの森が敵や人間達の侵攻で危機に瀕しています。桐斗力を貸してくれませんか?」
アスランまで言い出したぞ。うん?ラパンの森?侵攻?精霊神?一体化?よくわからないが、しがない人間だった私にそんなことできるのだろうか?
私は状況など何もわからなかったが愛すべきうさぎ達がピンチだと言う事だけはわかった。
愛すべきうさぎ達が危機に瀕しているのならば出来る限りの事をしなければなるまい!!
私はうさぎ達の家族なのだから。
「みんな任せて!私にできる事があるなら何でもするよ」
「桐斗これは人間や他の生物と殺し合いになるかも知れませんが大丈夫ですか?引き受けた事を後悔するかも知れませんよ」
モカは不安そうだ。そんな時こそ私は笑顔を見せて安心させなければ
「モカ何を言っているんだい。私にとって何より大事なのはお前達家族なのだよ。家族の為ならば後悔などしないとも。うさぎをいじめるならばたとえ人間だろうが狼だろうが熊だろうが倒して魂尽きるまで協力するさ」
桐斗はそう言い、11匹のうさぎ達を抱きしめた。
すると眩い光を発して桐斗はうさぎ達と一つになり
ラパンの森へとワープした。